中学受験算数の文章題対策──「読めない・解けない」を抜け出す読み方と考え方
このページでは、中学受験算数で多くの受験生がつまずきやすい「さまざまな種類の文章題」への対策をまとめています。文章を正しく読み取る力、図やグラフを使って整理する力、自分の言葉で説明する力を身につけることで、文章題への苦手意識は必ず軽くしていくことができます。日々の学習で意識したいポイントを、具体的に整理して解説します。
中学受験算数における様々な種類の文章題対策
中学受験で必須となる算数の文章題には、割合・速さ・仕事算・場合の数・図形・資料の活用など、実にさまざまな種類があります。そのため、
- 問題文を読むだけで疲れてしまう
- 何を聞かれているのか分からなくなる
- 計算はできるのに文章題になると手が止まる
といった悩みを抱える受験生は少なくありません。
こうした文章題を克服するためには、やみくもに問題数をこなすのではなく、「読み取り」「整理」「説明」の3つの力をバランスよく鍛えていくことが大切です。
文章を正しく理解する
文章題を解くうえで最初の壁になるのが、問題文の理解です。特に、算数特有の言葉や、中学受験でよく使われる用語に慣れていないと、何を計算すればよいのか判断できなくなってしまいます。
文章題を克服していくには、次のような意識が重要です。
- 分からない言葉・言い回しはその場で調べて意味を正しく覚える
- ただ読むのではなく、「この文は何を言っているのか?」を意識して読む
- 「何が与えられていて」「何を求めるのか」を線を引いたりメモしたりして整理する
算数の文章題には多くの種類がありますが、どの分野でも共通して必要なのは、
正確に内容を理解し、正しく文章を読み取る力です。
この「読み取る力」が身についてくると、問題の種類が変わっても戸惑いにくくなり、文章題全体への苦手意識も減っていきます。
図やグラフを用いて整理する
文章だけを頭の中で処理しようとすると、多くの情報を同時に覚えておかなければならず、途中で混乱しやすくなります。そこで有効なのが、図やグラフを使って情報を「見える形」にすることです。
例えば、
- 割合や比の問題 → 棒グラフ・帯グラフ
- 人数や重なり → ベン図
- 変化のようす → 折れ線グラフ
- 量の分け方・経路 → 線分図・図形・経路図
文章を読み解きづらいときには、円グラフや棒グラフなどに置き換えると一気に分かりやすくなることがよくあります。文字だけで追いかけて分かりにくい内容も、
- 図に書き出す
- 表に整理する
- 簡単なイラストでイメージをつかむ
といった工夫をすることで、情報の関係がはっきり見えてきます。
日ごろから、
「まず図やグラフで表してみる」クセをつけることが、文章題克服への近道です。
自分の言葉で「説明してみる」
中学受験の難関である算数の文章題を本当に得意にするためには、その問題に対する説明を自分の口でできるようになることが理想です。
誰かに説明するためには、
- どんな問題だったか
- 何が分かっていて、何を求めたのか
- なぜその式・図で解けるのか
を自分の頭の中で整理しておく必要があります。つまり、
「説明できる=きちんと理解できている」ということです。
勉強するときには、次のような練習がおすすめです。
- 解説を読んだあと、自分の言葉でノートに「解き方の流れ」を書いてみる
- 保護者の方や先生、ぬいぐるみなどに向かって「この問題はね…」と声に出して説明してみる
- 間違えた問題こそ、「どこで勘違いしたか」を説明してみる
さまざまな種類の文章題について、「自分で説明できる」状態にまで理解が進めば、その単元はかなり得意になってきたと言えます。
まとめ:文章題克服の3つのポイント
中学受験の算数における文章題は、単に計算練習を増やすだけではなかなか克服できません。次の3つのポイントを意識して学習を進めていきましょう。
- ① 文章を正しく理解する
分からない用語や言い回しをそのままにせず、調べて意味を押さえる。
「何が分かっていて、何を聞かれているのか」を意識しながら読む習慣をつける。 - ② 図やグラフで整理する
棒グラフ・円グラフ・線分図などを活用し、文章の情報を「見える形」に変える。
文字だけで考えず、図・表・グラフで置き換えるクセを日常的につける。 - ③ 自分で説明してみる
解けた問題も間違えた問題も、「なぜそうなるのか」を自分の言葉で説明する。
説明できるようになれば、その単元の理解は一段階深まっている証拠。
文章題は、文章を正しく読み取り、図やグラフを使って整理し、自分の言葉で説明できるようになることで、着実に苦手を克服していくことができます。日々の勉強の中で、ぜひこれらのポイントを意識して取り組んでみてください。


