中学受験 算数の文章題が苦手な子へ|つるかめ算・割合・並べ方の読み方と解き方

中学受験の算数で文章題が苦手な場合、原因は大きく分けると「文章の読み取り」「式への置き換え」「図や表での整理」の3つです。このページでは、文章題を解くときの基本的な考え方を確認したうえで、つるかめ算や線分図・表・てんびん・ベン図などの具体例を使って解き方を説明します。
文章題では、解法を覚えるだけでなく、条件を読み取る→何を求めるか確認する→数量の関係を図や表にする→式にするという流れを身につけることが大切です。
まずは、読み取り・式立て・図表整理のどこで手が止まっているのかを確認してみましょう。
先に確認:文章題が苦手な子は、どこでつまずきやすい?
- 読み取りでつまずく:条件や問いを読み落とし、何を求めるかがずれる
- 式立てでつまずく:何を全体、何を1あたりと見るかが曖昧になる
- 図表整理でつまずく:線分図・表・てんびん・ベン図などの選び方が定まらない
この3つのうち、どこで手が進みにくくなっているかを分けて見ると、優先して練習する内容が見えやすくなります。
中学受験の算数で文章題の正答率を上げるポイント

文章題では、計算を始める前の整理が重要です。問題文を読んだら、すぐに式を作ろうとせず、次の順番で確認してみましょう。
文章題を読んだときの基本手順
- 何が分かっているかを確認する
- 何を求める問題かを確認する
- 数量どうしがどのような関係かを見る
- 必要なら線分図・表・ベン図などに置き換える
- 図表で整理した関係を式にする
文章題が苦手な場合は、この流れのどこで止まっているかを見ると、練習すべき内容を判断しやすくなります。
1.条件と問いを正確に把握する
算数の文章題では、何が書かれているのか、何を問われているのかを正確に読み取る必要があります。ここで読み違えると、計算ができても正答にはたどり着けません。
文章題が苦手な場合ほど、一文一文を読み落とさず、分かっている条件と求めるものを分けて確認する習慣をつけましょう。
- 「ただし、〇〇とする」:解答に必要な条件が書かれていることが多い
- 「たとえば」「例」:それ以前に出てきた条件の具体例や規則性を示していることが多い
- 最後の問い:何を答えればよいのかを確認する
家庭学習では、文章を丁寧に読む練習として音読を取り入れてもよいでしょう。ただし、読むことだけで終わらず、条件や問いを自分で整理できているかまで確認することが大切です。
2.文章題に出てくる言葉の意味を理解する
中学受験の文章題には、さまざまな用語が登場します。
- 売上・利益・仕入れ値
- 毎分・毎時・静水時
- 割合・濃度・速さ
これらの言葉を正しく理解できていないと、「何を求めればよいのか」が分かっても、数量の関係を式に置き換えにくくなります。
分からない言葉が出てきたときは、その場で意味を確認することが大切です。また、買い物や料理など日常生活の中で、重さ・値段・時間を実際の数量と結びつけておくと、問題文の状況をイメージしやすくなります。
3.数量の関係を図や表にする
文章だけを頭の中で処理しようとすると、条件が増えたときに混乱しやすくなります。そこで、線分図・ベン図・表・概念図・てんびん図などを使い、文章を見える形にします。
重要なのは、きれいな図を書くことではありません。どの数量とどの数量が関係しているのかを、自分で確認できる形にすることが目的です。
たとえば、全体と部分の関係なら線分図、条件の重なりならベン図、濃度や平均に近い関係ならてんびん、1あたりの差と全体の差を見るなら表や概念図が使いやすくなります。
4.図や表で整理した内容を式にする
図を書けても式が立たない場合は、図の中で「何が全体なのか」「1あたりはいくつなのか」「どの差を使うのか」を確認します。
文章を読んですぐ式を覚えた形に当てはめるのではなく、図表で確認した数量関係を式に移すようにすると、条件が少し変わった問題にも対応しやすくなります。
動画で全体像を確認したい場合
文章だけでは流れがつかみにくい場合は、下の動画で考え方の全体像を確認してから、具体的な例題に進んでください。
つるかめ算の基本と複数の解き方

