中学受験Q&A(4)~併願校の選び方と通学の重要性~

中学受験では、併願校の選び方、模試結果の受け止め方、算数のケアレスミス、科目ごとの学習配分、家庭での声かけなど、学年が進むほど悩みが増えていきます。

このページでは、夏井算数塾の中学受験Q&Aとして、受験校選びから家庭学習、塾選びまで、保護者の方からよく出る相談をテーマごとに整理します。

特に、併願校を偏差値だけで決めてよいのか、合不合判定テストの結果をどう見るのか、算数のミスは減らせるのかを確認したい方に向けた内容です。

このページで扱う主なQ&A

  • 併願校は、偏差値だけでなく通学時間まで考えるべきか
  • 合不合判定テストの結果が悪いとき、どこまで受け止めるか
  • 算数のケアレスミスは減らせるのか
  • 科目間の成績差が大きいとき、学習時間をどう配分するか
  • 子どもの主体性をどこまで求めるか
  • 家庭で言わない方がよい言葉は何か
  • 大手進学塾や個別指導塾をどう見ればよいか

中学受験の時期別の悩み(志望校・模試・過去問・伸び悩みなど)をまとめて整理した全体像は、中学受験算数Q&A|時期別の悩み整理をご覧ください。

夏井算数塾の授業方針や対象となる相談内容を先に確認したい方は、中学受験算数の完全1対1個別指導|夏井算数塾東京校もあわせてご確認ください。

受験校選び:併願校の考え方と通学

併願校とは:受験校との違いと通学優先

併願校といっても、「受験はするけれど、合格しても通うつもりはない学校」が混ざっているケースがあります。

では、受験校と併願校は何が違うのでしょうか。

中学受験が終われば、わずか2か月後には入学し、その学校で中学校生活が始まります。だからこそ、実際に通える範囲で学校を選ぶことが非常に重要です。

数字だけを見て「偏差値的に入れるから大丈夫」「少し遠いけれど何とかなるだろう」と決めてしまうと、入学後に長時間通学を続けることになります。

1年だけならまだしも、最長6年間、毎日長距離通学となると、時間的なロスや体力面の負担が大きくなり、思わぬ影響が出ることもあります。

併願校を選ぶ際は、偏差値や合格実績だけで判断するのではなく、通学時間や学校生活を実際にイメージしながら選ぶことが大切です。

併願校を決めるときに確認したいこと

  • 合格した場合、本当に通う可能性がある学校か
  • 朝の通学時間が現実的か
  • 部活動や行事がある日も通える距離か
  • 6年間続けた場合、本人の負担が大きすぎないか
  • 偏差値だけでなく、学校生活の相性も見ているか

