中学受験算数|文章題の解き方まとめ

中学受験算数
単元別:文章題

文章題は「読む→図表にする→式にする」で考える

計算はできるのに文章題で考えにくい場合、原因は計算力ではなく、問題文を算数の形へ移す部分にあることが多いです。求めるものを言葉にし、条件を図表に置き、式の意味を確かめると解きやすくなります。

中学受験算数の文章題は、文章の情報を式に移すまでで差がつきやすい分野です。「解説を見れば分かるのに、自力では式が立たない」「数字は拾えるのに、どの関係を使えばよいか分からない」という場合、文章の内容を図や表に置き換える練習が必要です。

文章題で最初に見るのは、計算方法ではありません。まず、何を求める問題かを言葉にします。次に、問題文の条件を線分図、表、模式図などに置きます。最後に、その図表から式を作り、式が何を表しているかを確かめます。

算数の文章問題で使える基本のコツ

算数の文章問題を解くコツは、いきなり式を作ろうとしないことです。問題文を読んだら、まず「何を求めるのか」「どの条件が関係しているのか」「図や表にするとどう見えるのか」を順に整理します。

文章題で最初に見ること

見ること 内容 短い例
求めるもの 何を答える問題かを一文で言う 「Aさんが持っている枚数を求める」
条件 数値が何を表しているかを読む 「3倍」「12枚多い」「全部で48枚」
関係 差、合計、割合、比などのつながりを整理する 「AとBの差が12」「合計が48」
図表 線分図、表、模式図などに置く 「同じ部分」「多い部分」「合計」を見える形にする
式の意味 式がどの条件を表すかを説明する 「48から12を引くと、同じ分にそろう」

文章題は、問題文を眺めるだけでは解きにくい単元です。文章に書かれている関係を、目で見える形に置き換えることが大切です。

式が作れないときに見るポイント

  • 数字だけを拾っていないか
    数字に線を引くだけでなく、その数字が何を表すかまで見ます。
  • 求めるものを言えているか
    「何を出せば答えになるのか」があいまいなまま式に進まないようにします。
  • 図や表に置いているか
    差、合計、比、割合、速さなどは、図表にすると関係がつかみやすくなります。
  • 式の意味を説明できるか
    足す、引く、かける、割るの判断を、問題文の条件と結びつけて考えます。

文章題の解き方を短い例題で確認

例題

AさんはBさんより12枚多くカードを持っています。2人合わせて48枚です。Aさんは何枚持っていますか。

見るべき条件

  • AさんはBさんより12枚多い
  • 2人合わせて48枚
  • 求めるものはAさんの枚数

図にするときの見方

Aさんの線は、Bさんと同じ部分に12枚多い部分を足した形で考えます。2人の合計48枚から、多い分の12枚をいったん取り除くと、Bさんと同じ枚数の部分が2つ分になります。

考え方

Bさんと同じ枚数の部分を2つ作るために、合計48枚から多い分の12枚を引きます。

48−12=36

36枚は、Bさんと同じ枚数の部分が2つ分です。

36÷2=18

Bさんは18枚なので、Aさんは12枚多く、

18+12=30

答え:30枚

この例で大切なのは、計算そのものではありません。48−12 は何をしているのか、36÷2 は何を2つに分けているのかを説明できることです。文章題では、式の意味が言えるようになると、自力で解ける問題が増えやすくなります。

式が作れない原因は「読み取り・図表化・式化」に分けて見る

文章題が苦手に見える場合でも、原因は一つとは限りません。読み取り、図表化、式化のどこで考えにくくなっているかによって、取り組み方は変わります。

  • 読み取り:何を求める問題か、条件が何を表すかをつかめない
  • 図表化:数字は拾えるが、線分図や表に置けない
  • 式化:図や表はあるのに、どの式にすればよいか分からない

家庭で見分けるチェック表

見られる様子 考えにくい地点 見たいこと
問題文を読んだ後、何を求めるかを言い切れない 読み取り 答えるものを一文で言えるか
数字は拾うが、何の数か説明できない 読み取り 単位や意味をメモできているか
線分図や表を描こうとしない 図表化 差、合計、比などの関係が見えているか
図は描くが、式にできない 式化 図のどの部分を足すのか、引くのかを説明できるか
解説直後は分かるが、翌日には類題で解きにくい 定着 答えを写すだけでなく、自分で図表と式を作り直しているか