つるかめ算とは?
ここからは、文章題の具体例としてつるかめ算を見ていきます。つるかめ算では、「全体の差」と「1あたりの差」を分けて考えることがポイントです。
この考え方は、過不足算や差集め算など、ほかの文章題にもつながります。また、同じ問題でも面積図・式・表など複数の表し方ができるため、文章から数量関係を取り出す練習にも適しています。
例題:50円切手と80円切手の問題
代表的なつるかめ算の例として、次の問題を考えてみましょう。
50円切手と80円切手があります。合計で20枚あり、その合計金額が1240円になりました。では、50円切手と80円切手はそれぞれ何枚あるでしょうか?

この問題では、20枚という全体の枚数と、50円と80円という1枚あたりの金額を分けて考えます。
解法1:面積図で考える
まずは、数量の関係を確認しやすい面積図で考えます。「金額=価格×枚数」を面積として表す方法です。

- 50円切手:縦を50円、横を枚数で表す
- 80円切手:縦を80円、横を枚数で表す
それぞれの面積が金額(価格×枚数)を表します。合計金額は1240円、枚数の合計は20枚です。

すべて50円切手だったとすると、50×20=1000円です。実際の合計は1240円なので、差は1240-1000=240円になります。

80円と50円の差は30円です。したがって、240÷30=8枚となり、80円切手は8枚です。残りは20-8=12枚なので、50円切手は12枚です。
この問題で確認したい2つの差
- 全体の差:1240-1000=240円
- 1枚あたりの差:80-50=30円
この2つを区別できれば、240÷30=8枚という式の意味が分かります。
解法2:式でまとめる

面積図で確認した考え方は、次のように式だけでまとめることもできます。
- 全部を50円切手と考える:50×20=1000円
- 全体の差:1240-1000=240円
- 1枚あたりの差:80-50=30円
- 80円切手:240÷30=8枚
- 50円切手:20-8=12枚
基本的なつるかめ算では、考え方を理解したあとは式で処理できるようにすると進めやすくなります。
解法3:表で考える

同じ関係を表に書いて考える方法もあります。全部を50円切手とした状態から、50円切手を1枚ずつ80円切手に入れ替えると、合計金額は1回につき30円増えます。
1000円から1240円まで240円増やす必要があるため、240÷30=8回入れ替えればよいと分かります。したがって、80円切手は8枚、50円切手は12枚です。
表は、条件が増えて頭の中だけでは整理しにくい問題で特に使いやすい方法です。
解法4:差に注目する図で考える

差に注目する図でも、考えている内容は同じです。全体の差240円を、1枚あたりの差30円で分けると考えます。
この見方は、つるかめ算だけでなく、過不足算や差集め算で「全体の差」と「1あたりの差」を考えるときにも使います。
どの解き方を中心に練習するべきか
4つの方法は別々の公式ではありません。同じ数量関係を、面積図・式・表・差に注目する図という異なる形で表しています。

- 基本的なつるかめ算:考え方を理解したら式で処理する
- 条件が増えて整理しにくい問題:表や図に戻って数量関係を確認する
一つの解法だけを暗記するのではなく、式の意味が分からなくなったときに図や表へ戻れるようにしておくことが大切です。
文章題を解くときに使う主な道具と例題
文章題では、問題の中にある数量の「関係」に合わせて図表を選びます。ここでは代表的な道具と例題を確認します。
図表を選ぶ目安
- 全体と部分の関係を整理するなら、線分図
- 条件の重なりを整理するなら、ベン図
- 濃度や平均に近い関係を整理するなら、てんびん
- 1あたりの差と全体の差を見るなら、表や概念図
1.線分図
●例題
●解き方

線分図を書いて、全体と残り・使った分の関係を見ます。
- 全体を4つに分けたうちの3つ分を使い、残り1つが残る
- さらに、残りの3分の1を使って、残った分が400円になったと考える

