中学受験算数の過去問のやり方|解法整理・直し方・直前期の見方

中学受験算数の過去問は、ただ回数を増やすだけでは点数が安定しないことがあります。過去問対策で大切なのは、「いつから始めるか」「何年分を解くか」だけでなく、解いた後に何を記録し、どの問題を解き直し、次の年度で何を試すかまで決めておくことです。

このページでは、小6の家庭学習で過去問を進めるときの基本的な流れを、開始時期、年度数、1回目と2回目の見方、採点後の記録、解き直し、時間配分、難問の扱いに分けて整理します。

「何から見ればよいか分からない」場合は、まずこの直後の全体像から確認してください。当塾の指導方針や受講形態(教室/オンライン)など、サービス全体の案内は夏井算数塾の全体像で確認できます。

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  • 過去問をどう始めるか知りたい場合:まず「過去問のやり方」の全体像を確認
  • いつから始めるか迷っている場合:小6の時期別の進め方を確認
  • 何年分やるか迷っている場合:第一志望校・併願校の年度数の考え方を確認
  • 点数が伸びない場合:採点後の記録と原因分類を確認
  • 時間が足りない場合:時間配分と難問の扱いを確認
  • 家庭だけで見直しが難しい場合:個別指導やオンライン個別指導の案内を確認

中学受験算数の過去問のやり方:まず全体像をつかむ

過去問は、志望校の問題を解いて点数を出すだけの教材ではありません。家庭学習では、次の流れで進めると、点数だけでなく「どこを直せばよいか」が見えやすくなります。

  1. 本番と同じ時間で1年分を解く:合格可能性を決めるためではなく、現在の課題を見つけるために使います。
  2. 採点する:合計点だけでなく、大問ごとの正誤、時間切れ、途中式の残り方を見ます。
  3. 原因を分ける:知らなかった問題、分かっていたのに落とした問題、時間配分で届かなかった問題に分けます。
  4. 解き直す:答えを覚えることではなく、同じ考え方をもう一度取り出せるかを確認します。
  5. 次の年度で試すことを決める:線を引く、図を先に描く、難問に使う時間を決めるなど、次回の行動を1つ決めます。

最初の1年分で点数が低くても、それだけで志望校との相性を判断する必要はありません。大切なのは、どの問題で点を落としたのか、何を直せば次の年度で点に変わるのかを確認することです。

小6の過去問はいつから始めるか

過去問を始める時期は、志望校、塾の進度、単元の完成度によって変わります。ただし家庭学習では、時期ごとに見るポイントを変えると進めやすくなります。

最初の1年分は合格可能性ではなく課題確認に使う

最初に解く過去問は、「合格点に届くかどうか」を見るだけではなく、志望校の問題でどのような課題が出るかを確認するために使います。

  • 時間内に最後まで届くか
  • 大問ごとの難度差を見分けられるか
  • 図や表を使う問題で手が進むか
  • 条件の読み落としがないか
  • 計算・単位・答え方で取りこぼしていないか

点数が低い場合でも、取れる問題を落としているのか、まだ考え方が足りないのかで、その後の対策は変わります。

9月〜10月に見ること

9月〜10月は、志望校の問題形式に慣れながら、課題を洗い出す時期です。点数を急に上げることよりも、過去問を解いた後に何を直すべきかを明確にすることを重視します。

  • 大問ごとの時間の使い方を確認する
  • よく出る単元や苦手な形式を見つける
  • 読み違い、作図不足、途中式の飛びを記録する
  • すぐに単元復習へ戻る問題と、過去問の中で直す問題を分ける

11月〜12月に見ること

11月〜12月は、年度を進めながら、得点に変える練習を増やす時期です。1回ごとの点数に一喜一憂するより、同じ取りこぼしが減っているかを見ます。

  • 同じ種類のミスが続いていないかを確認する
  • 時間をかける問題と飛ばす問題の判断を練習する
  • 解き直し後に類題で再現できるかを確認する
  • 合格点との差を、大問別・単元別に分けて見る

