中学受験に向けた本格的な学習は、5年生から始まると思われがちですが、実際には4年生の1年間でどれだけ基礎を固められるかが、その後の伸びを大きく左右します。

特に算数は、4年生の段階から授業の密度が高くなり、家庭で復習する時間を取りにくくなりがちです。授業ではわかったつもりでも、家に帰ると解き方を思い出せない、宿題の直しが回らない、文章題になると考え方を整理しづらい、という悩みが出やすい学年でもあります。

このページでは、4年生の授業の特徴、4年生がつまずきやすいポイント、家庭で確認したい復習の観点、そして当塾での具体的な対策について整理してご紹介します。

この記事でわかること

  • 中学受験の4年生算数で授業が難しく感じられる理由
  • 授業内容を忘れる、宿題が進まない、文章題が苦手になる原因
  • 家庭で確認したい復習のポイント
  • 個別指導や外部サポートを検討する前に見ておきたい観点

中学受験の小4算数で、まず確認したいこと

4年生の算数で大切なのは、難しい問題を先取りすることだけではありません。まずは、授業で扱った基本的な考え方を、家庭学習の中で再現できる状態にしておくことが重要です。

ご家庭では、次の3点を確認すると、お子さまのつまずきが見えやすくなります。

  • 授業で習った解き方を、翌日以降に自分で説明できるか
  • 宿題を進めるとき、どの問題から自力で進めにくくなっているか
  • 計算に時間を取られすぎて、文章題に取り組む余裕がなくなっていないか

この3点のどこかに不安がある場合、単に「演習量を増やす」だけでは改善しにくいことがあります。まずは、どの段階で理解があいまいになっているのかを見極めることが大切です。

小4算数でよくある悩みを先に整理したい場合は、中学受験・小4算数の疑問をQ&Aで確認するページも参考になります。

4年生の授業の特徴とは?

5年生で受験内容を終えるために、4年生から授業が密度アップする

多くの進学塾では、5年生で受験に必要な内容を一通り学び終えるようにカリキュラムが組まれています。そのため、4年生の段階から授業には多くの学習内容が詰め込まれているのが特徴です。

4年生では、たとえば次のような基礎的な計算法を一通り学習します。

  • つるかめ算
  • 等差数列の考え方を用いた文章題
  • 割合につながる考え方の初歩 など

そして、5年生になると、4年生で習ったつるかめ算を発展させた応用問題が一気に増えていきます。4年生で身につけた基礎をもとに発展内容が中心となり、問題の難易度も授業の密度もともに上がっていくため、1回ごとの授業理解がより重要になります。

他教科の学習時間も増え、算数の復習時間が圧迫される

4年生後半から5年生にかけては、算数だけでなく、国語・理科・社会といった他教科にも本格的に時間をかけていく必要が出てきます。その結果、もともと算数に時間がかかっていたお子さまほど、次のような状況に陥りやすくなります。

  • 算数の復習時間が確保しづらい
  • 宿題の直しが後回しになりやすい
  • 他教科との両立が難しくなる

4年生の時点で算数の復習が積み残しになると、5年生以降に扱う応用単元で急に苦しくなることがあります。そのため、早い段階で「どこまで自力で復習できているか」を確認しておくことが大切です。

入試問題に直結するカリキュラムが4年生に集中している

実際の入試問題を解くうえでは、特定の「解き方」や「考え方」を押さえておくことが不可欠です。たとえば、次のような単元は、入試問題でもよく使われる考え方につながります。

  • 4年生で学習する「つるかめ算」「べんしょうのつるかめ算」
  • 本来は5年生で扱う「いもづる算」

塾や教材によっては、本来5年生で学習するはずだった「いもづる算」までもが、4年生のカリキュラムに含まれているケースがあります。

このように、入試問題を解く上で必須となる計算法が、4年生のカリキュラムに多く含まれているのが現在の中学受験算数の大きな特徴です。

4年生は「受験算数としての基礎」を固める学年

以上から、4年生の授業は「受験算数としての基礎」を固めるためのカリキュラムが中心です。ここで学ぶ計算方法をしっかりマスターしておくことが、受験において非常に重要になります。

そのためには、次のようなトレーニングが欠かせません。

  • 言い回しを変えた問題を含め、数多くの問題を解く
  • パターンで覚えるだけでなく、「なぜそう考えるのか」という筋道もセットで理解する
  • 解けなかった問題を、時間を空けてもう一度解き直す

しかし実際には、集団授業を行う大手進学塾では、授業時間を短くする傾向もあり、復習にかける時間がさらに短くなりやすいという現状があります。

だからこそ、4年生の時に良い教師と出会い、良い授業を受けたうえで、しっかりと復習を行う時間を確保することが重要です。ここでの小さな「わからない」の積み残しが、5年生以降に大きなつまずきとなって表れてくるからです。