図より、400円が2つ分に相当することが分かります。したがって、1つ分は200円、3つ分は600円です。

はじめに持っていたお金は4つ分なので、600円×4=2400円となります。線分図を使うことで、全体と部分の関係が見えやすくなります。
2.表
●例題
●解き方

まず、情報を表に書きます。
- Aができた人:15人
- Bができた人:27人
- 両方できた人と、どちらもできなかった人の比:3:5

Aができなかった人は48-15=33人、Bができなかった人は48-27=21人です。

分からない部分は記号を使って整理します。
- 両方できた人+AはできなかったがBはできた人=27人
- どちらもできなかった人+AはできなかったがBはできた人=33人

差に注目すると、比の2つ分が6人なので、1つ分は3人です。両方できた人は9人です。Aができた人15人から9人を引くと、Aだけできた人は15-9=6人です。
3.てんびん
●例題
●解き方

てんびん図を使って、濃度と重さの関係を見ます。
- 10%の食塩水:170g
- 食塩そのもの:100%
- 混ぜた結果:15%

15%と10%の差は5%、100%と15%の差は85%なので、腕の長さの比は1:17です。

てんびんの場合、腕の長さの比と重さの比は逆比になるので、重さの比は17:1です。

170gが17にあたるので、1にあたる重さは10gです。したがって、食塩は10g加えればよいことになります。
4.ベン図
●例題
●解き方

条件をベン図で整理します。
- 円A:2の倍数
- 円B:5の倍数
- 全体:1〜50の整数

- 2の倍数:50÷2=25個
- 5の倍数:50÷5=10個
- 両方の倍数:50÷10=5個

2の倍数だけは25-5=20個、5の倍数だけは10-5=5個です。

2または5で割り切れる数は20+5+5=30個です。したがって、2でも5でも割り切れない数は、50-30=20個です。
5.概念図
●例題
●解き方
この問題はいわゆる過不足算・差集め算の問題で、概念図を使うと考えやすくなります。

- 1人に4枚ずつ配ると29枚余る
- 1人に6枚ずつ配ると5枚余る

1人あたりの差は6-4=2枚、全体の差は29-5=24枚です。したがって、24÷2=12人となります。
この考え方は、先ほどのつるかめ算と同じく、「全体の差」と「1あたりの差」を分けることがポイントです。
文章題の対策は「家庭学習」「単元復習」「個別確認」に分けて考える
文章題で毎回どこかがずれる場合でも、すぐに難しい問題へ進む必要はありません。今のつまずきが、家庭学習で反復すればよいものか、関連単元を復習した方がよいものか、読み取りから個別に確認した方がよいものかを分けて考えます。
数えもれ・場合分けが苦手
速さ・毎分・毎時の整理が苦手
比や割合の文章題で式がずれる
家で文章題の練習を続けたい
小5のうちに重要単元をまとめて確認したい
読み取り・図・式のどこで止まるか判断しにくい
教室で直接、算数のつまずきを相談したい
塾全体の方針や講座を比較したい
よくある質問
文章題が苦手な子は、何から始めるべきですか?
まず、読み取り・図表整理・式立てのどこで止まっているかを確認します。苦手な部分が分かれば、必要な練習を絞りやすくなります。
つるかめ算は、式と図のどちらで練習した方がよいですか?
最初は面積図や表で数量の関係を確認し、理解できたら式でまとめます。条件が増えて分かりにくくなったときに、図や表へ戻れるようにしておくことが大切です。
比や速さの文章題にも、この考え方は使えますか?
文章から数量の関係を取り出して整理する考え方は、比や速さの文章題でも必要です。問題に応じて、全体と部分、道のり・速さ・時間などの関係を整理します。
家で練習しても改善しない場合はどうすればよいですか?
同じ単元を繰り返しても手が止まる場合は、問題数を増やす前に、どこでつまずいているかを確認します。家庭学習で直しにくい場合は、個別に原因を確認する方法もあります。
まとめ
中学受験の算数で文章題を解くときは、単元ごとの解法を覚えるだけでなく、次の流れを意識することが大切です。
- 条件と問いを正確に確認する
- 数量どうしの関係を見る
- 必要に応じて図や表に整理する
- 整理した関係を式にする
つるかめ算では、特に「全体の差」と「1あたりの差」を区別することがポイントです。基本問題は式で処理し、条件が増えて分かりにくくなったら図や表に戻って数量の関係を確認しましょう。