1月直前期に見ること

1月直前期は、新しいことを増やしすぎるよりも、取れる問題を確実に取ることを重視します。難問をすべて解けるようにするより、読み違い、計算、単位、時間配分などの取りこぼしを減らすことが大切です。

  • 本番で使う解く順番を固める
  • 最後の見直しで確認する項目を決める
  • 苦手単元は広げすぎず、頻出の形にしぼって戻す
  • 難問に使う時間の上限を決める

過去問は何年分をどう進めるか

過去問を何年分進めるかは、志望校の数、残り時間、本人の状態によって変わります。家庭では、年数だけを目標にするのではなく、学校ごとに役割を分けて考えると進めやすくなります。

年度数は「目的」で決める

年度数を決めるときは、「何年分終わったか」だけでなく、「何を見るために解くのか」を決めておきます。

  • 傾向を見る年度:出題形式、問題量、よく出る単元を確認する
  • 時間配分を試す年度:解く順番、大問ごとの時間、飛ばす判断を確認する
  • 弱点を確認する年度:同じ単元や同じ形式で取りこぼしていないかを見る
  • 本番前に確認する年度:見直し項目、計算、単位、答え方を確認する

家庭の残り時間や志望校数によって、扱える年度数は変わります。そのため、点数管理だけでなく「この年度では何を確認するか」を決めて進めることが大切です。

第一志望校は複数年分を使って傾向と課題を見る

第一志望校の過去問は、できるだけ複数年分を使い、年度ごとの点数だけでなく、出題形式、時間配分、よく出る単元、落としやすい問題の傾向を確認します。

  • 最初の年度は、現在の課題を見つけるために使う
  • 次の年度から、解く順番や時間配分を試す
  • 同じ単元で落としている場合は、単元別復習へ戻す
  • 年度を進めるだけでなく、記録を見て改善しているかを確認する

併願校は出題形式と取りこぼしやすい問題を見る

併願校の過去問は、第一志望校と同じ深さで全部を扱うのが難しい場合もあります。その場合でも、試験時間、問題量、計算量、よく出る単元、合格点との距離は確認しておきたいところです。

  • 問題量が多い学校では、時間切れの位置を確認する
  • 基礎問題が多い学校では、取りこぼしを減らす練習に使う
  • 応用問題が混ざる学校では、飛ばす判断を練習する
  • 第一志望校と似た単元が出る場合は、復習を兼ねて使う

古い年度を解く意味

古い年度の過去問は、最新の傾向だけを見るものではありません。よく出る考え方、学校ごとの問題文の聞き方、時間内の処理量を確認する材料になります。

ただし、古い年度の点数だけで現在の合格可能性を判断しすぎないようにします。大切なのは、同じ学校の問題で、どの考え方が繰り返し必要になるかを見つけることです。

1回目と2回目で見るポイントを変える

同じ年度を2回解く意味はあります。ただし、2回目は答えを覚えている可能性があるため、点数が上がったかどうかだけを見ると判断を誤りやすくなります。

1回目で見ること

  • 時間内にどこまで進めたか
  • どの問題で考えが詰まったか
  • どの条件を読み落としたか
  • 図や表を使うべき問題で使えたか
  • 取れるはずの問題を落としていないか

2回目で見ること

  • 解き方を覚えているだけでなく、なぜその考え方を使うか説明できるか
  • 最初に描く図や表が自分で出せるか
  • 条件を自分で選んで使えているか
  • 同じミスを繰り返していないか
  • 前回より時間の使い方がよくなっているか
  • 別の年度や類題でも同じ考え方を出せるか

2回目で点数が上がったときの見分け方

2回目で点数が上がった場合は、答えを覚えていたのか、考え方を再現できたのかを分けます。

  • 最初の図を、解説を見ずに描けたか
  • 問題文のどの条件を使うか、自分で選べたか
  • 最初の式や関係式を、自分で出せたか
  • 別の年度や類題でも、同じ考え方を使えたか

