中学受験で算数の文章題の苦手を克服するコツ

中学受験の算数では、「計算はできるのに、文章題になると急に解けなくなる」というご相談を多くいただきます。文章題の苦手意識は放っておくとどんどん大きくなり、算数そのものへの自信を失ってしまうこともあります。本ページでは、文章題が苦手になる原因を整理しながら、家庭学習で今すぐ実践できる克服のコツを分かりやすくまとめました。

中学受験で算数の文章題の苦手を克服するコツ

中学受験で算数の文章題を苦手に感じているお子様は少なくありません。
文章題への苦手意識をなくし、算数でつまずかないように、日々の学習の中で少しずつ克服していきましょう。

なぜ算数の文章題が苦手になるのか

算数の文章題が難しく感じられる背景には、次のような要因が重なっているケースが多く見られます。

  • 文章の内容そのものが理解しづらい(話の流れを追うのに時間がかかる)
  • 算数特有の言い回しや単語の意味が分からない(「差」「割合」「比べる」といった語彙があいまい)
  • 頭の中で場面をイメージできない(状況が浮かばないため、式に落とし込めない)

このような「読み」「語彙」「イメージ」の3つの壁を一つひとつ崩していくことで、文章題は必ず解きやすくなっていきます。

苦手克服のための具体的なステップ

① 音読して文章の全体像をつかむ

計算は苦手ではないのに文章題が解けない場合、まずは文章を正しく理解できているかを確認することが大切です。その出発点としておすすめなのが、問題文の音読です。

音読をすることで、

  • 目からの情報だけでなく、耳からの情報も同時に入る
  • 一文一文をはっきり読むことで、言い回しの違和感や分かりにくい箇所に気付きやすくなる
  • 読むリズムが生まれ、文章全体の流れをつかみやすくなる

文章の理解が追いついていないと感じたときほど、声に出してゆっくり読むことを心がけましょう。家庭学習などで音読を続けていくと、徐々に文章の理解が速くなっていきます。

② 文章を絵や図にして整理する

文章題をそのまま文字だけで追っていくのが難しいときには、文章を絵や図に表してみることが効果的です。

例えば、

  • 登場人物やモノをイラストでかく
  • 数の増減を矢印で表す
  • 道のりや水かさを図で表現する

といった形で、文字情報を視覚情報に変えていきます。絵や図にしてみると、

  • 文だけで読むよりも状況が一目で理解しやすい
  • どの部分が「知っている数」でどこが「求めたい数」なのかが整理される

といったメリットがあります。
絵をかくクセをつけることで、やがて文章を読んだだけで頭の中に場面が浮かぶようになります。時間に余裕のある家庭学習のときに、意識して取り組んでみましょう。

③ 語彙力を身につける

中学受験の算数の文章題が苦手な場合、問題文に出てくる表現や言葉の意味があいまいなことが少なくありません。算数の文章題では、次のような「算数用語」を正しく理解しているかどうかが、問題の理解に直結します。

  • 「差」「合計」「残り」「割合」「比」「速さ」などの言葉
  • 「AよりBのほうが~」「AをBに分ける」といった表現

言葉の意味をしっかり理解できていないと、文章問題の解釈を誤り、正しい式を立てることができません。文章問題の練習の中で、

  • 分かりにくい表現や単語が出てきたらその場で調べる
  • ノートの端などに「自分の言葉」で言い換えて書いておく
  • 同じ言葉に何度も出会うことで、自然と語彙力が増えていく

といった作業を習慣化しましょう。語彙力を高めることは、算数だけでなく国語力の向上にもつながります。

④ 読み解けなかった箇所に線を引き、必ず確認する

文章題の克服には、「分からなかったところをそのままにしない」学習姿勢が欠かせません。勉強している段階で、

  • 読み解けなかった箇所に線や印を付ける
  • 模範解答や解説を参照しながら、「なぜそのように読むのか」を確認する
  • 同じタイプの文章が出てきたときに、自力で読み解けるかをチェックする

といったサイクルを繰り返すことが重要です。
文章の意味や単語が理解できない箇所を放置せず、その都度調べて覚え、読み解けるようにしておくことで、受験本番でも落ち着いて文章問題に取り組むことができます。

毎日の習慣化が合格につながる

中学受験で算数の文章題の苦手を克服するには、

  • 言葉の意味を理解し、語彙力を身につける
  • 問題文を音読して読み、内容を正確につかむ
  • 文章を絵や図にして整理する
  • 読み解けなかった箇所に印をつけて、後から必ず見直す

といった基本を、日々の学習の中でコツコツ続けていくことが大切です。
訓練を重ねるうちに、最初は時間のかかった音読や図示も、次第に頭の中で自然とできるようになっていきます。まずは、毎日文章題に触れる習慣を身につけることから始めましょう。

まとめ:文章題を味方にして中学受験を乗り越えよう

  • 算数の文章題の苦手意識は、「読み」「語彙」「イメージ」の3つの壁から生まれやすい
  • 音読することで、文章の流れや言い回しをつかみやすくなる
  • 文章を絵や図にすることで、状況を視覚的に整理できる
  • 算数特有の語彙を一つずつ確認し、語彙力を高めていくことが重要
  • 分からなかった箇所に線を引き、解説を参照しながら「なぜそう読むのか」を確認する
  • 毎日少しずつ文章題に取り組むことで、やがて自然と文章を読み解けるようになる

文章題は、慣れるまで時間がかかる分野ですが、正しいステップを踏んで練習していけば、必ず「分かる」「解ける」喜びを感じられるようになります。焦らず一つ一つの問題に向き合い、算数の文章題を合格への頼もしい味方にしていきましょう。

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