中学受験における算数、文章題の勉強法

中学受験の算数を勉強していると、計算問題はスムーズに解けるのに、文章題になると急に手が止まってしまうお子さんは少なくありません。問題文が目に入っただけで「難しそう…」と感じてしまい、最初から身構えてしまうこともあります。
こうした苦手意識を和らげるためには、日頃から文章題に触れ、解く習慣をつけることがとても重要です。本ページでは、算数の文章題が苦手になる原因と、その克服につながる具体的な勉強法を整理してご紹介します。

中学受験における算数・文章題の勉強法の基本

中学受験で算数の勉強を進めていると、文章題に対して苦手意識を持つお子さんは珍しくありません。
しかし、文章題も正しいステップで練習を重ねることで必ず克服できる分野です。まずは、文章題の学習で押さえておきたい基本的な考え方を整理しておきましょう。

  • 文章題は「慣れ」が非常に重要(日常的に触れることで抵抗感が減る)
  • 分からない問題をそのまま放置しない姿勢が合否を左右する
  • 文章の内容を正確に理解する力=読解力が問われる

算数の文章題が苦手になる主な原因

文章題が「なんとなく苦手」という状態の裏側には、次のような原因が隠れていることが多くあります。

  • 分からない問題をそのままにしてしまい、「なぜ分からないのか」を振り返っていない
  • 一度解けた問題でも、理解があいまいなまま先に進んでしまっている
  • 文章の内容や言葉の意味、単位などを正確に理解できていない

これらの原因を一つひとつ解消していくことが、文章題克服への近道になります。

文章題を克服するための具体的な勉強法

① 分からない原因を見つけて、必ず解決する

中学受験の算数で文章題の勉強をする際に最も大切なのは、「分からない原因をそのままにしない」ということです。

分からない問題にバツを付けただけで終わらせてしまうと、同じタイプの問題に出会ったときにまたつまずいてしまいます。これを繰り返すと、文章題全体に対する苦手意識が強くなり、結果として合格が遠のいてしまうことにもつながります。

そこで、まずは次のステップを徹底しましょう。

  • 間違えた問題・分からなかった問題にチェックを付ける
  • 解説をしっかり読んで理解する
  • 教科書やノートを振り返り、必要な知識を整理し直す
  • 「なぜその式になるのか」「なぜその考え方を使うのか」を言葉で説明できるようにする

この「原因を突き止めて解決する」という作業を繰り返すことで、文章題の土台となる考え方が少しずつ定着していきます。

② 同じ問題を繰り返し解き、理解を定着させる

中学受験の算数の文章題では、「一度理解したつもりでも、実はそこまで理解できていなかった」というケースが多く見られます。1回目でなんとなく正解してしまった問題ほど、理解が不十分なことも少なくありません。

そこで大切になるのが、問題集を繰り返し解くことです。

  • 間違えた問題だけでなく、「なんとなく解けた問題」も解き直す
  • 2回目・3回目と解く中で、自分の苦手なパターンを再認識する
  • 同じ単元の問題をまとめて復習し、考え方の流れを整理する

このように、繰り返し学習をすることで、知識や考え方が「分かったつもり」から「本当に使いこなせる状態」へと変わっていきます。

③ 文章の内容を正確に理解する力をつける

中学受験の算数の文章題を解くうえで、文章の内容をどれだけ正確に理解しているかは非常に重要です。文章題の内容を間違って読み取ってしまったり、そもそも言葉の意味が理解できていなかったりすると、どれだけ計算力があっても正解にはたどり着けません。

特に意識したいポイントは次の通りです。

  • 分からない言葉はその場で調べて意味を覚える
  • 算数に特有の表現(「~より~多い」「~を等しく分ける」など)に慣れておく
  • 単位(m、cm、km、L、mL、kg、g、分、時間など)を正しくイメージできるようにしておく

特に単位については、「どのくらいの大きさ・長さ・重さなのか」を具体的にイメージできると、文章題の理解がぐっとスムーズになります。

また、文章題を読み解くには、算数だけでなく読解力も必要です。日本語としての意味を正確にとらえる練習をしておくことで、「何を聞かれているのか」「どの数値を使うのか」が自然と見えてくるようになります。

日常学習で意識したいポイント

文章問題は、日ごろから解く習慣をつけることで少しずつ苦手意識を減らしていくことができます。日常の学習では、次のようなポイントを意識して取り組んでみましょう。

  • 毎日の学習の中に、少しでもよいので文章題の時間を組み込む
  • 間違えた問題は必ずチェックし、翌日以降に解き直す機会をつくる
  • 「分からない」をそのままにせず、解説・教科書・ノートで原因を探る
  • 問題文を声に出して読み、内容を自分の言葉で言い換えてみる

こうした地道な積み重ねが、やがて文章題全体への自信につながっていきます。

まとめ:算数の文章題は「原因分析」と「習慣化」で克服できる

  • 中学受験の算数の文章題は、最初は難しく感じても、正しい勉強法で必ず克服できる分野です。
  • 分からない問題をバツだけ付けて終わりにせず、原因をしっかり分析し、解説やノートで解決する姿勢が大切です。
  • 一度解けた問題も含めて、繰り返し解くことで理解を定着させましょう。
  • 文章の内容・言葉の意味・単位を正確に理解し、読解力を同時に鍛えることが文章題攻略の鍵です。
  • 日ごろから文章題に触れる習慣をつけることで、「難しそう…」という気持ちが少しずつ薄れ、落ち着いて問題に向き合えるようになります。

焦らず一つひとつの問題と向き合い、「なぜそう考えるのか」を大切にしながら学習を進めていきましょう。

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