中学受験算数過去問の進め方|夏井算数塾
中学受験算数の過去問は、解く回数を増やしても点が安定しないことがよくあります。
直前期に伸びが止まりやすいのは、単元の不足よりも、読み違い/図に取りかかるまでの遅れ/途中式が飛ぶ/見直し不足/時間配分のずれといった「解く途中の取りこぼし」が重なるためです。
このページは、過去問で点が伸びない理由を原因ごとに分け、家庭学習で「次に直す場所」を早く決めるための総合案内です。
同じ問題を解き直す前に、まずは「どの取りこぼしが多いか」を押さえると、直前期でも数点が動きやすくなります。
知りたいテーマから入れるように、見るべき観点と取り組み方を記事ごとに整理しました。
「何から見ればよいか分からない」場合は、この直後の見出し(原因→回し方→直前期→難問→学校別)から、いちばん近い状況を選んでください。
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もし「外部の力を使うべきか判断がつかない」段階なら、先に 判断材料(整理ページ) を見てから戻ってきても大丈夫です。
過去問で伸ばすには「解法パターン」を不足なく揃える
過去問の点が動かないとき、「単元が抜けている」より多いのは、考え方の引き出し(解法パターン)が足りない/出し方が遅いケースです。
同じ単元でも、入試では「定番の考え方」に乗るかどうかで処理時間が変わります。まずは、過去問で頻出の解法パターンを不足なく揃え、見直しで次に増やす1つを決められる状態にしておきましょう。
まず3分類:解法パターンが足りないのか、途中で落としているのか
直しを速くするために、間違い(または未完了)を次の3つに分けます。
- 解法パターンが無い:発想が出ない/別解に気づかない/式に乗らない
- 解法パターンはある:読み違い・条件落とし・作図が遅い・途中式が飛ぶ・見直し不足
- 時間の使い方:重い問題に時間を使い、取れる問題の時間が無い
※このページの前半(原因の切り分け)は2つ目・3つ目の整理が中心です。ここでは「1つ目(解法パターン)」の整理も追加します。
家庭でできる:解法パターンを集める「3点メモ」
新しい解法パターンを増やすときは、ノートに長くまとめるよりも、最小限のメモで再現できる形にします。
- 合図:どんな条件・言い回し・数字の置き方で、その解法を使うか
- 図:線分図/表/面積図など「最初に描く形」だけ
- 式の骨:最初の1本(最初に立つ式)だけ
過去問を解いたあとに「今回の新規は1つだけ」と決め、この3点だけを書いておくと、次に同じ状況で早く出せるようになります。
ミニ練習:解法パターンを「当てはめる」練習(3問)
過去問に入る前の準備として、短い問題で「合図→図→式の骨」を揃える練習を入れます。目安は1日1問です。
練習1:差に注目(線分図)
問題
Aは38cm、Bは24cmです。AはBより何cm長いですか。
- 合図:「〜より何cm長い」=差
- 図:線分を2本(長い方と短い方)
- 式の骨:38 − 24
練習2:等分(1人分・同じ数ずつ)
問題
みかんが27こあります。3人で同じ数ずつ分けます。1人分は何こですか。
- 合図:「同じ数ずつ」「1人分」=等分
- 図:全体→3つに分けるイメージ
- 式の骨:27 ÷ 3
練習3:割合(もと×割合)
問題
120円の2割は何円ですか。
- 合図:「〜の2割」=割合
- 図:面積図(10等分のうち2つ)でもOK
- 式の骨:120 × 0.2
追加FAQ:解法パターンに関するつまずき
Q. 解説を読めば分かるのに、本番で出てきません
多くの場合、合図が決まっていません。解説を読んだら「この条件が来たらこの図から入る」を1行で言える形にし、次回はその合図を探すことから始めましょう。
Q. 解法パターンを増やすと、直しが増えて回りません
増やすのは毎回1つに絞り、他は「途中で落とした」側の修正(線の引き方・図に入るタイミング・途中式)を優先すると回りやすくなります。
Q. 志望校別には、どの解法パターンを優先すべきですか
まずは過去問を2年分だけ解き、よく出る大問で「何が得点源か」を掴みます。そこで出た“頻出の考え方”から順に揃えると、同じ努力でも点が動きやすくなります。
まず見直す:過去問が伸びない原因を分けて考える
過去問で点が取れないとき、多くのご家庭が「演習量が足りない」「単元を戻すべきかも」と考えがちです。
ただし中学受験算数では、原因が一つに限られません。次のような“解く途中”に原因があると、勉強していても点数は安定しにくくなります。
