特殊算の基本整理|過不足算・差集め算・つるかめ算【H51-02】

差のつるかめ算は、全部を一方にそろえた場合を考え、1つ置き換えるごとに「差」がどれだけ変わるかを見ると整理しやすくなります。普通のつるかめ算と基本の考え方は同じで、式を先に覚えるよりも、表を使って変化を確認することが大切です。

一方、過不足算や差集め算も「差」を使うため、どの問題でどの差を見るのか分かりにくくなることがあります。この記事では、まず差のつるかめ算の基本を確認し、そのうえで和差算・消去算・過不足算・差集め算との違いを整理します。

サピックス小5算数で特殊算を学んでいて、「式は覚えたけれど、なぜそうなるのかが曖昧」「過不足算と差集め算の見分け方が不安」「差のつるかめ算で、どの差に注目すればよいか分かりにくい」という場合は、線分図・表・図解を使いながら確認してみてください。

この記事で先に押さえたいこと
  • 差のつるかめ算は「全部を一方にそろえる」ところから考える
  • 1つ置き換えたときに、全体の差がいくつ変わるかを見る
  • 過不足算は「余る・足りない」、差集め算は「1つあたりの差」に注目する
  • 和差算・消去算を含め、式の前に図や表で関係を整理する
  • 苦手な部分に応じて、次に確認する文章題を選ぶ

差のつるかめ算とは?まず基本の考え方を確認

「差のつるかめ算」として出てくる問題でも、基本は普通のつるかめ算と同じです。いきなり式を作るのではなく、まず全部を一方にそろえた場合を考え、実際の状態との差がどのように生まれるかを確認します。

ポイントは、1つ置き換えたときに全体の差がどれだけ変化するかを見ることです。その変化が何回分あれば実際の差になるのかを考えると、表や式につなげやすくなります。

確認すること 見方
全部を一方にそろえたらどうなるか まず仮の合計や差を出す
1つ置き換えると何が変わるか 1つあたりの差を確認する
実際の差まで何回分あるか 全体の差を1つあたりの変化で割る

差のつるかめ算の小さな例題

考え方を確認するために、簡単な数で見てみます。

例題

1個5点のAと、1個2点のBをあわせて10個選びます。Aの合計点とBの合計点の差が15点になるとき、AとBはそれぞれ何個ですか。

まず、全部をAにそろえて考えます。10個すべてをAにすると、Aの合計点は5×10=50点、Bの合計点は0点なので、差は50点です。

実際の差は15点なので、仮に考えた差50点から35点小さくする必要があります。ここでAを1個Bに置き換えると、Aの合計点は5点下がり、Bの合計点は2点上がります。つまり、差は5+2=7点小さくなります。

35÷7=5より、Aを5個Bに置き換えればよいことが分かります。したがって、Bは5個、Aも5個です。

答えを確認すると、Aは5個なので5×5=25点、Bは5個なので2×5=10点です。25−10=15点となり、問題文の条件と合っています。

この例で大切なのは、最初から複雑な式を作ることではありません。「全部を一方にそろえる」→「1つ置き換えると差がいくつ変わるかを見る」→「その変化が何回分あるかを考える」という順番で整理することです。

過不足算・差集め算・つるかめ算の違い

差のつるかめ算の基本を確認したところで、似た問題との違いを整理します。「差に注目する問題」といっても、最初に見る差は同じではありません。

単元 何に注目するか よく使う整理方法
和差算 2つの数の合計と差 線分図
消去算 一方をそろえたときに残る差 式の比較、表
過不足算 配り方の違いによる余り・不足 横並びの図、線分図
差集め算 1つあたりの差がいくつ集まるか 1つあたりの差と全体の差の整理
つるかめ算 全部を一方にそろえたときの合計との差 表、仮定の計算

過不足算は「余る・足りない」、差集め算は「1つあたりの差」、つるかめ算は「全部を一方にそろえたときの差」を見る、と押さえておきましょう。どの問題も差を使いますが、最初に見る場所が違います。

動画で和差算・消去算・過不足算・つるかめ算を確認

この動画では、サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに、授業に入る前に確認しておきたい要点をまとめています。本文で違いを確認したあと、図や表の使い方を動画で見直すと理解しやすくなります。

※本動画は、サピックスで使用されているテキストそのものの解説ではありません。あらかじめご了承ください。

動画で扱う主な内容と、この記事で補足する差集め算に共通するポイントは、次の3つです。

  • 図や表を使って整理すること
  • 「差」に注目して考えること
  • よく出る解き方を押さえてから演習すること

1.和差算の基本と公式

和差算の考え方を線分図で整理するイメージ

和差算とは?