併願校は「受けられる学校」ではなく、「通う可能性がある学校」として考える必要があります。

通学時間の問題が大きく、対面授業と家庭学習の両立が難しい場合は、算数オンライン塾|中学受験算数の完全1対1個別指導で、遠方からの受講方法を確認できます。

模試:結果の受け止め方と見直し

合不合判定テストの結果が悪いとき:受け止め方

合不合判定テストの結果が悪いと、かなり不安になります。

ただし、合不合判定テストの結果と、志望校の合否が直結しやすい学校もあれば、そうではない学校もあります。

算数でいえば、合不合判定テストに出る問題だけでは、その学校に必要な力を十分に測れないこともあります。

志望校によっては、合不合で出てくる問題よりも、別の切り口の問題を解いてみて、対応できるかどうかを見た方がよい場合もあります。

そのため、合不合で結果が悪かったからといって、過去問で点数が取れないとは限りません。その逆もあります。

近年、合不合判定テストの内容は難しくなっています。中には、その問題が解けなくても、標準的な問題が解ければ合格に近づける学校もあります。

結果が悪かった場合、もちろん見直しは必要です。ただし、模擬試験の一つとして、どこまでを見直し、どこまでを今後の学習に活かすのかを考えることが大切です。

少なくとも、数字や合格可能性だけを見て「もうだめだ」「これなら大丈夫」と判断しない方がよいでしょう。

模試結果の活用や伸び悩みについて続けて確認したい方は、中学受験Q&A(3)|模試の活用法と伸び悩みの解消法も参考になります。

算数のミス:減らし方の考え方

うっかりミスは減らせる:2つの原因

算数のうっかりミス、いわゆるケアレスミスは、毎年のように相談されるテーマです。

「治りますか」と聞かれれば、治る部分はあります。

幼稚園生の頃にできなかったことが、小学生になってできるようになることはたくさんあります。子どもの頃は多かったミスが、成長とともに減っていくこともあります。

ただし、残り続けるものもあります。そこで、ミスの原因を大きく2つに分けて考える必要があります。

1つ目:受験への意識が高まることで減るミス

基本的に、受験が近づけば近づくほど、ミスは減る傾向にあります。

なぜなら、このテストで点数が取れなかったことが、志望校との距離につながっていると本人が強く認識しやすくなるからです。

「ミスしてはいけない」とどれだけ真剣に思えるかによって、ミスの数は変わります。

そのため、小3・小4の段階でミスが多い場合でも、受験が近づくにつれて減っていくことはあります。

2つ目:解き方や書き方が原因で起きるミス

一方で、解いた様子を見ると、「これはミスするだろう」と感じるケースも多くあります。

たとえば、数字がいろいろな場所に書かれていて、どの数字がどの答えにつながるのか、書いた本人にも分からない場合があります。見ている側にも分からないことがあります。

このような場合は、単なるうっかりではなく、問題用紙への書き方や途中式の残し方に原因があります。

問題用紙の中でも、何を書いているのか分かるようにして解いていくことで、ミスは減らせることがあります。

「年齢とともに減る部分」と「解き方を変えることで減る部分」の両面から考えることが大切です。

算数のミスが多い、途中式の残し方が安定しない、宿題の直しが家庭だけでは進めにくい場合は、中学受験算数の個別指導|塾フォローと復習相談で、現在の学習状況に合わせた受講内容を確認できます。

学習の配分:科目差が大きいとき

科目間の差が大きいとき:時間配分から見直す

科目間の差が大きいという相談もよくあります。

たとえば、国語だけが非常にできていて他の教科が苦しいケース、逆に算数だけが得意で他の教科が大変なケースがあります。最近では、社会だけはよくできるが、他の教科が苦手というケースもあります。

受験は、限られた期間の中で何とかしていくものです。あまりにも差が大きい場合、志望校にも影響します。

そのため、それぞれの苦手教科について、何が苦手なのかを明らかにしたうえで、対策を考える必要があります。

ただし、科目間格差が起きるときに多いのは、そもそも勉強時間の配分がかなり偏っているケースです。

算数は好きだからたくさん勉強するけれど、他の教科は嫌いだからほとんど勉強しない。これでは、成績に差が出るのは自然です。

まずは、勉強時間の配分を決めることが大切です。そのうえで、各教科について到達したいレベルを決めます。

たとえば、「この範囲は8割程度覚える」「この単元は7割程度理解する」「この問題群は6割解けるようにする」といった具体的な目安を持ち、その時間の中で最大限勉強していきます。

