510-11 立体図形(2)
サピックス5年生のための「水そうとグラフ・容器をかたむける」基礎整理
水そうとグラフの問題や、容器をかたむける問題は、サピックス5年生の算数の中でも「図形」と「割合」「速さ(変化の速さ)」が一気に絡んでくる単元です。
グラフが出てきた途端に、「何を読み取ればいいのか分からない」「線が折れ曲がる理由が分からない」と感じるお子さんも少なくありません。
このページでは、動画の内容に沿って、
- グラフの読み取りの基本
- 水そうとグラフのつなげ方
- 容器をかたむける問題での「平均の高さ」の考え方
を、授業前後の予習・復習用に整理しました。
「なぜグラフが折れ曲がるのか」「図とグラフをどのように対応させるのか」を意識して読み進めてみてください。
動画講義:水そうとグラフ・容器をかたむける
この動画は、サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに「授業に入る前に見ておいてほしいポイント」をまとめた内容です。
重要な部分だけを絞ったコンパクトな講義となっていますので、基本事項の復習にご活用いただければ幸いです。
※本動画は、サピックスで使用されているテキストそのものの解説ではありません。あらかじめご了承ください。
1.グラフの読み取り:なぜ折れ曲がるのかを考える
まずは、どんなグラフ問題にも共通する「読み取り方の視点」から確認していきます。
グラフの基本的な見方
元記事では、
「グラフを見る時は、『なぜグラフが折れ曲がっているのか?』を考えましょう。」
と説明されています。これは、単に点を読むだけでなく、グラフの「変化」から出来事を読み取るという意味です。
- グラフが右上がり:時間がたつほど量(高さ・距離・水の量など)が増えている
- グラフが水平:増えも減りもしていない(変化していない区間)
- グラフが急に上がる:短い時間で大きく増えている(変化が大きい)
- グラフがなだらかに上がる:ゆっくり増えている
「折れ曲がり」=状況が変わった瞬間
グラフが折れ曲がるところは、たいてい何かの条件が変わった瞬間です。
- 水そうの問題なら…水を入れる速さが変わった/一度止めた/別の蛇口を開けた など
- 移動の問題なら…歩く速さを変えた/途中で休んだ/乗り物に乗り換えた など
つまり、
- グラフの折れ曲がり=問題文のどの場面に対応しているか
- 折れ曲がる前後で、変化のしかた(速さ・増え方)がどう変わったか
をセットで考えることが大切です。
「折れ曲がる理由」を説明できるかどうかが、グラフ問題を理解できているかの目安になります。
2.水そうとグラフ:図とグラフを結びつける
次に、水そうの問題とグラフを組み合わせた問題を見ていきます。
ここでは、
- 正面図をかくこと
- 底面積・高さ・体積・時間を書き込むこと
- グラフから「何分で何cm増えたか」を読み取ること
がポイントです。
必ず「正面から見た図」をかく
元記事では、
「水そうの問題は正面から見た図をまずかきましょう。」
とあります。上からの図だと、水面の高さの変化が分かりにくいため、水そうの縦の高さが分かる向きで描くことが大切です。
図に書き込むべき4つの情報
図を書く際は、次の4つをしっかり書き入れましょう。
底面積、高さ、体積、時間
- 底面積:水そうの底の広さ(長方形・正方形・円など)
- 高さ:水そうの高さ、またはwater level(水面)の高さ
- 体積:入っている水の量(cm3やLなど)
- 時間:水を入れ始めてからの時間、止める時間、満水になるまでの時間 など
これらを図の周りにメモしておくことで、グラフと図の情報を対応させやすくなります。
グラフに「何分で何cm増えたか」を書き込む
元記事ではさらに、
「また、グラフを読むときに何分で何cm増えたのか確認してグラフに書き込んでいくことも大切です。」
と説明されています。
- 例えば、ある区間で5分間で水位が10cm上がっている→ 1分あたり2cm増える
- 別の区間では2分間で6cm上がっている→ 1分あたり3cm増える
というように、
- 「時間の変化」(横方向)
- 「高さの変化」(縦方向)
をセットでチェックし、その区間ごとの増え方(変化の速さ)をグラフの近くにメモしておくと、
- どの区間で水の入れ方が変わったのか
- どの区間の情報を使って計算すればよいのか
が非常に分かりやすくなります。
3.容器をかたむける問題と「平均の高さ」
容器をかたむける問題は、一見すると形が複雑に見えるため、苦手意識を持ちやすい単元です。
