概数とは何か|四捨五入と上から1桁・2桁の考え方【H51-01】

概数と四捨五入を小5算数で確認するイメージ

概数(がいすう)とは、正確な数を、その数に近い分かりやすい数で表した「およその数」です。数の細かい部分を省き、全体の大きさをつかみたいときや、計算結果を見積もりたいときに使います。

小5算数では、主に四捨五入を使って概数を求めます。四捨五入では、残したい位を決め、その一つ下の位を見ます。見る位の数字が0~4なら切り捨て、5~9なら切り上げます。

また、目的によっては、四捨五入ではなく切り上げや切り捨てを使って概数にする場合もあります。この記事では、概数の意味、求め方、使い方、範囲問題まで順番に解説します。

概数を求める基本
残す位を決め、その一つ下の位を見る
最初にどこまで数字を残すかを確認します。次に、その一つ下の位を見て、切り捨てるか切り上げるかを決めましょう。

概数とは

概数は「およその数」

概数とは、正確な数を、近くにある分かりやすい数に直して表したものです。「およその数」や「だいたいの数」と考えると分かりやすいでしょう。

例えば、ある会場の入場者数が38,472人だったとします。正確な人数を伝える必要がなければ、「およそ38,000人」や「およそ40,000人」と表すことができます。

どの概数にするかは、どの位まで残すかによって変わります。

  • 38,472人を千の位までの概数にする:38,000人
  • 38,472人を一万の位までの概数にする:40,000人

どちらも38,472に近い概数ですが、残す位が異なるため、答えも異なります。

概数を使う場面

概数は、細かい数字よりも、全体の大きさや計算結果の見当を知りたいときに使います。

  • 入場者数38,472人を、およそ38,000人と表す
  • 買い物に必要な金額を大まかに見積もる
  • 計算結果が大きくずれていないか確かめる
  • 人数や品物の数に対して、必要な場所や容器の数を考える

概数は正確な数そのものではありません。そのため、問題文に書かれている「何の位まで」「上から何桁」「四捨五入」「切り上げ」「切り捨て」という条件を確認する必要があります。

概数と四捨五入の違い

概数と四捨五入は、同じ意味ではありません。

言葉 意味
概数 正確な数を分かりやすく表した、およその数 38,472をおよそ38,000と表す
四捨五入 概数を求める方法の一つ 百の位の4を見て切り捨てる

つまり、概数は求めた結果であり、四捨五入は概数を求めるための方法です。概数は、四捨五入だけでなく、目的に応じて切り上げや切り捨てで求めることもあります。

上から1桁・2桁の概数の求め方

上から1桁の概数

上から1桁の概数では、いちばん左の数字を残し、その一つ右の数字を見て四捨五入します。

38,472を上から1桁の概数にしてみましょう。

  • 残す数字:いちばん左の「3」
  • 見る数字:その一つ右の「8」
  • 8は5以上なので切り上げる

したがって、38,472を上から1桁の概数にすると、40,000です。

別の数でも確認してみましょう。4,263を上から1桁の概数にする場合は、「4」を残して、その次の「2」を見ます。2は4以下なので切り捨て、答えは4,000です。

上から2桁の概数

上から2桁の概数では、左から2つの数字を残し、その次の数字を見て四捨五入します。

38,472を上から2桁の概数にする場合は、「3」と「8」を残し、その次の「4」を見ます。4は4以下なので切り捨てます。

38,472を上から2桁の概数にする場合

画面が狭い場合は、表を横にスクロールできます。

段階 一万の位 千の位 百の位 十の位 一の位
もとの数 3

残す
8

残す
4

見る
7

残さない
2

残さない
四捨五入後 3 8 0 0 0

見る数字の4は切り捨てます。百の位より右をすべて0にするため、四捨五入後は「3・8・0・0・0」となり、答えは38,000です。

別の数でも確認してみましょう。4,263を上から2桁の概数にする場合は、「4」と「2」を残し、その次の「6」を見ます。6は5以上なので、2を切り上げます。答えは4,300です。

切り上げで桁数が変わる例

四捨五入では、切り上げによって繰り上がりが起こり、答えの桁数が増える場合があります。

99,500を上から2桁の概数にしてみましょう。

  • 残す数字:左から2つの「9」と「9」
  • 見る数字:左から3桁目の「5」
  • 5は切り上げるため、2桁目の9に1を加える
  • 9に1を加えると繰り上がりが起こる

したがって、99,500を上から2桁の概数にすると、100,000です。

切り上げで繰り上がるとき
残す数字が9の場合は桁数の変化に注意します
99,500のように、残す位の数字が9で、見る位が5以上の場合は、繰り上がりが続くことがあります。0を付けるだけでなく、残した数字がどのように変わるかを確認しましょう。

残す位と見る位の対応

38,472を例に、条件ごとの残す位、見る位、答えを比べます。

条件 残す位・見る位 答え
上から1桁 左から1桁目を残し、2桁目を見る 40,000
上から2桁 左から2桁目まで残し、3桁目を見る 38,000
千の位まで 千の位まで残し、百の位を見る 38,000
一万の位まで 一万の位まで残し、千の位を見る 40,000

