中学受験Q&A(6)~苦手科目への取り組み方とそのステップ~
2月入試直前の判断Q&A|学校を休む基準・午後入試・宿題の優先順位
中学入試直前は、「学校を休ませるべきか」「午後入試まで受けるべきか」「塾の宿題や復習をどこまで進めるべきか」など、家庭で判断しなければならないことが増えていきます。
このページでは、中学受験Q&Aとして、特に小6直前期の保護者の方が迷いやすい判断を中心に整理します。あわせて、苦手科目の戻り方、塾のテスト復習、先取り学習など、時期によって出やすい悩みも確認できます。
このページで判断できること
- 直前期の判断:中学入試直前に学校を休ませるべきか、午後入試をどう考えるか
- 学習量の判断:塾の宿題を消化しきれない時に、どの問題を優先するか
- 苦手科目の判断:どこまで戻って復習するか、目標をどう区切るか
- 復習方法の判断:塾のテストをどの頻度で、どの教材に絞って復習するか
- 受験学年前の判断:先取り学習や自由研究を、受験勉強とどうつなげるか
今の悩みに近いところから読めます
中学受験の「時期別の悩み」(苦手科目・先取り・直前期・宿題・模試など)をまとめて整理した全体像は、中学受験算数Q&A|時期別の悩み整理(全体像はこちら)をご覧ください。
動画でも確認したい方へ
本文で判断軸を確認したうえで、全体の話を動画でも確認したい場合はこちらをご覧ください。
中学入試直前、学校を休ませるかは「休んで何をするか」で判断する
中学入試直前に学校を休ませるべきかどうかは、色々なご意見があることは承知しています。
もちろん、休んだ方がよい場合もあれば、休まない方がよい場合もあります。一応、考える基準はいくつかあるかなと思っています。
一つの基準としては、学校を休んでまでやらなければいけないことが山積しているかどうかという所になるかと思います。
やることがあるのなら、休んでやってもよいのかもしれません。やることがない、あるいは少なくとも見つかっていない場合は、普通に学校に行った方がよいのではないか、ということになります。
別に暇をもて余すから学校に行けと言っているわけではありません。
先ほどもありましたが、生活のサイクルを一定に保つということが何よりも圧倒的に大事だということから、このお話をしています。
ですので、学校を休ませるべきかどうかは、休んでまでやることがあるのなら休んでもよい。それ以外の場合は、普通に学校に行った方がよいと思いますよ、ということになります。
近年、風邪や色々な感染症への対策として学校を休むという方もいらっしゃいます。それはそれで、休むのであれば、その日に何をやるのかを決めた状態で過ごしてほしいと思います。
- 過去問の直しをするのか
- 苦手単元の確認をするのか
- 暗記や計算など、落としたくない部分を整えるのか
- 生活リズムを崩さず、入試本番に近い時間帯で動けるか
休むかどうかだけを先に決めるのではなく、「休むなら何をする日なのか」まで決めておくことが大切です。
直前期に何を優先するか決めたい方へ
2月入試直前に学校を休む場合は、休むこと自体よりも、その日に過去問・単元復習・弱点確認のどれを優先するかを決めておくことが大切です。直前期の復習内容を整理したい場合は、以下のページで確認できます。
午後入試はメリットだけでなく、体力と対策校数の負担も見て選ぶ
近年、2月から始まる入試においては、午後に試験があるということが非常に多いです。
もちろん午前入試だけを受験する生徒さんもいらっしゃいますが、多くの方が午前を受けて午後も受ける、という形になることが多いのではないかと思います。
基本的には、午前入試よりも午後入試の方が結構ハードなことが多いです。
それは体力的な面でもそうですが、基本的には定員が午前より少ないため、受験生が集まりやすい学校が増えてきます。
午後入試が広がったことで起きたこととして、かなり詰めた日程で受験することになり、その対策をする学校の数も増えてしまうということがあります。
例えば、それぞれの学校に対策が必要になった時に、どうしても対策が2月までに間に合わないというケースが増えてきているのではないかと思います。
午後入試というものは、もちろん学校にもよりますが、そこまで多くの対策をしなくても、受験後の見通しが持ちやすい学校を中心に選択すべきではないかと思います。
午前も午後も全力を振り絞って頑張ろうというのは、かなり大変なことです。そういったことも含めて、午後入試をどう捉えるかを考える必要があります。
午後入試までにどこまで対策するか確認したい方へ