家庭学習で確認したい復習のポイント

4年生の算数では、保護者の方がすべての問題を教える必要はありません。むしろ大切なのは、正解・不正解だけを見るのではなく、どの段階で考え方があいまいになっているのかを確認することです。

1.解き方を言葉で説明できるか確認する

授業直後は解けていても、翌日になるとやり方を忘れてしまうことがあります。そのため、宿題を始める前に「この問題は何を使って考えるの?」と聞いてみると、理解の残り方が見えやすくなります。

答えを出すことだけでなく、解き方の流れを短く説明できるかを確認すると、単なる暗記になっているのか、考え方として定着しているのかがわかります。

2.宿題の正解数だけでなく、考え方があいまいな箇所を見る

宿題が終わらない場合、問題数が多いことだけが原因とは限りません。問題文の読み取りでつまずいているのか、式を立てるところで考え方があいまいなのか、計算で時間がかかっているのかによって、必要な対策は変わります。

「どの問題ができなかったか」だけでなく、「どの段階から進めにくくなったか」を見ることで、次に復習すべきポイントを絞りやすくなります。

3.計算練習と文章題練習を分けて考える

計算力が不安定な状態で文章題に取り組むと、文章を読む前に集中力を使い切ってしまうことがあります。一方で、計算だけを繰り返しても、文章題の状況整理ができるようになるとは限りません。

4年生の家庭学習では、計算を速く正確にする練習と、文章の条件を整理する練習を分けて考えることが大切です。

4年生が抱えやすい問題点

ここからは、当塾が実際に4年生を指導する中で見えてきた、典型的な3つのつまずきパターンと、その対策についてご紹介します。

ケース1:帰ってくると、授業内容を忘れてしまっている

【問題点】

4年生は、さまざまな計算手法を新しく習う段階です。これらの計算手法は、基本問題だけでなく、少しひねった問題でも解けるようにトレーニングすることが必要になります。

また、授業によっては、まだ正式には習っていない5年生の内容の一部を先取りして扱うこともあります。その場では何となくわかったつもりでも、家に帰ってから宿題に取り組もうとすると、次のような状況に陥ることがあります。

  • 「授業でどう説明されていたか思い出せない」
  • 「やり方はうろ覚えなのに、類題だけが大量に出ている」
  • 「基本問題はできても、少し表現が変わると自力で進めにくい」

この状態が続くと、「全部わからない」「算数が苦手かも」という自己評価につながってしまうことがあります。

【当塾で行っている対策法】

4年生の場合、言い回しが少し変わるだけで解けなくなるというケースが非常に多く見られます。そこで当塾では、次のような指導を徹底しています。

  • 同じ系統の問題を、言い回しや設定を変えて多数解く
  • 「どこが変わっても、同じ考え方で解ける」状態まで繰り返しトレーニングする
  • 解き方を丸暗記するのではなく、なぜその考え方を使うのかを確認する

さらに当塾では、生徒ごとに苦手な問題をすべてデータ化し、いつでも呼び出せるよう管理しています。そのため、次のような形で、一人ひとりの弱点に合わせた復習ができます。

  • 授業内で苦手問題だけを集中的に解き直す
  • 宿題として個々の弱点に特化した問題を組み込む
  • 以前できなかった問題を、時間を空けてもう一度確認する

このように、一人ひとりの「わからない」をその場で解消していくことを大切にしています。

授業内容が残りにくい場合に確認したいページ

授業内容の定着や宿題の進め方について、小4算数でよくある悩みを確認したい場合は、小4算数のQ&Aページをご覧ください。個別に弱点を見てほしい場合は、算数オンライン塾中学受験算数の個別指導も参考になります。

ケース2:計算問題でいっぱいいっぱいになり、文章問題が苦手になる

【問題点】

4年生では、計算をしっかりこなすことが非常に大切です。一方で、計算に多くの時間と集中力を取られてしまうため、次のような問題が出てきます。

  • 文章を読む余裕がなくなる
  • 式は立てられるのに、文章を読んで状況を整理するのが苦手になる
  • 条件を読み落として、途中まで合っていても最後で間違える

その結果、次のような状況になり、算数全体に苦手意識を持ってしまうお子さまも少なくありません。

  • 「計算だけの問題はできるのに、文章題になると解けなくなる」
  • 「テストで時間が足りず、文章題までたどりつけない」
  • 「問題文を読んでも、何をすればよいか分からない」

【当塾で行っている対策法】

文章問題にじっくり取り組むためには、前提として計算問題をスムーズに処理できる力が必要です。当塾では、次のステップで指導しています。

  • 計算が遅くなってしまっている原因を細かく分析する
  • 一人ひとりに合った方法で、計算速度と正確さのトレーニングを行う
  • 文章題では、条件を整理してから式にする流れを確認する

