比の文章題の解き方|中学受験算数でよく出る形を整理
比の文章題で苦しくなる子は、比の計算そのものよりも、何と何を比べているのか、どの数字が基準になっているのかを読むところでつまずきやすいです。
中学受験算数では、「3:2を簡単にする」だけの問題より、文章の中から比の関係を取り出し、線分図・表・式へつなげる問題が多く出ます。そのため、比の文章題では計算練習だけでなく、文章から関係を取り出す力が必要です。
このページでは、比の文章題でつまずきやすい子向けに、数字の抜き出し方、何と何の比かの見分け方、線分図や表の使い方、式との対応確認までを具体例つきで整理します。
比の文章題は、最初にここを見る
- 文章の数字をすべて抜き出す
- 何と何の比かを日本語で言う
- 全体・差・一方の量のどれが与えられているかを見る
- 必要なら線分図か表に置く
- 式が文章の意味と合っているかを最後に確認する
たとえば「男子と女子の人数の比が3:2で、全部で25人」という問題なら、先に 男子:女子=3:2、全体=25人 と書きます。比の和は5なので、5が25人に対応します。ここまで見えてから、1あたりを25÷5で求めます。
比の文章題で最初に見ること
比の文章題では、出てきた数字をすぐ計算に使うのではなく、まず数字の意味を確認します。数字には、比そのものを表すものと、実際の人数・長さ・金額・重さなどを表すものがあります。
- 比の数字:3:2、4:5、7:3 など
- 実際の量:25人、20cm、600円、180g など
- 関係を示す数字:全部で、差が、片方が、何倍 など
この区別があいまいなまま式を作ると、比の数字と実際の量を混同しやすくなります。まずは「これは比の数字」「これは実際の量」と分けて書くことが大切です。
短い具体例で確認する
次の問題で、比の読み方を確認します。
例題
男子と女子の人数の比は3:2です。全部で25人いるとき、男子は何人ですか。
この問題では、次のように見ます。
- 男子:女子=3:2
- 全部で25人
- 比の和は3+2=5
- 5が25人に対応する
- 1あたりは25÷5=5
- 男子は3あたりなので、5×3=15人
最後に、男子15人、女子10人なら、15:10=3:2になっているかを確認します。比の文章題では、答えを出したあとに、もとの比に戻して確かめることが大切です。
比の文章題が苦手になる理由
数式だけなら解けるのに、文章題になると手が進まない
指導の現場でよく見られるのが、比の計算問題なら解けるのに、文章になると式を作れなくなる状態です。
- 3:2を簡単にすることはできる
- 比例式の計算はできる
- しかし、文章から何を比べているのかを取り出せない
- 合計・差・一方の量のどれを使うかが見えにくい
この場合、計算力だけを増やしても改善しにくいことがあります。必要なのは、文章から比の関係を読み取り、数字の対応をつかむ練習です。
出てきた数字をそのまま使ってしまう
よくあるのは、文章に出てきた数字を見た順に式へ入れてしまうケースです。
たとえば「赤いリボンと青いリボンの長さの比が4:5で、青いリボンは20cmです」という問題で、4と20だけを使おうとすると、何が何に対応しているかがずれやすくなります。
この場合は、先に次のように書きます。
- 赤:青=4:5
- 青=20cm
- 青の5が20cmに対応
- 1あたりは20÷5=4cm
- 赤は4あたりなので、4×4=16cm
大切なのは、4:5のうち、どちらが20cmに対応しているかを見ることです。
全体・差・一方の量で見方が変わる
比の文章題では、与えられている実際の量が何を表すかによって、使い方が変わります。ここを分けて考えると、式を作りやすくなります。
全体が与えられている場合
「全部で」「合計で」と書かれている場合は、比の和を使います。
- 男子:女子=3:2
- 全部で25人
- 比の和は5
- 5が25人に対応
全体が与えられているときは、線分図で全体を一つにまとめると見やすくなります。
差が与えられている場合
「AはBより◯多い」「差が◯」と書かれている場合は、比の差を使います。
- 兄:弟=5:3
- 兄は弟より12個多い
- 比の差は5−3=2
- 2が12個に対応
この場合、比の和ではなく比の差を見る必要があります。合計問題と同じ感覚で処理すると間違えやすいので注意します。
一方の量が与えられている場合
「Aは20cm」「Bは600円」のように片方の量だけが分かっている場合は、その片方の比と対応させます。
- 赤:青=4:5
- 青=20cm
- 青の5が20cmに対応
このとき、赤の4ではなく、青の5と20cmを対応させることが重要です。
線分図と表の使い分け
比の文章題は、頭の中だけで処理しようとすると関係が見えにくくなります。必要に応じて、線分図や表を使います。
線分図が合う場合
線分図は、合計や差が出てくる問題で使いやすいです。
- 人数の比
- 長さの比
- 代金の比
- 差が与えられている問題