午後入試は、受験校ごとの対策を増やしすぎると負担が大きくなります。過去問と単元復習の優先順位を整理したい場合は、直前期向けの講座案内も確認できます。
塾の宿題を消化しきれない時は、全部ではなく優先順位を決める
通われている塾によって、あまり宿題がないという所もありますが、基本的にはそこそこの分量があり、消化できる子と消化できない子が分かれてしまうことが多いです。
もちろん消化するに越したことはありません。ただ、これが消化できない、どう考えても無理だということは当然あります。
おそらく目線としては二つ必要です。
一つ目に、本当にこれを全部消化しなければいけないのかということを考えるべきです。
塾側から出す宿題というのは、受験に必要なものを広く出したいから、ある一定の量を出すということになっています。
ですが、その全パターンを全部押さえる必要がどこまであるかは、しっかり考えてもらえるとよいのかなと思います。
問題によっては、ほぼ同じ問題で数字だけ違うという問題が3題並んでいて、これを全部解かなければいけないということがあります。
もちろん練習としては必要です。ただ、それが全員にとって必要な練習かというと、そういうわけではないだろうなと考える必要があります。
二つ目に、そのタイミングで宿題ができることに越したことはありませんが、おそらくその宿題の問題は、あとでまた扱うはずです。
ですので、あとで扱うことを考えておけば、今は優先する問題を選び、次の週の内容に進むという形で勉強を進めるのも一つの方向性ではないかなと思います。
塾の宿題を消化しきれない時は、それは起こるものだと考えたうえで、どの問題を優先するかを決めることも大切です。
宿題と復習の量を家庭だけで決めにくい方へ
塾の宿題が多く、どの問題を優先するか、どこまで復習するかを家庭だけで決めにくい場合は、教材とテスト結果を合わせて見る必要があります。宿題量、復習量、苦手単元をまとめて整理したい場合は、個別指導ページで確認できます。
苦手科目は一気に戻さず、小さな目標と復習範囲を決める
苦手科目というのは、どうしても時間がかけづらく、苦手ゆえにやりたくないという気持ちも出やすいものです。
取り組み始めの目標が非常に重要なのですが、多くの生徒さんを見ていると、他の科目は偏差値60なのに、その科目だけ偏差値40だった場合、
「40から一気に60まで上げないといけない」
と、いきなり高すぎる目標を設定してしまうことが本当に多いです。
当然ですが、目標は小さく分けて設定するものです。40からのスタートであれば、まずは43を目指す。次は47、49で50、50になったら55……という具合に、少しずつ段階を踏んで上げていくべきです。
また、苦手科目になるほど、必要な学習量は増えてしまいます。その結果、
「これだけの量を全部やらなきゃいけないのか……」
という発想になり、気持ちが折れてしまうことが多いのも事実です。
もう一点、特に算数に多いのですが、
「どこまで戻ればいいかわからない」
という問題があります。
状況によっては大きく戻るのが有効ですが、戻りきれないケースもあります。
例えば、6年生後半、9月や10月に、
「この苦手科目を今からなんとかしたい」
という状況で、4年生の教材からやり直すのは、現実的ではありません。その場合は、範囲を絞り、必要なレベルに絞って復習する必要があります。
- 戻れる時はしっかり戻る
- 時間がない時は必要な範囲を絞り、優先したい部分から復習する
ここを見誤らないことが非常に大切です。戻るべき時と戻れない時がある、ということだけ気に留めておいていただければと思います。
単元の考え方を自分で確認したい場合
苦手単元がはっきりしている場合は、まず単元別の記事で考え方を確認する方法があります。
- 場合の数でつまずきやすい場合:場合の数の考え方を確認する
- 速さの文章題や条件整理が苦手な場合:速さの問題の考え方を確認する
- 文章題や比でつまずきやすい場合:文章題と比の考え方を確認する
どこまで戻るかを家庭だけで決めにくい場合
教材やテスト結果を見ても、どの単元まで戻るべきか、今から何を優先すべきかが決めにくい場合は、個別指導で状況を整理する方法もあります。
塾のテスト復習は、教材を一つに絞って短い間隔で繰り返す
塾のテストの復習方法も、よく出てくるテーマではあります。
テストを受けました。復習しました。見直しました。では、もう一回この問題を解いてみようかとなると、なぜか解けない。そういうケースは非常に多いのではないかと思います。
当たり前の話ですが、例えば2月の段階で受けたテストを2月に復習しました。それが4月・5月・6月になって、その内容を事細かに覚えているかといわれると、そういうわけではありません。
