点の移動と三角形の面積【510-12】

サピックス5年生の「点の移動と三角形の面積」|図に書く順番と底辺比の考え方

点の移動と三角形の面積は、サピックス5年生の算数でも「図形の変化をどう見るか」が問われる単元です。

  • 点が動くと、図形の形や大きさがどう変わるのかイメージできない
  • 高さが分からない三角形の面積を、どう求めればよいか分からない
  • 図に書いているつもりでも、どの長さが変わったのか整理できない

このようなつまずきが起こりやすい分野でもあります。

点の移動の問題では、動いたあとの図形を頭の中だけで追うと苦しくなりやすいです。大切なのは、問題文どおりに図へ書き込み、どの三角形の高さが同じままなのかを見つけることです。

このページでは、サピックス小5算数で扱う「点の移動」と「三角形の面積」の関係を、基礎から整理します。特に、点をどの順番で図に書くか、高さが等しい三角形をどう見つけるか、底辺比で面積をどう考えるかを確認していきます。

このページで最初に押さえること

点の移動問題では、次の3つを順番に確認すると整理しやすくなります。

  1. 点を問題文どおりに図へ動かす
  2. 高さが同じままの三角形を探す
  3. 底辺が何倍になったかで、面積の変化を考える

本文では、この3つの見方を使って、点の移動と三角形の面積の関係を確認します。

1.点の移動問題は「図に書く順番」で整理する

点の移動の問題では、「点がどのように動くか」と「それによって三角形や四角形の面積がどう変わるか」をセットで考えることが大切です。

基本の解き方:とにかく図にやってみる

点の移動の問題の基本は、問題文に書かれていることをそのまま図で再現することです。頭の中だけで動きを追うのではなく、点の位置、通った道すじ、できた図形を図に書き込んでいきます。

  • まずは問題文どおりに点を動かして図に描く
  • 点がどの辺の上を動くのかを確認する
  • 移動したあとにできる三角形や四角形を、図の中で囲んでみる
  • 「頭の中だけで考えよう」とせず、実際に線を引いたり、位置を移したりしてみる

点の移動が苦手な場合、計算力よりも先に、図の中で何が変わっているのかを見つける力が必要になります。

図に書き込むときの順番

図形単元では、図がきれいに描けているかよりも、必要な情報を順番に書き込めているかが大切です。点の移動の問題では、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

  1. 動く点が、どの辺の上を移動するのかを確認する
  2. 出発点と到着点を図に書き込む
  3. 何cm動いたのか、または何秒後の位置なのかを書き込む
  4. その時点でできる三角形や四角形を線で囲む
  5. 底辺として見られる部分と、高さが変わらない部分を確認する

手元のテキストやノートの図に書き込むときは、移動前の点、移動後の点、底辺として見る部分をそれぞれ印で分けておくと、どの長さが変化したのかを確認しやすくなります。

この順番で書くと、「点が動いたから面積が変わった」というだけでなく、どの底辺がどれだけ変わったから面積が変わったのかまで見えやすくなります。

短い例:点Pが辺の上を動くときの見方

たとえば、点Pが辺ABの上を動き、点Pと別の頂点Cを結んで三角形を作る場面を考えます。

点Cの位置が変わらず、点Pだけが辺ABの上を動くなら、この例では底辺をAPとして見ることで、三角形の変化を整理できます。点Cから辺ABまでの高さは変わらないため、三角形の面積がどう変わるかは、APの長さがどう変わったかに注目して考えられます。

例:APが4cmから6cmになったら?

点Pが辺ABの上を動き、APが4cmから6cmになったとします。点Cから辺ABまでの高さが変わらない場合、移動前と移動後の三角形は高さが同じです。

  1. 移動前の底辺APは4cm
  2. 移動後の底辺APは6cm
  3. 底辺の比は4:6=2:3
  4. 高さが同じなので、面積の比も2:3

つまり、高さそのものが何cmか分からなくても、点Pが動いたことで底辺がどう変わったかを見れば、面積の変化を考えられます。

点の移動問題では、いきなり面積を計算しようとするのではなく、まず「点Pはどこまで動いたか」→「どの底辺が変わったか」→「高さは同じか」の順番で確認します。

高さが同じだと分かれば、面積の変化を底辺の変化として考えられます。この見方が、後で確認する「高さが等しい三角形では、面積の比=底辺の比」という考え方につながります。