和差算は、2つのものの「合計(和)」と「差」が分かっているときに、それぞれの大きさを求める計算を指します。

文章を読んだだけではイメージしにくいため、線分図を描きながら整理することが大切です。

和差算の基本公式

2つの数を「大きい方」「小さい方」とすると、

  • 大きい方を求めるとき
    (和 + 差) ÷ 2
  • 小さい方を求めるとき
    (和 − 差) ÷ 2

公式をただ暗記するのではなく、線分図で「2つ分」から「1つ分」にする過程を確認し、「なぜ2で割るのか」を説明できるようにしておくと、条件が変わった問題にも対応しやすくなります。

2.消去算の考え方

消去算とは?

消去算は、2つのものを比べるときに、そろえやすい一方をそろえて計算する問題です。

たとえば、リンゴとみかんの値段を比べる問題や、ある人数のときの合計金額を比べる問題などで、「どちらか一方の数をそろえながら差を見る」という考え方を使います。

消去算のポイント

消去算で一方をそろえて差を見る考え方のイメージ

  • そろえやすい一方をそろえる
    台数・人数・個数など、簡単に倍にできる方をそろえてから差を比べます。
  • 求めたいものの差が分からない場合は、求めない方をそろえる
    直接知りたい方をそろえにくいときは、あえて「求めない方」をそろえて差を出します。

消去算で難しくなるのは、単純な比較ではなく「式に代入してから解く」タイプや、数量関係が2段階・3段階になっている問題です。動画でも考え方の流れを確認し、何をそろえたのかを自分で説明できるようにしておきましょう。

3.過不足算の基本と図の使い方

過不足算とは?

過不足算の代表的なパターンのひとつに、「何人に何枚ずつ配ったら、何枚余った/足りなかった」というタイプの問題があります。

このとき、式だけで処理しようとせず、図を使って考えることで関係が整理しやすくなります。

過不足算のポイント

  • 「何枚配って、何枚余ったか/不足したか」を図にする
    1人あたりの枚数と、余り・不足の関係を横並びの図で表すとイメージしやすくなります。
  • 「余り」と「不足」が両方出てくる場合は、
    差は足し算で求めることができることを確認しておきましょう。
    (例:3枚余る場合と2枚足りない場合 → 差は3+2=5枚)

人食いイスの問題(イメージのしかた)

いわゆる「人食いイス」のような問題では、イスを主人公に見立て、イスに何人ずつ座らせていくかを図にすると、「何人余る」「何人不足する」という関係を整理しやすくなります。

「人」だけを見るのではなく「イス」の側からも考えることで、配り方の違いによる人数の差が見えやすくなります。

4.差集め算と過不足算の違い

差集め算とは?

差集め算は、1つあたりの差がいくつ分集まると、全体の差になるかを考える問題です。

たとえば、1個あたり、1人あたり、1日あたりなどの差に注目し、その差が何個分・何人分・何日分あるのかを考えます。過不足算が「余る・足りない」という配り方の違いを整理するのに対して、差集め算は「1つあたりの差」と「全体の差」を対応させて考える点が特徴です。

過不足算と差集め算の見分け方

  • 余り・不足が問題文に出てくる場合は、過不足算として図に整理しやすい
  • 1つあたりの違いが積み重なる場合は、差集め算として考えやすい
  • どちらも「差」を使うため、式に入る前に「何と何の差なのか」を言葉で確認する

お子さまが混乱している場合は、最初から公式に当てはめるのではなく、「何の差を見ているのか」「その差が何個分あるのか」を一緒に確認すると理解しやすくなります。

図で整理する文章題を続けて練習したい場合

過不足算で「文章を読んでも図に置き換えにくい」と感じる場合は、別の文章題でも図に整理する練習をすると考え方を確認しやすくなります。次は旅人算|図で状況を整理する文章題を確認するへ進んでみてください。

5.普通のつるかめ算と差のつるかめ算

つるかめ算の基本(表で解く方法)

つるかめ算は、2種類のものの合計数と合計金額(または合計本数)から、それぞれの数を求める問題です。

「全部をAにした場合」「全部をBにした場合」など、仮定したときの合計を表に整理し、実際の合計との差を見ると、つるかめ算を「暗算の公式」ではなく「差に注目した問題」として理解しやすくなります。

差のつるかめ算との共通点

差のつるかめ算でも、冒頭の例題で確認したように、まず一方にそろえて考えます。普通のつるかめ算との違いだけを探すのではなく、「仮の状態を作る」「1つ置き換えたときの変化を見る」「実際の状態との差から個数を求める」という共通した流れを押さえておきましょう。