2回目で点数が上がっても、すべて安心とは限りません。答えを覚えて解けた問題と、考え方を再現できた問題を分けて見ることが大切です。

採点後に記録しておきたい項目

過去問を得点力に変えるには、採点後の記録が重要です。長い反省文を書く必要はありません。次の年度で何を直すかが分かる形で、短く残します。

記録項目 見る内容 記入例
年度・学校名 どの過去問を解いたか 令和◯年度・第一志望校
合計点 点数の変化を見る 前回より計算問題は改善
合格者平均・合格最低点など 入手できる範囲で距離を見る 公表データがあれば確認
時間切れの大問 時間配分のずれを見る 大問5に入れなかった
取りこぼした問題 本来取れた問題を分ける 単位換算、条件の読み落とし
原因 知識不足か、途中の問題かを見る 図を描かずに式から入った
次に確認すること 次回の行動を決める 速さは線分図から入る
類題確認 同じ考え方を出せるか 週末に1問だけ確認

合格者平均点が分からない場合は、合格最低点、受験者平均、配点、大問別の取れ方など、入手できる情報を使って確認します。公表データがない場合は、点数そのものよりも「取れる問題を落としていないか」「時間切れで届かなかった問題はどこか」を見る方が家庭学習に役立ちます。

記録例

令和◯年度の過去問で、大問1〜3は予定通り進められたが、大問4の小問2で時間を使いすぎ、大問5に入れなかった。次回は大問4の小問2で一度後回しにし、週末に速さの線分図を1問確認する。

記録の目的は、反省を増やすことではありません。次の過去問で、何を変えるかをはっきりさせることです。

解き直しで確認するのは答えではなく考え方

過去問の解き直しは、同じ問題の答えをもう一度出すことが目的ではありません。解答を見た後に、なぜその図を描くのか、どの条件を使うのか、どの式を最初に立てるのかを確認します。

解答を見た直後にやること

  • 問題文のどの言葉が合図になったか確認する
  • 最初に描く図や表を確認する
  • 最初の式、または関係式を1つだけ書く
  • 自分が詰まった場所を印にしておく

数日後にもう一度確認すること

  • 解説を見ずに、最初の図や式が出せるか
  • 同じ条件整理ができるか
  • 前回のミスを避けられるか
  • 似た問題で同じ考え方を使えるか

解き直しの悪い例・良い例

  • 悪い例:解説を読んで分かった気になり、同じ年度をもう一度解いて終える
  • 良い例:なぜその図を描くのか、どの条件を使うのかを短く説明できるか確認する

同じ問題を覚えてしまった場合は、点数ではなく「考え方の出し方」を見ます。答えを覚えていても、合図、図、式の骨を自分で言えるなら、次の年度や類題につながりやすくなります。

親が見るべきこと、子ども本人に任せること

家庭で過去問を進める場合、親がすべてを解説する必要はありません。むしろ、点数だけを見て叱ったり、直しノートを長く書かせすぎたりすると、過去問を回すこと自体が重くなることがあります。

親が見るとよいこと

  • 点数だけでなく、どの問題で落としたかを見る
  • 採点後に原因を一緒に分ける
  • 解説を読む前に、どこまで考えたかを聞く
  • 時間切れの位置を記録する
  • 志望校との差を、単元や大問ごとに現実的に見る

算数を教えられない場合でもできること

保護者が算数の解き方を教えられなくても、過去問の見直しでできることはあります。正しい解き方を説明するより、解く過程を整理する役割に徹するだけでも、家庭学習は進めやすくなります。

  • 時間切れになった大問や小問を記録する
  • 問題文の読み飛ばしがなかったか一緒に確認する
  • 解答を見る前に「どこまで考えたか」を聞く
  • 直しの記録を短く残す
  • 次の年度で気をつけることを1つだけ決める

子ども本人に任せたいこと

  • 問題文に線を引く場所を決める
  • 最初に描く図や表を自分で選ぶ
  • 解き直しで、どこから分からなくなったかを言う
  • 次の年度で気をつけることを1つ決める

親が解説しすぎると、本人が「どこで気づくべきだったか」を考える時間が減ることがあります。家庭では、答えを教えるよりも、考え方を取り出すための質問をする方が効果的です。

外部の力を使うか考えている段階の方へ

過去問の点数だけを見ると、単元復習を増やすべきか、解く過程を見直すべきかが分かりにくいことがあります。家庭での確認が難しい場合は、中学受験算数の個別指導で、答案の過程から見直す方法も確認できます。