たとえば「AさんはBさんより12枚多くカードを持っています。2人合わせて48枚です」という問題では、いきなり式を作ろうとすると考えにくくなります。先に「AはBより12枚多い」「合計は48枚」と言葉にし、AとBの線分図を描くと、式の意味が見えやすくなります。

文章題の種類別に、図・表・式の作り方を変える

文章題といっても、すべてを同じ方法で整理するわけではありません。差や合計が中心の問題、割合の問題、比の問題、速さの問題では、使いやすい図や表が変わります。

文章題の種類と使いやすい整理方法

文章題の種類 使いやすい整理方法 見るポイント
和差算 線分図 合計、差、同じ部分を分けて見る
過不足算 表、線分図 多い・少ないの差がどこで生まれるかを見る
割合 もとにする量、比べる量、割合の整理 何を1と見るのかを先に決める
比 表、線分図 比の1あたりと実際の数量を対応させる
速さ 道のり・速さ・時間の表、状況図 単位をそろえ、出会い・追いつきの関係を見る
つるかめ算 表、面積図、差の整理 一方にそろえたときの差を使う

差があるなら線分図、対応関係が多いなら表、速さなら道のり・速さ・時間の整理が使いやすくなります。

割合・比・速さの文章題で見るポイント

中学受験算数の文章題では、差と合計だけでなく、割合、比、速さで考えにくくなることもあります。ここでは、式を作る前に見るポイントを短く整理します。

割合の文章題

割合では、最初に何をもとにする量と見るかを決めます。「全体の何割」「定価の何%」「残りの量」など、基準が変わると式も変わります。

ミニ例

定価800円の品物を25%引きで買う場合、まず定価800円をもとにする量と見ます。割引額は800×0.25=200円なので、支払う金額は800−200=600円です。

比の文章題

比では、比の1あたりを考えます。比の数字と実際の数量を表や線分図で対応させると、何倍すればよいかが見えやすくなります。

ミニ例

AとBの比が2:3で、合計が50個なら、比の合計は5です。50÷5=10より、比の1あたりは10個です。Aは20個、Bは30個と考えます。

速さの文章題

速さでは、道のり・速さ・時間を表にして整理します。単位がそろっていない場合は、式を作る前に単位を見ます。

ミニ例

分速80mで15分進む場合、表に「速さ80m/分」「時間15分」と置きます。道のりは80×15=1200mです。kmで答えるなら、1200m=1.2kmと単位を直します。

文章題で数字を拾うときの注意点

文章題では、数字に線を引くこと自体は悪くありません。ただし、数字だけを拾って式に入れようとすると、条件の関係を見落としやすくなります。

読み方の悪い例・良い例

読み方 状態 改善する見方
数字だけに線を引く 12、48などの数字は見えるが、何の数か分からなくなる 数字の横に「差」「合計」「Aが多い分」などの意味を書く
問題文を最後まで読まずに式を作る 途中の条件だけで考えてしまう 求めるものを見てから、使う条件を選ぶ
解説の式だけを写す その場では分かった気がしても、類題で解きにくい 式が何を表すかを言葉で説明する

文章題では、答えが合っているかだけでなく、条件と式がつながっているかを見ることが大切です。

家庭で解き直すときの確認ポイント

文章題は、正解したかどうかだけを見ると、改善点が分かりにくくなります。家庭で見る場合は、解き直しのときに次の点を意識します。

  • 求めるものを一文で言えているか
  • 数値の横に、単位や意味をメモできているか
  • 図や表に条件が反映されているか
  • 式の意味を言葉で説明できるか
  • 同じ形式の問題で、もう一度できるか

「分かった」と言っていても、次の類題でまた解けない場合は、解説の理解で終わっている可能性があります。解き直しでは、答えを写すのではなく、もう一度自分で図表を作り、式の意味を説明することが大切です。

1週間で試す練習メニュー

文章題は、短期間で一気に変えるというより、毎回同じ考え方で処理できる問題を増やすことで安定します。まずは負担の少ない形で始めます。

  1. 毎日1〜2題、同じ単元の文章題に触れる
  2. 解く前に求めるものを一文で言う
  3. 条件に線を引き、数値の意味をメモする
  4. 必ず図か表に置いてから式にする
  5. 解けた問題も、なぜこの式になるかを説明する