この流れが分かると、「差のつるかめ算」という名前だけで別の公式を覚える必要はなく、問題ごとに何が変化しているかを表で確認しやすくなります。

べんしょうのつるかめ算

べんしょうのつるかめ算では、マイナスが0になるところから考えるのがポイントです。

  • ある量を1ずつ増やす/減らすときに、合計がどのように変化するかを表にする
  • 「差」に注目しながら、「ちょうど0になるところ」を探す

という流れを踏むことで、式だけで解くよりも変化を捉えやすくなります。

表に整理する練習を続けたい場合

つるかめ算で「条件を表にして変化を見る」方法がまだ難しい場合は、場合の数でも表を使って整理する練習ができます。場合の数|表に整理する考え方を確認するへ進むと、条件を一つずつ整理する練習を続けられます。

式が立てられないときは、問題文の読み取り方も確認

特殊算の考え方は分かっていても、実際の問題になると「何を式にすればよいか分からない」という場合があります。そのときは、特殊算の公式を増やすよりも、問題文の数量関係を言葉や図に置き換える練習を先に行う方が整理しやすいことがあります。

まとめ:特殊算は「何の差を見るか」を整理しよう

和差算・消去算・過不足算・差集め算・つるかめ算では、いずれも「差」が重要ですが、見るべき差は少しずつ異なります。

  • 和差算:2つの数の「和」と「差」を線分図で整理する
  • 消去算:一方をそろえたときに残る差を見る
  • 過不足算:配り方による「余り・不足」の差を見る
  • 差集め算:1つあたりの差が何個分集まるかを見る
  • つるかめ算:全部を一方にそろえた場合と実際の合計との差を見る
  • 差のつるかめ算:1つ置き換えたときに全体の差がどれだけ変わるかを見る

特に差のつるかめ算では、全部を一方にそろえる → 1つ置き換えたときの変化を見る → その変化が何回分あるかを考える、という順番を意識してみてください。式を覚えるだけでなく、図や表を自分で作って説明できる状態を目指すことが大切です。

よくある質問

差のつるかめ算は、普通のつるかめ算と別の単元ですか?

基本の考え方はつるかめ算と同じです。全部を一方にそろえた場合を考え、1つ置き換えたときに合計や差がどれだけ変化するかを確認します。「差」という言葉だけに注目するのではなく、表で変化を整理することが大切です。

過不足算と差集め算の違いは何ですか?

過不足算は、「何個余る」「何個足りない」という配り方の違いを整理する問題です。差集め算は、1つあたりの差が何個分集まって全体の差になるかを考える問題です。どちらも差を使いますが、過不足算は余り・不足、差集め算は1つあたりの差に注目すると見分けやすくなります。

和差算とつるかめ算はどう違いますか?

和差算は、2つの数の合計と差が分かっているときに、大きい方と小さい方を求めます。つるかめ算は、2種類のものの合計数と合計金額などから、それぞれの数を求めます。和差算は線分図、つるかめ算は表で整理すると考えやすくなります。

小5で特殊算が苦手な場合、どの順番で復習すればよいですか?

まずは和差算で線分図に慣れ、次に消去算・過不足算で「そろえる」「余り・不足を見る」練習をします。その後、差集め算やつるかめ算で、1つあたりの差や表の使い方を確認すると進めやすくなります。式だけでなく、図や表を自分で描けるかも確認してみてください。

次に学習するページ

この記事の内容を確認したあとは、すべての関連記事を読む必要はありません。今回難しかったところに合わせて、次の1ページを選ぶと復習しやすくなります。

今回難しかったところ 次に確認するページ
表に条件を整理するのが難しい 場合の数|表に整理する考え方を確認する
文章から図を作る練習を続けたい 旅人算|図で整理する文章題を確認する
公式だけでなく、数量の関係を整理する練習を続けたい 速さの公式とはじき計算|図と単位に注意して整理する
同じH51系列を続けて確認したい 概数とは|H51系列の基本確認を続ける

サピックス小5算数の授業前チェックを単元別に確認したい場合は、サピックス小5算数 15分まとめから必要な単元を選べます。

小5算数をまとめて復習したい場合

この記事は、特殊算の考え方を確認するための解説記事です。一方、「特殊算だけでなく、小5の文章題・図形・場合の数・速さ・比までまとめて復習したい」という場合は、単元ごとの確認だけでなく、小5全体の復習内容を見ておく方法もあります。

小6前に小5算数をまとめて確認したい場合

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この動画と本文は、サピックスに通う小学5年生で、算数に苦手意識がある生徒さんが、授業前や復習時に基本を確認しやすいようにまとめたものです。

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