- 条件整理が甘く、読み落としや思い込みが起きている
- 図を描く前に式から入り、途中で混乱している
- 途中式が飛ぶ/整理されず、後から見直せない
- 検算・見直しが甘く、ケアレスミスが残る
- 時間配分がずれ、後半の取りやすい問題を落とす
上記を「どれが原因か」に分解して確認するためのチェック観点を、流れごとに整理した記事がこちらです。
- 過去問をオンラインで回すためのチェックリスト|採点・直し・復習の流れまとめ
過去問が伸びない原因を「読み方/作図/途中式/検算/時間配分」などに分解して特定するための観点を整理。
過去問の回し方:家庭学習で点が増える回し方に変える
過去問は「解く→丸付け」で終えると、次の週に同じ取りこぼしを繰り返します。
点数を上げる運用は、少なくとも次の4ステップで回します。
ステップ1:本番形式で解く(時間と順番を決めておく)
- 制限時間を必ず設定し、途中式も含めて本番同様に記録する
- 「最初から順に解く」ではなく、“取れる問題から取る”順番を試す
ステップ2:採点後に「取りこぼしタイプ」を分類する
- 知らない(知識不足)なのか
- 分かっていたのに落とした(読み違い・作図不足・途中式・検算・時間)なのか
- 難問に吸われた(捨て問判断・時間配分)なのか
※ここで「知識不足」以外が濃い場合、単元戻りよりも“解く途中”の見直しが先です。
ステップ3:直しは「同じ取りこぼしが二度起きない形」にする
- 読み違い:条件への線引き・図に取りかかる合図を決めておく
- 途中式:式の並べ方/単位/メモの置き方を決めて残す
- 検算:見直す対象(桁・単位・代入・逆算)を決めておく
ステップ4:類題で“再現テスト”をする
- 同型類題を短時間で解き、「同じ流れで再現できるか」を確認する
- 再現できない場合は、解法ではなく“途中の動き”を修正する
直前期:やることを増やすより「取りこぼし」を減らす
直前期は、新しい単元を増やす段階というより、持っている力を本番で出し切る段階です。
「あと数点が届かない」「問題量をこなしているのに点数が安定しない」といった悩みは、解法よりも途中の癖(線を引くタイミング、図の描き方、計算ミスの出やすい場所など)に原因があることがよくあります。
- 直前期のオンライン算数|過去問の回し方・時間配分・弱点補強のやり方
直前期に「何を優先すべきか」を、取りこぼし対策・解く途中の見直し(手元の可視化)という観点で整理。
難問は解く?捨てる?「合格点」から逆算して判断する
過去問対策で乱れやすいのが、難問に時間を使いすぎて、取れる問題を落とすパターンです。
中学入試算数は「大問まるごと全部が難問」という形は多くなく、最後だけ急に難しくなることもあります。また後半でも易しめの設問が混ざることがあります。
そのため、過去問では次を徹底します。
- 1問に張り付かない(上限時間を決める)
- 途中まで取れる設問は“途中点の発想”で拾う
- 後半に残る“取りやすい設問”のために時間を残す
- 難問への向き合い方
合格点の現実を踏まえ、「解く問題の見極め」と時間配分の考え方を整理。
学校別:令和2年度の過去問を大問別に動画で確認する
「同じ学校の出題傾向で、どこが得点源になるか」を把握したい場合は、学校別の過去問解説を活用してください。
各ページでは、令和2年度の入試問題から厳選した設問を大問別に整理し、解説動画につなげています。
※問題文・設問は各種WEBサイト等から入手する前提で構成されています。
女子学院
開成
渋谷教育学園渋谷
早稲田
過去問を“得点力”に変える:ライブ配信の活用
過去問は「解説を聞いて分かった」で終わると、本番で再現できません。
必要なのは、考え方・アプローチ・時間内処理(解く順/時間配分/捨て問基準)まで含めて、本番仕様の動き方を固めることです。
- 得点力向上YoutubeLive~実施詳細~
実際の中学入試過去問を用い、解法だけでなく「本番で得点するための処理」を扱うライブ配信。問題PDFを事前に解いて参加する前提で進行。
※状況を整理するための判断材料です。
- 授業を聴いて帰ってきたはずだが、翌日に残らない
- 宿題と直しが回らず、積み残し化している
- 後手に回りすぎて、何から手を付けるべきか分からない
おすすめの読み順
どこから着手すべきか分からない場合は、次の順で読むと判断が早くなります。
過去問対策は「量」より「運用」と「見直しの組み立て」で差がつきます。
特に直前期は、解けるはずの問題を落とさないための“流れを決める”ことが得点を押し上げます。