1週間の進め方(例)

日 やること 見るポイント
1日目 問題文を読み、求めるものに線を引く 何を答える問題かを一文で言えるか
2日目 数値の横に意味や単位をメモする 数字だけでなく、何の数かを説明できるか
3日目 差や合計がある問題を線分図にする 同じ部分、多い部分、合計が見えているか
4日目 対応関係がある問題を表にする 比、割合、速さなどの関係を整理できるか
5日目 式の意味を言葉で説明する この式がどの条件を表すかを言えるか
6日目 間違えた問題だけ解き直す 読み取り、図表化、式化のどこで考えにくくなったかを見る
7日目 同じ形式の類題を解く 解説なしで同じ考え方を使えるか

文章題は、センスだけで決まる単元ではありません。求めるものを言葉にし、条件を図表に置き、式の意味を説明する練習を重ねることで、少しずつ自力で解ける問題が増えていきます。

よくある質問

算数の文章問題が苦手な子は、まず何から始めればよいですか。

まず、求めるものを一文で言う練習から始めます。そのうえで、分かっている条件を図や表に置き、最後に式へ進みます。いきなり式を作ろうとすると、どの条件を使うのかが見えにくくなります。

計算はできるのに文章題だけできないのはなぜですか。

計算力ではなく、文章の条件を算数の形に移す部分で考えにくくなっている可能性があります。文章題では、数字を計算する前に、条件の関係を図表にして整理することが大切です。

線分図を描けない場合はどうすればよいですか。

最初からきれいな図を描く必要はありません。求めるもの、分かっている数、差や合計を簡単にメモすることから始めます。線分図は、見た目のきれいさよりも、条件の関係が分かることが大切です。

線分図と表はどちらを使えばよいですか。

差や合計を比べる問題は線分図、対応関係を整理する問題は表が使いやすいことが多いです。判断しにくい場合は、まず条件を簡単にメモし、関係が横に並ぶなら線分図、項目ごとに整理したいなら表を使うと考えやすくなります。

解説を読めば分かるのに、類題でできない場合はどうすればよいですか。

答えや式を写すだけの解き直しで終わっている可能性があります。もう一度自分で図表を作り、式の意味を言葉で説明する練習を入れると、類題でも同じ考え方を使いやすくなります。

家庭で親が教えるときに注意することはありますか。

すぐに式を教えるより、「何を求める問題か」「どの条件を使うか」「この式は何を表しているか」を質問する方が、考える流れを見やすくなります。答えを急がせすぎないことも大切です。

中学受験の文章題は何年生から対策すべきですか。

学年だけで一律に判断するより、文章を読んで条件を整理できているかを見ることが大切です。文章を図や表にする練習は、早い段階から少しずつ積み重ねると、複雑な文章題にもつなげやすくなります。

文章題の悩み別に読むページ

文章題は、必要な練習が人によって異なります。本文の考え方を確認したうえで、今の状態に近いページを選ぶと読みやすくなります。

文章題全体の勉強法を知りたい場合

読めない・図にできない状態を改善したい場合

比やプリント学習を確認したい場合

オンライン個別で確認するときの考え方

文章題は工程が多く、どこで解きにくくなっているかが見えにくい単元です。オンライン個別では、手元映像や画面共有を使い、問題文への線の引き方、図表の描き方、式の作り方をその場で確認できます。

特に、文章題は「解説を聞けば分かる」が起こりやすい分野です。授業では、答えだけでなく、どの条件をどう図に置き、どの言葉をどう式に変えたかを確認できると、自力で解く力につながりやすくなります。

保護者が見たいこと

  • お子さまがどこで解きにくくなるかを説明できているか
  • 図や表を描くだけでなく、何を表しているかまで言えているか
  • 同じ形式の類題で、もう一度できているか
  • 宿題が量だけでなく、課題に合った内容になっているか

文章題そのものが苦手な場合は、文章題が解けない子がオンライン個別で伸びる3つの理由も参考になります。比・割合が不安定な場合は、割合が苦手な子の共通点|オンライン個別で「線分図→式」を安定させる流れで、もとにする量、比べる量、割合の関係を確認できます。

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