過去問で伸ばすには考え方の入口をそろえる

過去問の点が動かないとき、「単元が抜けている」より多いのは、考え方の引き出しが足りない/出し方が遅いケースです。同じ単元でも、入試では「定番の考え方」に乗るかどうかで処理時間が変わります。

ここで大切なのは、単に解き方を暗記することではありません。問題文のどの言葉を見て気づくのか、最初にどの図を描くのか、どの式を立てるのかをそろえることです。

まずは、過去問で頻出の考え方をそろえ、見直しで次に増やす1つを決められる状態にしておきましょう。


過去問が伸びない原因を分けて考える

直しを速くするために、間違い、または時間内に終わらなかった問題を次の3つに分けます。

  • 考え方の入口が見つからない:発想が出ない/別解に気づかない/式に乗らない
  • 考え方は分かっている:読み違い・条件落とし・作図が遅い・途中式が飛ぶ・見直し不足
  • 時間の使い方:重い問題に時間を使い、取れる問題の時間が足りない

この分類をせずに「もう一度解く」だけにすると、同じ問題は解けても、別の年度や別の学校の問題でまた同じ弱点が出てきます。過去問演習では、答え合わせのあとになぜ点に届かなかったのかまで確認することが大切です。

原因分類の具体例

  • 知らなかった:相似の使い方が出なかった、場合分けの作り方が分からなかった
  • 分かっていたのに取れなかった:単位換算を落とした、条件を1つ読み飛ばした、答え方を間違えた
  • 時間の使い方:最後の小問に時間を使いすぎ、前半の確認時間がなくなった

過去問で点が取れないとき、多くのご家庭が「演習量が足りない」「単元を戻すべきかも」と考えがちです。ただし中学受験算数では、原因が一つに限られません。次のような“解く途中”に原因があると、勉強していても点数は安定しにくくなります。

  • 条件整理が甘く、読み落としや思い込みが起きている
  • 図を描く前に式から入り、途中で混乱している
  • 途中式が飛ぶ/整理されず、後から見直せない
  • 検算・見直しが甘く、取りこぼしが残る
  • 時間配分がずれ、後半の取りやすい問題に届かない

上記を「どれが原因か」に分けて確認するためのチェック観点を、流れごとに整理した記事がこちらです。

答案の途中を見ないと原因が分からない場合

過去問の点数表だけでは、単元不足なのか、作図・途中式・時間配分の問題なのかが見えにくいことがあります。家庭での確認が難しい場合は、算数オンライン塾の完全1対1個別指導で、手元の書き方や考え方の流れを確認できます。

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家庭でできる:考え方を集める短いメモ

新しい考え方を増やすときは、ノートに長くまとめるよりも、再現しやすい短いメモにします。

  • 合図:どんな条件・言い回し・数字の置き方で、その考え方を使うか
  • 図:線分図/表/面積図など、最初に描くもの
  • 式の骨:最初の1本、または最初に立つ関係式

過去問を解いたあとに「今回増やす考え方は1つだけ」と決め、この3項目だけを書いておくと、次に似た状況が出たときに早く取り出せるようになります。

メモ例:速さの問題

  • 合図:2人が同時に出発/出会う/追いつく
  • 図:線分図、または進んだ距離を左右から書き込む図
  • 式の骨:距離 ÷ 速さの和、または距離 ÷ 速さの差

メモ例:場合の数

  • 合図:「何通り」「選び方」「並べ方」と聞かれている
  • 図:樹形図、表、場合分けの見出し
  • 式の骨:足すのか、かけるのかを先に決める

場合の数の基本を戻したい場合は、場合の数|和の法則と積の法則を中学受験算数で確認するページを先に読むと、過去問の見直しに入りやすくなります。


ミニ練習:合図から図と式を出す

ここでのミニ練習は、過去問そのものの難度を再現するものではありません。考え方の出し方を確認するためのごく短い例です。過去問に入る前、または直しの後に、「合図→図→式の骨」をそろえる練習として使います。