点の移動で意識したいポイント

  • 点が移動する前後で、どの線の長さが変わり、どの長さは変わらないかを意識する
  • 「同じ高さのまま動いているか」「底辺の長さだけ変わっているか」など、高さと底辺の変化を見る
  • 移動の途中でできる図形に注目して、既に知っている面積公式に持ち込めないかを考える

特にサピックスの問題では、1回の移動だけでなく、時間とともに点が動き続ける設定も出てきます。その場合も、「今この瞬間はどんな三角形ができているか?」を図に描きながら追いかけていくことが大切です。

点の移動は「図形」と「速さ」の橋渡しになる

点が一定の速さで動く問題では、時間が進むにつれて底辺の長さが変わり、それに合わせて面積も増えたり減ったりします。

つまり、点の移動は図形単元でありながら、速さ・時間・変化の考え方にもつながります。図形だけを見ているつもりでも、実際には「何秒後にどれだけ動いたか」「そのとき面積はどう変わったか」を考える問題になっていることがあります。

「何秒後に何cm進むか」が分からない場合

点の位置を求める段階で分からなくなる場合は、図形より先に速さの基本を確認すると整理しやすくなります。

「点の位置は求められるが、そこから面積を出せない」という場合は、そのまま次の「高さが等しい三角形」の考え方へ進みましょう。

2.高さが等しい三角形は、底辺比で面積を考える

点の移動とセットで重要なのが、「高さが等しい三角形の面積」に関する考え方です。

高さが分からない三角形でも、底辺の変化に注目することで面積を求められる場合があります。

高さが分からなくても面積は求められる

三角形の面積は、

面積 = 底辺 × 高さ ÷ 2

で求めます。

ただし、点の移動の問題では、高さそのものが分からないこともあります。そのようなときに大切なのが、高さが等しい三角形どうしを比べるという見方です。

  • 同じ直線上に底辺をとり、高さが等しい位置に頂点がある三角形は、面積の比が底辺の長さの比と同じになる
  • つまり、高さが分からなくても、底辺の長さの変化だけで面積の変化をとらえられる

この性質を活用していくのが、この単元の大きなポイントです。

高さが等しい三角形の面積の関係

高さが同じ三角形どうしについて、次のような事実を押さえておきましょう。

  • 面積 = 1/2 × 底辺 × 高さ
  • 高さが同じ三角形どうしでは、高さが共通になる
  • そのため、面積の比 = 底辺の長さの比となる

この性質を使うことで、次のような問題を高さを求めることなく整理できます。

  • 底辺がどれだけ伸びたか・縮んだか
  • ある三角形の面積と底辺の長さが分かっているときの、別の三角形の面積
  • 点が動いたあとにできる三角形の面積の変化

短い例で確認:底辺だけが変わるとき

先ほどの点Pの例と同じように、高さが同じ三角形では、底辺の変化をそのまま面積の変化として考えられます。

比べる内容 考え方
底辺が半分になった 高さが同じなら、面積も半分になる
底辺が3/4倍になった 高さが同じなら、面積も3/4倍になる
底辺が2倍になった 高さが同じなら、面積も2倍になる

このように、高さが共通なら「底辺が何倍になったか」を見れば、「面積が何倍になったか」も分かります。

ここで大切なのは、高さを毎回求めようとしないことです。高さが同じだと分かれば、面積の変化は底辺の変化だけで考えられます。

底辺比のところで分からなくなる場合

「2:3なら面積も2:3」という関係そのものがまだ使いにくい場合は、点の移動を続ける前に比の問題の解き方で、比の基本的な考え方を確認しておくと整理しやすくなります。

「底辺が縮んだ分だけ面積が減る」という発想

高さが等しい三角形の場合、底辺が縮んだ分だけ面積も比例して減ります。反対に、底辺が伸びれば面積も比例して増えます。

  • 底辺が半分になれば、面積も半分になる
  • 底辺が3/4倍になれば、面積も3/4倍になる
  • 底辺が2倍になれば、面積も2倍になる

この考え方を持っておくと、点の移動問題で面積を時間の変化とセットでとらえるときにも役立ちます。

点の移動と「高さの等しい三角形」の組み合わせ

点の移動の問題では、次のような設定がよくあります。

  • 点が辺の上を一定の速さで動く
  • 点の移動に合わせて、三角形の底辺の長さが変わる
  • 一方で、高さは一定のままになっている

このような場合、「高さが同じだから、面積の変化は底辺の変化だけ見ればよい」という考え方が非常に有効です。

わざわざ高さを求める式を作らなくても、面積の増え方・減り方を素早く把握できます。

補足:動画講義で点の移動を確認する

ここまで確認した「点を図に書く」「高さが同じ三角形を探す」「底辺比で面積を考える」という見方を、動画でも短く整理できます。本文で解き方の流れを確認したうえで動画を見ると、問題演習に入りやすくなります。