線分図では、比の1あたりを同じ長さで置きます。男子:女子=3:2なら、男子を3本分、女子を2本分として考えます。全体なら5本分、差なら1本分または2本分に注目します。
表が合う場合
表は、条件が複数ある問題や、変化の前後を比べる問題で使いやすいです。
- 前後で比が変わる問題
- 人数や金額が増減する問題
- 複数の量を並べて比べる問題
表にすると、「前」「後」「増えた量」「減った量」を同じ場所で見られます。比が途中で変わる問題では、線分図だけでなく表も使うと条件を落としにくくなります。
よくあるつまずき
- 「AとBの比」と「全体に対するAの割合」を混同する
- 比の順番を逆に読む
- 合計・差・増減の条件を見落とす
- 片方の量が与えられているのに、別の比と対応させてしまう
式を作った後に確認すること
数字と関係が整理できたら、式を作ります。ただし、式を作って終わりにせず、文章の意味と合っているかを必ず確認します。
- 求めているものは問題文と合っているか
- 比の和・差・一方の量のどれを使ったか
- 実際の量と比の数字が正しく対応しているか
- 答えをもとの比に戻しても成り立つか
たとえば、男子:女子=3:2で男子が15人、女子が10人なら、15:10=3:2です。このように、答えをもとの比へ戻して確かめると、計算だけでなく文章との対応まで確認できます。
家庭でできる短い練習
比の文章題を家庭で練習するときは、問題数を増やすよりも、1問ごとに「何と何の比か」を言えるかを確認します。
- 問題文の数字をすべて書き出す
- 数字の横に、人数・長さ・金額などの意味を書く
- 何と何の比かを声に出して言う
- 全体・差・一方の量のどれが与えられているかを見る
- 答えを出した後、もとの比に戻して確認する
特に、解説を読めば分かるのに自力では手が進まない子は、解く前の情報整理が不足していることがあります。答えを急がず、最初の書き出しを丁寧に行うことが大切です。
比の文章題に強くなるための練習の進め方
比の文章題は、題材が変わると別の問題に見えやすい単元です。人数、長さ、代金、水の量など、場面は変わっても、見るべき部分はかなり共通しています。
練習するときは、次のように段階を分けると進めやすくなります。
- 最初は、全体が与えられている問題を練習する
- 次に、差が与えられている問題を練習する
- その後、一方の量が与えられている問題を練習する
- 最後に、比が途中で変わる問題へ進む
最初から難しい問題を多く解くより、条件の見方を一つずつ分けて練習した方が、文章を読んだときの判断が安定しやすくなります。
授業で確認したいこと
比の文章題を授業で扱う場合は、答えが合っているかだけでなく、解く前に何を見ているかを確認することが重要です。
- 数字を正しく抜き出せているか
- 何と何の比かを言葉で説明できるか
- 全体・差・一方の量を区別できているか
- 線分図や表が、文章の意味と合っているか
- 式を作った後、文章に戻って確認できているか
比の文章題は、答えが合っていても、根拠があいまいなまま進んでいることがあります。授業では、どの数字がどの量に対応しているのかを説明できるかまで見ると、次の問題にもつながりやすくなります。
当塾での取り組み
当塾では、完全個別の1対1の授業で、比の文章題の苦手克服に向けた指導を行っています。
「式立てが苦手」「文章題になると手が進まない」といったお子さまには、次のように確認します。
- 文章の読み取りから一緒に確認する
- 数字の抜き出し方を練習する
- 線分図や表を、問題に合わせて使い分ける
- 式を作った後、文章との対応を確認する
- 理解度に合わせて問題の難度を調整する
当塾の授業の仕組みについては、夏井算数塾・個別指導はココが違う!をご覧ください。
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関連コラム
文章題全体の頻出テーマや解き方の整理は、文章題の解き方まとめ(全体像はこちら)もあわせて確認できます。
まとめ:比の文章題は対応を見れば解きやすくなる
- 比の文章題では、計算より前に「何と何の比か」を確認する
- 数字を抜き出すときは、人数・長さ・金額などの意味も一緒に書く
- 全体が与えられているなら比の和、差が与えられているなら比の差を見る
- 一方の量が与えられているなら、その量に対応する比の数字を確認する
- 線分図や表は、文章の関係を見える形にするために使う
- 答えを出した後は、もとの比に戻して確認する
比の文章題は、ひらめきだけで解く単元ではありません。文章の数字を抜き出し、何と何の比かを確認し、実際の量との対応を見ることで、少しずつ解きやすくなります。日々の学習では、答えを急がず、まず文章の読み取りと数字の対応を意識して取り組んでみてください。
お子さまの答案やノートを見ると、比の計算で困っているのか、文章の読み取りで困っているのかを確認しやすくなります。
- 授業を聞いた直後は分かるが、翌日に同じ形式で解けない
- 宿題の直しが作業になり、同じような問題でまた困る
- どの単元から確認すればよいか家庭だけでは決めにくい


