H51-02 和と差に関する問題

この動画では、中学受験算数で頻出の「和差算・消去算・過不足算・つるかめ算」について、サピックスに通う小学5年生向けに重要ポイントをコンパクトに整理しています。授業に入る前の予習や、基本事項の復習用としてご活用いただける内容です。

特に、線分図・表・図解を活用した考え方に重点を置いているため、「式は覚えたけれど、なぜそうなるのかが曖昧」というお子さまにもおすすめです。

本動画の内容と学習のねらい

この動画は、サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに「授業に入る前に見ておいてほしいポイント」をまとめた内容です。重要な部分だけを絞ったコンパクトな講義となっていますので、基本事項の復習にご活用いただければ幸いです。
※本動画は、サピックスで使用されているテキストそのものの解説ではありません。あらかじめご了承ください。

4つの文章題分野に共通するポイントは、

  • 図や表を使って整理すること
  • 「差」に注目して考えること
  • よく出る型(パターン)をおさえてから演習すること

です。以下で単元ごとに、動画の要点と学習のポイントを整理していきます。

1.和差算の基本と公式

和差算とは?

和差算は、2つのものの「合計(和)」と「差」が分かっているときに、それぞれの大きさを求める計算を指します。

文章を読んだだけではイメージしにくいため、必ず線分図を描きながら整理することが大切です。

和差算の基本公式

2つの数を「大きい方」「小さい方」とすると、

  • 大きい方を求めるとき
    (和 + 差) ÷ 2
  • 小さい方を求めるとき
    (和 − 差) ÷ 2

という公式で求めることができます。

公式をただ暗記するのではなく、

  • 線分図で「2つ分」→「1つ分」にする過程を意識する
  • 「なぜ2で割るのか?」を図で確認する

といった形で、意味とセットで覚えると応用問題にも強くなります。

2.消去算の考え方

消去算とは?

消去算は、2つのものを比べるときに、そろえやすい一方をそろえて計算する問題です。

たとえば、

  • リンゴとみかんの値段を比べる問題
  • ある人数のときの合計金額を比べる問題

などで、「どちらか一方の数をそろえながら差を見る」という考え方を使います。

消去算のポイント

  • そろえやすい一方をそろえる
    台数・人数・個数など、簡単に倍にできる方をそろえてから差を比べます。
  • 求めたいものの差が分からない場合は、求めない方をそろえる
    直接知りたい方をそろえにくいときは、あえて「求めない方」をそろえて差を出します。

消去算で難しくなるパターンは、

  • 単純な比較ではなく、「式に代入してから解く」タイプ
  • 数量関係が2段階・3段階になっているもの

です。動画では、こうしたやや難しい問題についても考え方の流れを整理していますので、解き方を理解したうえで演習を重ねることが大切です。

3.過不足算の基本と図の使い方

過不足算とは?

過不足算の代表的なパターンのひとつに、「何人に何枚ずつ配ったら、何枚余った/足りなかった」というタイプの問題があります。

このとき、式だけで処理しようとせず、図を使って考えることで関係が整理しやすくなります。

過不足算のポイント

  • 「何枚配って、何枚余ったか/不足したか」を図にする
    1人あたりの枚数と、余り・不足の関係を横並びの図で表すとイメージしやすくなります。
  • 「余り」と「不足」が両方出てくる場合は、
    差は足し算で求めることができることを覚えておきましょう。
    (例:3枚余る場合と2枚足りない場合 → 差は3+2=5枚)

人食いイスの問題(イメージのしかた)

いわゆる「人食いイス」のような問題では、

  • イスを主人公に見立てる
  • イスに〇人ずつ座らせていくイメージで、「〇人余る」「〇人不足」を考える

という発想で図を描くと分かりやすくなります。

「人」ではなく「イス」の側から考えることで、配り方の違いによる人数の差を整理しやすくなるのがポイントです。

4.つるかめ算の考え方

つるかめ算の基本(表で解く方法)

つるかめ算は、2種類のものの合計数と合計金額(または合計本数)から、それぞれの数を求める問題です。

本動画では、表を使って解く方法を紹介しています。

  • 「全部をAにした場合」「全部をBにした場合」など、仮定したときの合計を表に整理する
  • 実際の合計との「差」に注目して、AとBの本数を求める

といった流れで考えると、つるかめ算が「暗算の公式」ではなく、「差に注目した表の問題」として理解しやすくなります。

べんしょうのつるかめ算

べんしょうのつるかめ算では、マイナスが0になるところから考えるのがポイントです。

  • ある量を1ずつ増やす/減らすときに、合計がどのように変化するかを表にする
  • 「差」に注目しながら、「ちょうど0になるところ」を探す

という手順を踏むことで、式だけで解くよりも直感的に理解しやすくなります。

当塾でのSapix対策について

動画の位置づけと活用方法

この動画は、

  • サピックスに通う小学5年生
  • 算数に苦手意識があり、「授業の前に基本を押さえておきたい」生徒さん

を主な対象として、「授業に入る前に見ておいてほしいポイント」を厳選してまとめたものです。

単元すべてを網羅するのではなく、

  • 頻出の考え方
  • つまずきやすいところ
  • 図・表の描き方

など、本当に押さえておきたい部分だけに絞ったコンパクトな講義になっています。

関連ページのご案内

Sapixの特徴や、当塾でのSapix対策の詳細については、以下のページもあわせてご覧ください。

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まとめ:4つの文章題分野を「図」と「差」で整理しよう

本動画で扱っている4つの分野は、いずれも中学受験算数で非常によく出題される重要単元です。

  • 和差算
    2つの数の「和」と「差」から、大きい方・小さい方を求める。((和+差)÷2 / (和−差)÷2)
  • 消去算
    そろえやすい一方をそろえ、差から求める。求めたいものの差が分からないときは、求めない方をそろえる。
  • 過不足算
    配り方と余り・不足を図で整理し、「余り」と「不足」が両方出てくるときは差を足し算で考える。
  • つるかめ算
    表を使って合計と差を整理し、特に「べんしょうのつるかめ算」ではマイナスが0になるところと差に注目する。

いずれの単元も、

  • 図や表を使って関係を整理する
  • 「差」に注目して考える
  • よく出る型をおさえてから演習する

ことで、着実に得点源へと変えていくことができます。動画とあわせて演習を行い、「なんとなく分かる」から「自分で説明できる」レベルを目指していきましょう。

当塾での個別指導について

当塾では、サピックス生をはじめとした中学受験生を対象に、今回のような文章題分野の弱点補強・予習復習サポートを個別に行っています。授業とのギャップを感じている方や、家庭学習のやり方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

時期別対策

中学受験のカリキュラムは通常3年または2.5年かけて進められますが、その時期によって重要なポイントが変わります。また、カリキュラムの進行に関わらず後で困るポイントもあります。当塾では、適切なタイミングで学習内容を提供し、指導を行っています。