この動画は、サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに「授業に入る前に見ておいてほしいポイント」をまとめた内容です。
重要な部分だけを絞ったコンパクトな講義となっていますので、基本事項の復習にご活用いただければ幸いです。
※本動画は、サピックスで使用されているテキストそのものの解説ではありません。あらかじめご了承ください。

動画を見たあとに確認したいポイント
  • 点が動いたあと、どの辺を底辺として見るのか
  • 高さが変わらない三角形を見つけられるか
  • 底辺が伸びた分・縮んだ分を、面積の変化として考えられるか

動画を見ても「何秒後の位置」を求めにくい場合は速さ・時間・道のりの関係を、「底辺の比から面積の比へ進むところ」が分かりにくい場合は比の問題の解き方を先に確認してみてください。

3.よくあるつまずきと見直しポイント

点の移動と三角形の面積では、答えの計算そのものよりも、図の見方でつまずくことがあります。家庭学習で見直すときは、次の点を確認してみてください。

つまずき 確認したいこと
点がどこに移動したか分からない 問題文の順番どおりに、点の位置を図へ書き込めているか
どこを底辺にすればよいか分からない 面積を比べたい三角形で、共通の高さを見つけられているか
高さが分からず解き進められない 高さを求める前に、底辺比だけで考えられないか
時間が出てくると混乱する 何秒後に点が何cm動いたかを、先に整理できているか

特に、点が一定の速さで動く問題では、図形の問題に見えても速さの整理が必要になることがあります。

つまずき方に合わせて次に確認したいページ

点の移動で解き方が分からない場合は、どこで分からなくなったのかによって復習する内容を分けると、戻る単元を選びやすくなります。

4.サピックス5年生のための学習の進め方

点の移動と三角形の面積の単元を、サピックスのカリキュラムに合わせて身につけるには、次のようなステップで確認していきます。

  1. 本文と動画で、点がどのように動くか・三角形の底辺や高さがどう変わるかのイメージをつかむ
  2. 本ページの内容をノートにまとめ、「点をそのまま図に動かしてみる」「高さが同じ三角形は底辺で面積比較」という基本方針を書き出しておく
  3. 基本問題では、必ず問題文どおりに点を動かして図を描く練習をくり返す
  4. 応用問題では、「高さが等しい三角形を見つけられないか」を意識して図形を分解・整理する
  5. 時間と速さが関係する問題では、点が何秒後にどこまで進むかを先に確認する

重要なのは、「面積=1/2×底辺×高さ」の公式を、そのまま計算するだけで終わらせないことです。

高さが一定であれば、面積の変化は底辺の変化だけで決まる、という視点を持つことで、点の移動の問題が整理しやすくなります。

小5のうちに図形・速さ・比をまとめて見直したい場合

点の移動は、図形だけでなく速さや比の考え方にもつながります。個別の関連単元を確認してもつながりが整理しにくい場合は、小6に上がる前に図形・場合の数・速さ・比をまとめて見直す方法もあります。

小5算数マスター講座|小6前に図形・場合の数・速さ・比を総復習する

5.当塾でのSAPIX対策

サピックス算数の特徴と当塾の方針

サピックスの図形単元では、「図を描く力」「変化を見抜く力」が重要になります。

特に、点の移動と三角形の面積は、次のような学習につながる分野です。

  • 平面図形の応用
  • 等積変形や面積比の考え方
  • 速さや時間変化を含む問題
  • 面積の増減をグラフ的にとらえる考え方

当塾では、

  • サピックスのカリキュラムに合わせて、点の移動・等積変形・三角形の面積を段階的にフォロー
  • 動画+演習で、「図にそのままやってみる」「高さが同じ三角形を探す」といった具体的な解き方を定着
  • 入試レベルの図形問題にもつながるよう、面積の変化を式・図・言葉で説明できる力を養う