ですので、こういった場合には、復習する頻度をどう作るのかということが大切になってきます。
できれば、極力短い間隔でやっていきましょう。
ただ、宿題なりテストなりをやっていると、ある程度の問題は間違ってしまうわけなので、やればやるほど何周もしなければいけないものがたまっていきます。
もちろんそれを全部消化しきれる生徒さんもいらっしゃいますが、そうではない生徒さんの方が多いのではないかと思っています。
そういう時によくお伝えするのが、宿題やテストが何種類かある中で、どこかの一種類だけに絞って、何回も復習するということです。
もちろん全部できるに越したことはありません。ただ、今回はこれ、次の回はこれ、今回はこちら、というようにバラバラのものをやっていると、どうしても単元に偏りが出てきます。
ですので、何か1個に絞り、全単元を広く学習できるものを選んで、それを淡々と毎回復習していくことができるとよいのではないかと思います。
テスト復習や伸び悩みを続けて確認したい方へ
模試やテスト結果をどう見ればよいか、復習しているのに伸びにくい時に何を確認するかは、別のQ&Aでも整理しています。
- 模試やテスト結果の見方を確認したい:中学受験Q&A(3)|模試の活用法と伸び悩みの解消法
- 教材や復習量を個別に確認したい:中学受験算数の個別指導|塾フォローと復習相談
ここまで読んで、次に具体的な対策を確認したい方へ
直前期の学校生活・午後入試・宿題量・苦手科目の判断は、家庭だけで整理しにくいこともあります。過去問と単元復習を優先したい場合、または塾教材とテスト結果をもとに復習量を相談したい場合は、以下のページを確認できます。
補足Q&A|先取り学習・自由研究・中学受験の意味も確認する
ここからは、直前期の判断からは少し離れますが、中学受験の途中で相談されやすいテーマを補足として整理します。受験学年前の学習や、学校選びの考え方を確認したい場合にご覧ください。
受験学年前の先取り学習は、扱うレベルによって意味が変わる
先取り学習もよく出てくるテーマです。
例えば、4年生であれば5年生の内容を勉強する。5年生では6年生の内容を勉強するという形で先取り学習を行われる生徒さんは、まあまあいらっしゃいます。
極端な例でいうと、小学校1年生・2年生ぐらいの時に5年生・6年生の内容をやっているという生徒さんもいらっしゃいます。
ですが、それが有効かといわれると、どのレベルの1年後・2年後を勉強しているのかによって、かなり話が変わってきます。
例えば、5年生の状態で6年生の内容を先取りしたいと思った時、その6年生の内容のうち基本的な部分だけを学習して先取りしておこうと考えるケースがあります。
これに意味があるかといわれれば、そんなに意味がないかなと思います。
特に算数ではそうですが、5年生でやっている標準的な内容と、6年生でやる基本的な内容はほぼ変わりません。やっていることはあまり変わりませんので、先に進んだように見えて、実際には似た内容を別の形で扱っているだけになりがちです。
なので、やるならそこそこのレベルの内容まで扱った方がよいと思いますし、基礎レベルだけをやるのであれば、学年通りに勉強した方がよいと思います。
先取りよりも重要単元の確認を優先したい方へ
先に進むこと自体よりも、小6前に図形・場合の数・速さ・比などの重要単元を整理したい場合は、学年に合った復習の形を確認しておくと進めやすくなります。
自由研究と受験対策の考え方を動画で確認したい方へ
夏休みの自由研究を、情報を読み取る練習や考える力につなげる視点を動画でも確認できます。
夏休みの自由研究は、情報を調べて整理するテーマにすると受験対策にもつながりやすい
夏休みの自由研究について、例えば5年生・4年生ぐらいの話だとして考えます。
その時期に興味をもってほしいテーマというものはあります。ただ、それがしっかり受験対策とつながるかどうかは、また別の話です。
もし夏休みの自由研究に真面目に取り組みたいという時に、それがどう受験対策につながるのかを考えるのであれば、できる限り色々なものを調べる必要があるテーマを選んでもらえるとよいのではないかと思います。
例えば、こういうことを調べたい、こういうことも調べたい、と2つか3つ調べて終了という内容だと、自由研究としても成り立ちづらいかもしれませんし、受験対策としても関係が薄くなってしまうかなと思います。
近年の中学入試に出てくる問題は、教科を問わず、情報量が増えているという面があります。