練習1:差に注目する

問題
Aは38cm、Bは24cmです。AはBより何cm長いですか。

  • 合図:「〜より何cm長い」=差
  • 図:線分を2本、長い方と短い方を並べる
  • 式の骨:38 − 24

練習2:等しく分ける

問題
みかんが27こあります。3人で同じ数ずつ分けます。1人分は何こですか。

  • 合図:「同じ数ずつ」「1人分」=全体を等しく分ける
  • 図:全体を3つに分けるイメージ
  • 式の骨:27 ÷ 3

練習3:割合

問題
120円の2割は何円ですか。

  • 合図:「〜の2割」=割合
  • 図:面積図、または10等分のうち2つ
  • 式の骨:120 × 0.2

練習4:速さの出会い

問題
2人が同じ道を向かい合って同時に出発します。出会うまでの時間を求めるには、まず何に注目しますか。

  • 合図:「向かい合って」「同時に出発」「出会う」=速さの和
  • 図:全体の距離を1本の線分で表し、左右から進む様子を書く
  • 式の骨:全体の距離 ÷ 速さの和

練習5:場合の数の整理

問題
A、B、C、Dの4人から2人を選ぶとき、まず何を整理しますか。

  • 合図:「選ぶ」=順番を区別するか確認する
  • 図:表、または組み合わせを書き出す枠
  • 式の骨:重なって数えていないか確認する

過去問の回し方:家庭学習で点が増える進め方に変える

過去問は「解く→丸付け」で終えると、次の週に同じ取りこぼしを繰り返します。点数を上げる運用は、少なくとも次の4段階で回します。

1. 本番形式で解く

  • 制限時間を必ず設定し、途中式も含めて本番同様に記録する
  • 最初から順に解くのではなく、取れる問題から取る順番を試す
  • 大問ごとに使った時間をメモしておく

2. 採点後に取りこぼしの種類を分ける

  • 知らなかった:知識・考え方が不足している
  • 分かっていたのに取れなかった:読み違い・作図不足・途中式・検算・時間の問題
  • 難問に時間を使いすぎた:問題選びと時間配分の問題

ここで「知らなかった」以外が濃い場合、単元復習だけを増やすより、解く途中の見直しが先です。

3. 直しは同じ取りこぼしを減らす形にする

  • 読み違い:条件への線引き・図に取りかかる合図を決めておく
  • 途中式:式の並べ方/単位/メモの置き方を決めて残す
  • 検算:見直す対象(桁・単位・代入・逆算)を決めておく

4. 類題で再確認する

  • 似た問題を短時間で解き、同じ考え方を取り出せるかを確認する
  • 再現できない場合は、解き方ではなく途中の動きを見直す

時間配分は目安を決めてから解く

過去問で時間が足りない場合は、ただ急いで解くのではなく、最初に時間の使い方の目安を決めておきます。試験時間や問題構成は学校によって異なるため、以下は一例として考えてください。

  • 最初に全体を見て、解きやすそうな問題と重そうな問題を確認する
  • 大問ごとに使う時間の目安を置く
  • 途中で詰まった問題には印をつけ、後回しにする
  • 最後の数分は、計算、単位、条件、答え方の確認に使う

例えば50分の試験であれば、最初に全体を見て、重い問題に時間を使いすぎないようにするという考え方が必要です。ただし、学校ごとに問題量や構成が違うため、実際には志望校の過去問に合わせて調整します。

時間切れの記録例

時間が足りなかった場合は、「時間切れ」とだけ書かず、どこで時間を使ったかを残します。

  • 大問1〜3は予定通り進められた
  • 大問4の小問2で時間を使いすぎた
  • 大問5に入れなかった
  • 次回は大問4の小問2で一度後回しにする

このように書くと、次の年度で「どこを急ぐか」ではなく「どこで判断を変えるか」が見えやすくなります。

難問は解くか飛ばすかを合格点から考える

過去問対策で点数が伸びにくくなるのが、難問に時間を使いすぎて、取れる問題を落とすケースです。中学入試算数は「大問まるごと全部が難問」という形は多くなく、最後だけ急に難しくなることもあります。また後半でも易しめの設問が混ざることがあります。