そうすることで、科目間の差は少しずつ小さくなる傾向があります。

ただし、完全に同じにはならないと思います。もともとの得意・不得意や、取り組みやすさの違いはあります。ある程度の差は仕方がないと割り切ることも必要です。

得意科目だけを伸ばす考え方には注意

よくあるのが、「他の教科は悪いけれど算数だけは何とかなっている。だから算数だけを徹底的に伸ばして、算数で100点を取れば何とかなる」という考え方です。

しかし、これはリスクが大きいです。

60点から70点にする努力、70点から80点にする努力、80点から90点にする努力は、それぞれ重さが違います。

多くのテストでは、大体のことが分かっていれば7割程度は取れる一方で、8割・9割を取るには細かな部分まで見なければなりません。

各学校の入試問題も、100点になりにくいように難易度が配分されています。最後の上積み部分には、かなり難しい問題が含まれます。

そのため、得意科目だけを伸ばせばよいとは考えない方がよいでしょう。


親子の運用:自分から動く力と現実的な目標

主体性を育てる:親子の役割と現実的な目標

「うちの子は本当に自分からは勉強しない」という相談は多くあります。

ただ、保護者の方ご自身が子どもの頃を振り返ってみると、自分から進んで勉強できていた方ばかりではないはずです。

私自身も、宿題は言われるまでやらないタイプでした。

その意味で、お子さんだけに高い主体性を求めるのは、かなり厳しい面があります。

中学受験では、保護者の方と生徒さんの力関係が、だいたい半分ずつくらいがちょうどよいという話をすることがあります。

保護者の力だけでもなく、お子さんだけの力でもないということです。

主体性といっても、全部奪ってしまうのはよくありません。一方で、全部放任してしまうのもよくありません。

たとえば、「この間違ったテストを見て、自分に何が足りないのか考えてごらん」と言っても、多くの場合は難しいです。

どのような傾向があり、これから何に注意すればよいのかは、受験生本人からは見えにくいことが多いからです。

主体性としてまず目指したいのは、自分から机に座ることです。さらに言えば、「この単元が弱いから勉強しなければならない」と本人が少しでも思えるようになることです。

そのくらいを現実的な目標として見ると、家庭での関わり方も考えやすくなります。

家庭の関わり:計画との付き合い方

父親の関わり方:計画が外れる前提で持つ

中学受験の勉強を、普段のお仕事に見立てて計画される保護者の方にお会いすることがあります。

「この時間をかけてここまで進める」「これが達成できたら次へ進む」「最後に志望校に合格する」というように、計画通りに進めることを重視するケースです。

もちろん、お子様によってはそれでうまくいく場合もあります。

ただし、多くの場合、計画通りにはいきません。

仕事でも、すべてが計画通りに進むことは多くありません。まして中学受験では、相手は子どもです。理解の進み方も、その時期によって変わります。

たとえば、つるかめ算という単元だけでも、基本的なつるかめ算、差のつるかめ算、3つのつるかめ算、比が関わるつるかめ算など、さまざまな内容があります。

最初は基本的なつるかめ算に慣れてから、次の内容に進む必要があります。一気にすべてを理解できるとは限りません。

計画は大切です。当塾でも、指導計画に基づいて授業を行います。

ただし、できるかもしれないし、できないかもしれないという幅を持ちながら進めることも必要です。

中学受験は、大人相手の仕事とは種類が違います。子どもの理解には時間差があることを前提にしておくと、家庭での負担も少し軽くなるはずです。

家庭での管理だけでは学習量の調整が難しい場合は、中学受験算数の個別指導|塾フォローと復習相談で、塾の教材やテスト結果に合わせた進め方を確認できます。

声かけ:言わない方がよい言葉

親が言わない方がよい言葉:「なんで出来ないの」

保護者の方が言ってしまいがちな言葉に、「なんで出来ないの?」があります。

お子様の立場に立って考えると、「なんで出来ないの?」と言われても、本人にも分からないことが多いです。

自分で分かっているなら、多くの場合はすでに直そうとしているはずです。分からないから困っているのです。

そのため、「なんで出来ないの?」という言葉だけで責めるのは避けた方がよいでしょう。

必要なのは、「そもそもどういうことが起きたのか」を一緒に深掘りすることです。

「こういうふうに考えたから、この問題が解けなかったんだね」と分析することは問題ありません。

ただし、叱る言葉として「なんで出来ないの?」を使うと、本人は原因を考える前に気持ちが折れやすくなります。

塾選び:大手の特徴と見極めポイント

大手進学塾の特徴:同じ教材・同じ進度の影響

大手進学塾には、さまざまな特徴があります。

少なくとも大手の場合、非常に難しい学校を目指す生徒と、それほど高い難度ではない学校を目指す生徒が、同じ塾内に在籍していることが多いです。

そして、多くの場合、同じカリキュラム、同じテキストで勉強しています。

もちろん、クラスによって扱うページ数に差をつけることはあります。上位クラスなら10ページ、下位クラスなら5ページというような形です。

ただし、本来はレベルや状況によって、練習すべき問題は変わります。

5ページ分だけ宿題を出された場合、子どもにとっては「宿題が終わった」で勉強が終わってしまうことがあります。

それ以上の追加演習がなければ、練習量が不足し、1週間後にはその問題も解けなくなっていることがあります。

やはり、練習量は大切です。そして、継続して勉強することも大切です。

塾を見る際には、今のお子様にとって適切な学習量を提示できているかどうかを確認するとよいでしょう。

良い塾の見分け方:学習量と現状把握

個別指導塾の場合、良い塾とは何かと聞かれれば、現状を的確に判断し、その状況に合った対策を打てることだと思います。

集団授業や大手塾の場合も、考え方は近いです。さまざまな状況の生徒に対して、必要な学習内容や量を用意できているかが大切です。

ただし、外から見えにくい部分もあります。

説明会では「全クラスをしっかり見ます」と説明されることが多いですが、実際には上位帯に手厚く、そうでない層にはあまり手が届いていないと感じるケースもあります。

そのため、実際に出される宿題、確認テスト、補充課題、先生からの声かけなどを見ながら、現在の学習量が足りているかを確認する必要があります。

ご質問があれば、当塾でも状況に応じて回答できます。塾によって特色はありますが、適切な勉強量を提示できるかどうかは、特に大手塾ほど重要な見方になると思います。

大手塾の宿題、確認テスト、クラス別の学習量に不安がある場合は、中学受験算数の個別指導|塾フォローと復習相談で、現在の教材をもとに相談できます。

受験の意味:失うより得るに目を向ける

中学受験と高校受験:失うより得るに目を向ける

中学受験をすると、ある程度の時間を勉強に使うことになります。

受験結果について、成功・失敗という言い方はあまり好きではありませんが、結果によっては、使った時間を無駄に感じることもあるかもしれません。

ただ、中学受験でも高校受験でも、結局は勉強をすることになります。

勉強した内容そのものが得られる場合もあれば、そうでない場合もあります。しかし、それ以上に大切なのは、勉強を通じて知らなかった知識を知る過程を経験することです。

勉強の仕方を身につけていくという意味では、どちらの受験にも得られるものは多いと思います。

また、受験した結果として進学した学校で得られるものもあります。

失うものだけを考えるより、得られるものにも目を向けた方がよいのではないかと思います。

今回は、中学受験に関する複数のご質問についてお答えしました。併願校、模試、算数のミス、科目配分、家庭での関わり方は、それぞれ別の悩みに見えてつながっています。

お子様の状況を一つずつ確認しながら、現実的に続けられる学習にしていくことが大切です。

算数の学習量や塾フォローを確認したい方へ

併願校、模試、家庭学習の悩みは、算数の学習量や復習の進め方とつながっていることがあります。

  • 塾の授業を受けても、翌日には解き方が残っていない
  • 宿題と直しに時間がかかり、復習が後回しになっている
  • 模試や確認テストの結果から、何を優先するか決めにくい

動画:過去問解説

入試の過去問をピックアップして解説した動画へのリンクとなっております。
ムダのない効率的で的確な解説をぜひご覧ください。
全問解説バージョンは夏井塾算数WEBからご覧いただけます。