たとえば、計算が遅くなったりミスが増えたりする原因には、次のようなものがあります。

  • 筆算の書き方が雑で位がずれてしまう
  • 九九や基本的な暗算に不安が残っている
  • 途中式を書かずに「頭の中だけ」で処理しようとしてミスが増えている

原因はお子さまによってさまざまです。それぞれの原因に合わせてトレーニングを行うことで、計算にかかる時間を短縮し、文章題に使える時間と集中力を増やすことを目指します。

文章題の考え方を整理しづらい場合に確認したいページ

「計算はできるのに文章題になると解けない」という場合は、算数文章題のプリント練習法も参考になります。原因を個別に見ながら学習の進め方を見直したい場合は、中学受験算数の個別指導算数オンライン塾をご確認ください。

ケース3:トレーニング疲れから算数に苦手意識を持ってしまう

【問題点】

4年生のうちに、入試に必要な計算問題や、言い回しを変えた多くのパターン問題に取り組むことは、受験に向けて非常に重要です。しかし、次のような状況が重なると、次第に算数そのものに苦手意識を持ち始めてしまうお子さまが出てきます。

  • 毎回のテストや宿題でミスが続く
  • 解き方はわかるのに数が多くて疲れてしまう
  • 直しをしても、次の単元に進んでしまい不安が残る

多くの生徒は、次のような強い想いを持っています。

  • 「自分の夢を叶えたい」
  • 「ご両親の期待に応えたい」

その一方で、塾のテスト結果を家に持ち帰ることや、宿題が終わらないことがストレスとなり、「できない自分を責める気持ち」が膨らんでしまうことがあります。これが算数嫌いにつながるケースも少なくありません。

【当塾で行っている対策法】

このようなケースでは、まず親子間での距離感がとても大切です。

親子間ではある程度の距離感を持ち、「結果だけを責める」のではなく、応援しつつ見守るという姿勢を持つことが、お子さまの心の負担を軽くします。

当塾では、次のような形で、生徒一人ひとりに合わせた指導を行っています。

  • 第三者の視点から、お子さまの不安や本音をじっくり聞く
  • 一人ひとりの性格や目標に合わせた学習ペース・課題量を一緒に考える
  • 「できたところ」を具体的にフィードバックし、自信を積み上げていく

無理に量だけを増やすのではなく、どこを優先して復習するかを整理しながら、自信を取り戻せる学習の進め方を考えていきます。

外部サポートを使うか判断したい場合に確認したいページ

すぐに問い合わせる前に状況を整理したい場合は、外部の力を使うべきか判断するための整理ページをご覧ください。講座の違いを比較したい場合は、中学受験算数講座一覧も参考になります。

まとめ:4年生の算数は「受験の土台」をつくる最重要期間

4年生の算数の授業には、次のような特徴があります。

  • 入試問題に直結する計算法が多く含まれている
  • 5年生以降の応用内容の土台となる「受験算数の基礎」を固める学年である
  • 授業の密度が高く、復習のタイミングが不足しやすい

そのため、4年生のうちに次の点を意識しておくことが非常に重要です。

  • 授業内容をその場でしっかり理解し、家庭学習で確実に定着させること
  • 「言い回しの違い」に強くなるまで、類題を繰り返し解くこと
  • 計算力を高めて、文章題に十分な時間と集中力を回せるようにすること
  • トレーニング疲れに配慮しつつ、親子で適度な距離感を保つこと

当塾では、一人ひとりのつまずきと向き合い、4年生のうちに「わからない」をそのままにしないことを何より大切にしています。

4年生の学習や算数のつまずきでお悩みの保護者さまは、まずはお子さまの状態に近いページから確認してみてください。

次に確認するページ

お子さまの状況に合わせて、次のページも参考にしてください。

学年や状況別の指導方針を確認したい場合は、状況別指導方針をご覧ください。当塾全体の考え方は、夏井算数塾トップページから確認できます。

外部サポートを検討している方へ

※すぐに申し込むかどうかを決める前に、お子さまの状況を整理するための判断材料です。

  • 授業を聴いて帰ってきたはずだが、翌日に解き方が残らない
  • 宿題と直しが回らず、積み残し化している
  • 文章題になると考え方を整理しづらく、何から考えればよいか分からない
  • 親子だけでは学習ペースや課題量の調整が難しくなっている

動画:サピックスの算数を15分で講義してみた

サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに「Sapixの授業前に見ておいてほしい」内容をまとめた動画となっております。ポイントだけをおさえたコンパクトな講義で、基本的な内容の復習に活用いただけます。