算数という科目一つを取っても、元々は1行で済むような問題がたくさんありました。現代でももちろんそういう問題はありますが、そうではない問題も増えています。
あるゲームがあり、そのゲームのルールが長く書かれていて、そこから何かを読み取って答えを出す。都立中高一貫校や公立中高一貫校あたりで出題されそうな問題ですが、都立や公立だけではなく、私立中学校でも出題されることが増えています。
ですので、大量の情報をどう扱うのかを勉強するという意味で、ボリューム感のある自由研究のテーマを選んでもらうということも一つの方法なのかなと思います。
自由研究そのものを講座案内へつなげる必要はありませんが、文章量の多い問題や条件整理が苦手な場合は、普段の算数の復習でも「何を読み取り、どの条件を使うか」を意識しておくとよいです。
上位校でなくても中学受験をする意味は、学校に何を求めるかで変わる
中学受験で、上位校でなくても進学させる意味はあるかという質問をいただくことがあります。
これは、学校というものに何を求めるのかによって、話がかなり変わってくる所ではないかと思います。
この話は、おそらくどこに中学受験をするメリットを置くのかによって変わってくるような気がします。
基本的に一番大きいものだと私が個人的に思っているのは、中学受験をするメリットの一つとして、いわゆる中学校生活・高校生活において、同じような方向性をもった環境に入りやすいという所です。
同じようなレベル感で、同じような方向性をもって努力する、勉強する同級生が周りにたくさんいるという状況が作られるという所が、一番のメリットではないかと考えています。
なので、その意味でいうと、それが上位校である必要があれば上位校を目指せばよいですが、必ずしも上位校でなくても達成されるはずです。
そういった形で、中学受験をする意味合いを考えてもらえればよいのではないかなと思います。
学校選びや受験の意味を考える時も、学習面では「今の成績で何を優先するか」「どの単元を戻るか」を分けて考えると、日々の勉強に落とし込みやすくなります。
よくある質問
中学入試直前に学校を休ませるべきですか?
休んでまで取り組む内容が明確にある場合は、休む選択も考えられます。ただし、やることが決まっていない場合は、生活リズムを保つ意味でも普段通り学校に行く方がよい場合があります。
午後入試は受けた方がよいですか?
午後入試は選択肢を広げられる一方で、体力面の負担や対策校数の増加があります。午前入試と同じ感覚で詰め込むのではなく、受験後の見通しが持ちやすい学校を中心に考えることが大切です。
塾の宿題が終わらない時はどうすればよいですか?
全部を消化することだけを目標にせず、似た問題が続いている部分や、今の学力に対して優先度が低い部分を見極める必要があります。今週優先する問題と、あとで戻る問題を分けて考えると進めやすくなります。
苦手科目はどこまで戻って復習すればよいですか?
時間に余裕がある時は大きく戻ることが有効な場合もあります。一方で、6年生後半など時間が限られる時期は、4年生の教材から全部やり直すより、必要な単元とレベルに絞って復習する方が現実的です。
次に確認したいページ
このページでは、直前期の学校生活、午後入試、宿題、苦手科目、テスト復習、先取り学習、自由研究について整理しました。次に確認するページは、お子様の時期や困り方によって変わります。
まずは悩みに近い3つから選ぶ
直前期・宿題復習・オンライン相談の3方向に分けています。
関連Q&A・単元解説も確認する
時期別の悩みを全体から確認したい場合
- 時期別の悩みを全体から確認したい:中学受験算数Q&A|時期別の悩み整理
自分で単元の考え方を確認したい場合
- 場合の数でつまずきやすい:場合の数の考え方を確認する
- 速さの文章題や条件整理が苦手:速さの問題の考え方を確認する
- 文章題や比でつまずきやすい:文章題と比の考え方を確認する
模試・併願校・オンライン受講も確認したい場合
- 模試結果や伸び悩みの考え方を見たい:中学受験Q&A(3)|模試の活用法と伸び悩みの解消法
- 併願校・模試結果・ケアレスミスも確認したい:中学受験Q&A(4)|併願校の選び方と通学の重要性
- オンライン受講の不安を先に確認したい:オンライン個別指導のメリットを確認する
夏井算数塾全体の考え方を確認したい場合
- 指導方針や完全1対1個別指導の概要を見たい:中学受験の個別指導塾|算数専門の完全1対1指導
中学受験では、すべてを一度に解決しようとすると負担が大きくなります。今の時期に何を優先するか、どこまで戻るか、どの復習を続けるかを考えながら、現実的に続けられる学習にしていくことが大切です。