そのため、過去問では次を徹底します。

  • 1問に張り付かないように、使う時間の上限を決める
  • 途中まで取れる設問は、分かるところまで取りにいく
  • 後半に残る取りやすい設問のために時間を残す

難問を飛ばすことは、あきらめることではありません。合格点に必要な問題を取り切るために、時間を守る判断です。

  • 難問への向き合い方
    合格点の現実を踏まえ、解く問題の見極めと時間配分の考え方を整理しています。

過去問の点数が低いときに単元復習へ戻る基準

過去問の点数が低いと、すぐに単元復習へ戻したくなることがあります。ただし、点を落とした理由が、すべて単元不足とは限りません。戻るべきかどうかは、点を落とした理由で判断します。

単元復習へ戻したい場合

  • 考え方そのものが出てこない
  • 公式や基本の関係式が分からない
  • 同じ単元で年度をまたいで何度も解けなくなる
  • 解説を読んでも、なぜその式になるか分からない

過去問の中で直したい場合

  • 条件を読み落としている
  • 図を描けば分かるのに、式だけで進めている
  • 途中式が整理されず、計算ミスにつながっている
  • 難問に時間を使いすぎて、取れる問題に届いていない

単元復習へ戻すかどうかの判断例

  • 相似の基本が分からない場合:単元復習へ戻して、相似比と面積比の関係を確認する
  • 相似は分かるが補助線が引けなかった場合:過去問の中で図の見方を確認する
  • 速さの公式が曖昧な場合:単元復習へ戻して、速さ・時間・距離の関係を確認する
  • 速さの和や差は分かるが問題文の整理で間違えた場合:読み方と線分図の使い方を確認する

点数だけを見て単元復習を増やすと、時間が足りなくなることがあります。まずは、過去問の記録から「知らなかった問題」と「取れるはずだった問題」を分けることが大切です。

直前期:やることを増やすより取りこぼしを減らす

直前期は、新しい単元を増やす段階というより、持っている力を本番で出し切る段階です。「あと数点が届かない」「問題量をこなしているのに点数が安定しない」といった悩みは、解き方よりも途中の癖に原因があることがよくあります。

  • 線を引くタイミングが毎回変わる
  • 図の描き方が問題ごとにばらつく
  • 計算ミスが出る場所を本人が把握していない
  • 難しい問題に時間をかけすぎる

直前期の見直し方については、こちらの記事で詳しく整理しています。

小6直前期に過去問と総復習をまとめて見直したい場合

時間配分、過去問の取捨、頻出単元の確認をまとめて扱いたい場合は、直前期向けの4時間特訓講座も確認できます。

小6直前対策・過去問総復習の講座を見る

単元別に戻すなら、よく出る分野から確認する

過去問で同じ分野が何度も不安定になる場合は、単元別の確認も必要です。ただし、全部を一気に戻すと時間が足りません。頻出分野から優先して確認します。

場合分けで抜けが出る場合

速さの線分図やダイヤグラムで時間がかかる場合

概数・四捨五入・条件表現で読み違える場合

小5内容を早めに戻す場合

小6で過去問に入ってから、図形・場合の数・速さ・比で何度も戻る場合は、小5内容の整理が必要になることがあります。小6前に主要分野を見直す講座として、小5算数マスター講座も確認できます。

学校別:過去問を大問別に動画で確認する

同じ学校の出題傾向で、どこが得点源になるかを把握したい場合は、学校別の過去問解説を活用してください。各ページでは、令和2年度の入試問題から厳選した設問を大問別に整理し、解説動画につなげています。

学校別ページは、志望校の問題で時間配分や大問別の取り方を見るために使えます。まだ志望校が固まっていない場合でも、似た出題傾向の学校を見ることで、問題の進め方や見直し方の参考になります。

※問題文・設問は各種WEBサイト等から入手する前提で構成されています。

女子学院

開成

渋谷教育学園渋谷

早稲田

過去問を得点力に変える:動画解説の使い方

過去問は「解説を聞いて分かった」で終えると、本番で再現できません。必要なのは、考え方・アプローチ・時間内処理まで含めて、本番で同じように動ける状態にすることです。