しかし、元記事で紹介されているように、「平均の高さ」という共通の考え方を使うことで、多くのパターンに対応できるようになります。
容器をかたむける問題の基本的な視点
元記事には、
「容器をかたむける問題は『平均の高さ』に注目して解きましょう。」
とあります。これは、
- 容器をかたむけて水面が斜めになっているときでも、
- 容器を元の水平な状態に戻して考えると、
- 水の量は同じなので、「水の平均の高さ」が分かる
という考え方です。
「かたむいた容器を元に戻す」イメージ
元記事では、
「容器をかたむける問題は色々なパターンがありますが、まずは色々な問題に通用する考え方として、かたむいている容器をもとに戻してみると、高さの平均が分かるので、『平均の高さ』を意識するようにしましょう。」
と説明されています。
- 容器を傾けても水の体積は変わらない
- 「傾ける前」と「傾けた後」で、底面積は同じ
- したがって、体積 = 底面積 × 平均の高さ の関係が成り立つ
という事実を利用して、
- 「水面が斜めになった状態」→「水平に戻したときの平均の高さ」
- 「底面積」×「平均の高さ」→水の体積
という流れで考えるのがポイントです。
容器をかたむける問題で意識したいこと
- 図を描いて、どこが一番高く、どこが一番低いかを確認する
- 「平均の高さ」を使って、体積や水位の変化を考える
- どのパターンの問題でも、「元の形に戻して考えられないか」を一度考えてみる
この「平均の高さ」の考え方は、水そうの問題全般にも広く応用できる考え方なので、早めに慣れておくと後々の学習が楽になります。
4.サピックス5年生の学習への活かし方
水そうとグラフ、容器をかたむける問題は、サピックスの算数でも頻出かつ差がつきやすい単元です。算数が苦手なお子さんは、次のような流れで学習することをおすすめします。
- 動画を見て、「なぜグラフが折れ曲がるのか」「平均の高さとは何か」といったイメージをつかむ
- 本ページの内容をノートにまとめ、図に書き込むべき情報(底面積・高さ・体積・時間)を自分で整理する
- 教科書・テキストの基本問題で、必ず正面図をかく→グラフに「何分で何cm」を書き込むという手順をくり返す
- 容器をかたむける問題では、毎回「元の水平な状態に戻したらどう見えるか」をイメージして平均の高さを考える
「なんとなくグラフを読む」「なんとなく計算する」ではなく、図とグラフを対応させながら意味を考える習慣をつけることで、応用問題への対応力が確実についていきます。
当塾でのSapix対策
サピックス算数の特徴と当塾の方針
サピックスの算数は、図で考える力・グラフを読み解く力・状況を整理する力が強く求められるカリキュラムです。
特に、水そうとグラフ・容器をかたむける問題は、
- 立体図形・割合・速さ・グラフ
といった、今後の重要単元と深くつながるテーマです。
当塾では、
- サピックスの進度に合わせて、つまずきやすい図形・グラフの単元を事前にフォロー
- 動画と個別指導を組み合わせ、「正面図をかく」「グラフに変化量を書き込む」といった具体的な解き方を定着
- 容器をかたむける問題や水そうグラフを、入試レベルの応用問題につながる形で整理
といった方針で、サピックスに通塾しているお子さまの算数学習をサポートしています。
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まとめ:図とグラフを結びつけて「水そう・容器かたむけ」問題を攻略しよう
- グラフを見るときは、「なぜ折れ曲がっているのか」を必ず考える。折れ曲がりは条件が変わった合図。
- 水そうの問題は、まず正面から見た図をかき、「底面積・高さ・体積・時間」を書き込むところからスタート。
- グラフを見るときは、各区間ごとに「何分で何cm増えたか」を確認し、グラフの近くにメモしておく。
- 容器をかたむける問題は、「平均の高さ」に注目し、かたむいた容器を水平な状態に戻したイメージで考える。
- 水の体積は、常に体積=底面積×高さ(または平均の高さ)の考え方で整理できる。
- 図とグラフを対応させて意味を考える習慣がつけば、水そうとグラフ・容器をかたむける問題は大きな得点源になる。
動画と本ページをくり返し活用しながら、グラフの折れ曲がりの意味や平均の高さのイメージを自分のものにしていきましょう。
それが、サピックス算数だけでなく、中学受験全体で通用する「図とグラフに強い子」への近道です。