といった方針で、サピックスに通塾しているお子さまの図形分野の土台づくりをサポートしています。

家庭学習で確認したい3つのサイン

点の移動は、授業では分かったように見えても、家庭で解き直すと解き方が分からなくなりやすい単元です。次のような状態が続く場合は、単元そのものの理解だけでなく、図の書き方や復習の順番を見直す必要があります。

  • 解説を聞くと分かるが、自分では図に書き込めない
  • 高さが同じ三角形を見つける前に、すぐ計算しようとしてしまう
  • 時間や速さが加わると、面積の変化を追えなくなる

このような場合は、点の移動だけを単独で復習するよりも、図形・速さ・比のつながりを意識して整理した方が学習しやすくなります。

SAPIX対策や学習方法をさらに確認したい場合

SAPIXの学習の特徴については、SAPIX算数の特徴と学習上の注意点をご覧ください。

当塾でのSAPIX対策については、当塾のSAPIX対策ページで詳しくご案内しています。

関連単元を復習しても図形単元のつまずきが残る場合や、授業後の復習が追いつきにくい場合は、中学受験算数のオンライン個別指導もご確認ください。

6.よくある質問

点の移動の問題は、最初に何をすればよいですか?

まず、問題文どおりに点の動きを図へ書き込みます。点がどの辺の上を動くのか、移動後にどの三角形や四角形ができるのかを確認してから、面積の変化を考えます。

高さが分からない三角形の面積はどう考えればよいですか?

高さが等しい三角形どうしであれば、面積の比は底辺の長さの比と同じになります。高さを直接求める前に、底辺の変化だけで面積を比べられないかを確認します。

点の移動が速さの問題と関係するのはなぜですか?

点が一定の速さで動く場合、時間が進むにつれて点の位置が変わり、三角形の底辺や面積も変化します。そのため、図形の問題でありながら、速さや時間の整理が必要になることがあります。

図解がないときはどう復習すればよいですか?

問題文を読みながら、手元の図に出発点、移動後の点、動いた長さ、できた三角形を順番に書き込みます。そのうえで、底辺として見る部分と高さが変わらない部分を確認すると、面積の変化を追いやすくなります。

家庭学習ではどこを確認すればよいですか?

答えが合っているかだけでなく、図に点の動きを書けているか、高さが同じ三角形を見つけられているか、底辺の変化を面積の変化として説明できるかを確認するとよいです。

まとめ:点の移動と「高さが等しい三角形」の考え方をセットで身につけよう

  • 点の移動の問題は、「問題文どおりに点を動かして図に描く」ことが基本。頭の中だけで考えず、図に書いて確認する。
  • 高さが分からない三角形でも、高さが等しい三角形どうしなら、面積の比は底辺の比で考えられる。
  • 高さが等しい三角形では、底辺が縮んだ分だけ面積も比例して減るという考え方が重要。
  • 点の移動+三角形の面積の問題では、「どの三角形の高さが共通か」「底辺がどう変化しているか」に注目する。
  • 時間が出てきたら速さ、底辺比が分からなければ比というように、つまずいている単元まで戻って確認すると整理しやすい。

動画と本ページを組み合わせながら、点の移動と高さの等しい三角形の考え方を、問題演習で使える形にしていきましょう。

次に読むページを、つまずきに合わせて選ぶ

この記事を読んだあとも解き方が分からない場合は、分からなかったところに合わせて次のページを確認してみてください。

関連単元を復習しても定着しにくいと感じている方へ

※状況を整理するための判断材料です。

  • 授業を聴いて帰ってきたはずだが、翌日に解き方が残らない
  • 図形問題で、どこを底辺や高さとして見るのかが毎回あいまいになる
  • 宿題と直しが回らず、点の移動や面積比の単元が積み残しになっている
  • 小5のうちに、図形・速さ・比の弱点を整理しておきたい

小5範囲をまとめて復習したい場合は、小5算数マスター講座をご確認ください。個別に学習状況を見てもらう必要があるか判断しにくい場合は、まず判断材料を確認できます。

複数の講座から学習方法を比較したい場合は中学受験算数の講座一覧をご覧ください。学習状況を個別に確認したい場合は、お問い合わせフォームから相談できます。

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