  • 得点力向上YoutubeLive~実施詳細~
    実際の中学入試過去問を用い、解き方だけでなく本番で得点するための処理を扱うライブ配信です。問題PDFを事前に解いて参加する前提で進行します。

動画で過去問解説を確認したい方へ

解説動画で考え方を確認しながら復習したい場合は、夏井算数塾のWEB授業も活用できます。小5内容や頻出分野を動画で確認したい方に向いています。

中学受験算数WEB授業を見る

サービスページの使い分け

過去問の見直しで外部の力を使う場合は、困りごとに合わせて確認するページを分けると選びやすくなります。

おすすめの読み順

どこから着手すべきか分からない場合は、次の順で読むと判断が早くなります。

  1. チェックリストで取りこぼし原因を分類する
  2. 難問の扱いで時間配分の考え方を決める
  3. 直前期の動き方で取りこぼしの減らし方を決める
  4. 学校別過去問で、志望校の出題傾向に当てはめて回す

過去問対策は「量」より「運用」と「見直しの組み立て」で差がつきます。特に直前期は、解けるはずの問題を落とさないために、解く順番、見直す箇所、難問に使う時間をあらかじめ考えておくことが重要です。

よくある質問

中学受験算数の過去問はいつから始めるのがよいですか。

始める時期は、志望校、塾の進度、単元の完成度によって変わります。小6では、まず1年分を使って合格可能性だけでなく、時間配分、読み違い、作図、途中式、苦手な出題形式を確認することが大切です。

第一志望校の過去問は何年分やるべきですか。

第一志望校は、できるだけ複数年分を使って、年度ごとの点数だけでなく、出題形式、よく出る単元、時間配分、落としやすい問題の傾向を確認します。残り時間や本人の状態によって、扱う年数は調整します。

過去問の点数が低い場合、すぐに志望校を変えるべきですか。

最初の1年分の点数だけで判断する必要はありません。単元不足なのか、読み違いなのか、時間配分なのかによって、直すべき内容は変わります。点数だけでなく、どの問題を落としたかを確認します。

解き直しは何回やればよいですか。

回数だけを決めるより、同じ考え方を再現できるかを見ます。解答を見た直後に図や式の骨を確認し、数日後にもう一度、解説なしで最初の方針が立つかを確認します。

難問は全部解けるようにする必要がありますか。

すべての難問を解けるようにするより、合格点に必要な問題を取り切ることが大切です。難問に時間を使いすぎて取れる問題を落とす場合は、飛ばす判断も練習します。

過去問と単元復習はどちらを優先すべきですか。

点を落とした理由によって変わります。考え方そのものが出ない場合は単元復習が必要です。一方で、読み違い、作図不足、途中式、時間配分が原因なら、過去問の中で解く過程を見直すことが先になる場合があります。

親は過去問の直しにどこまで関わるべきですか。

親は点数だけで判断せず、原因を一緒に分ける役割を持つと進めやすくなります。解き方をすべて教えるより、どこまで考えたか、どの条件を使ったか、次に何を直すかを聞くことが大切です。

同じ年度を2回解く意味はありますか。

あります。ただし、2回目は答えを覚えている可能性があるため、点数だけを見ないようにします。なぜその図を描くのか、どの条件を使うのか、同じ考え方を別の問題でも使えるかを確認します。

過去問を家庭だけで回すのが難しいときに

過去問の直しは、答えが合っているかどうかだけではなく、なぜその式にしたのかどの条件を使ったのかどこで時間を使いすぎたのかを見る必要があります。ここが見えないまま年度だけ進めると、点数が安定しにくくなります。

夏井算数塾では、算数の完全1対1個別指導で、過去問の答案、途中式、作図、時間配分まで確認しながら、今どこを優先して直すべきかを見ていきます。

過去問の直し方を個別に確認したい方へ

点数だけでなく、答案の途中、作図、時間配分、問題選びまで確認したい場合は、完全1対1の個別指導をご覧ください。教室受講・オンライン受講のどちらにも対応しています。

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