「上から何桁」は、数の左側から残す桁数を考えます。一方、「何の位まで」は、一の位、十の位、百の位、千の位という位の名前を基準に考えます。

四捨五入の基本

四捨五入と概数の求め方を確認するイメージ

0~4は切り捨て、5~9は切り上げ

四捨五入では、見る位の数字によって切り捨てるか、切り上げるかを決めます。

  • 0~4:切り捨てる
  • 5~9:切り上げる

見る位がちょうど5の場合も、切り上げます。

例えば、12,300を千の位までの概数にする場合は、百の位の「3」を見ます。3は4以下なので切り捨て、答えは12,000です。

12,800を千の位までの概数にする場合は、百の位の「8」を見ます。8は5以上なので切り上げ、答えは13,000です。

小数を四捨五入する場合

小数でも考え方は同じです。残したい位の一つ下の位を見ます。

例えば、12.36を十分の一の位までの概数にする場合は、百分の一の位の「6」を見ます。6は5以上なので、十分の一の位の「3」を切り上げます。

したがって、12.36を十分の一の位までの概数にすると、12.4です。

7.95を十分の一の位までの概数にする場合は、百分の一の位の「5」を見ます。十分の一の位の9を切り上げると繰り上がるため、答えは8.0です。

8と8.0は数としては同じ大きさですが、「十分の一の位まで」という条件を示すため、答えを8.0と書くことがあります。

間違えやすい言い方
「千の位まで」と「千の位を四捨五入する」は異なります
「千の位までの概数」は百の位を見ます。「千の位を四捨五入して一万の位までの概数にする」場合は千の位を見ます。問題文では、残す位と見る位をそれぞれ確認しましょう。

切り捨て・切り上げで概数にする場合

概数は、必ず四捨五入で求めるとは限りません。問題の目的や指示によっては、切り捨てや切り上げを使います。

目的に応じて方法を選ぶ

1,280円を百の位まで切り捨てると、1,200円です。実際の金額を超えない範囲で大まかに表したい場合などに、切り捨てを使います。

一方、1箱に100個ずつ品物を入れるとき、1,201個すべてを入れるには、不足しない数の箱を用意する必要があります。1,201を百の位まで切り上げると1,300になるため、必要な箱は13箱です。

どの方法を使うかによって答えは変わります。問題文に方法が指定されている場合は、その指示に従いましょう。

概数を使って計算を見積もる

概数を使うと、複雑な計算を簡単な数に直して、およその答えを求められます。これを見積もりといいます。

足し算の答えを見積もる

3,842+6,173を、正確に計算する前に見積もってみましょう。

  • 3,842を千の位までの概数にする:4,000
  • 6,173を千の位までの概数にする:6,000
  • 4,000+6,000=10,000

したがって、3,842+6,173の答えは、およそ10,000と見積もれます。

実際の答えは10,015です。見積もった10,000に近いため、計算結果が大きくずれていないことも確認できます。

買い物の金額を見積もる

198円の商品を6個買う場合を考えます。

  • 198円をおよそ200円と考える
  • 200円×6個=1,200円

したがって、必要な金額はおよそ1,200円と見積もれます。

正確な代金は198円×6個=1,188円ですが、買い物の前に必要な金額の目安を知りたいときには、200円を使った計算の方が簡単です。

見積もりで計算間違いを見つける

例えば、3,842+6,173の計算結果を1,015と書いてしまった場合、見積もりの10,000と大きく異なります。

このように、概数を使って先に答えの大きさを考えておくと、桁の書き間違いや計算間違いに気付きやすくなります。

概数になる数の範囲

13,000になる数の範囲

千の位までの概数にしたとき、13,000になる数の範囲を考えます。

  • 12,500は、百の位が5なので13,000に切り上がる
  • 13,499は、百の位が4なので13,000になる
  • 13,500は、百の位が5なので14,000に切り上がる

したがって、小数を含む数として考える場合は、12,500以上13,500未満です。

整数に限る場合は、12,500以上13,499以下の整数です。問題文に「数」と書かれているか、「整数」と書かれているかによって、上の境目の表し方が変わります。

「数」と「整数」の条件を確認する

整数には、小数や分数は含まれません。そのため、整数だけを考える問題では、13,500の一つ手前にある整数は13,499です。

一方、小数を含む数では、13,499.9や13,499.99なども13,000に四捨五入されます。13,500になると14,000に切り上がるため、「13,500未満」と表します。

実際の問題では、「整数」「0以上の整数」「正の数」など、さらに条件が付く場合があります。概数の計算だけでなく、問題文に書かれた条件も確認しましょう。

「未満」と「以下」の違い

未満と以下の違いを概数で確認するイメージ

言葉 境目の数
未満 含まない 100未満には100を含まない
以下 含む 100以下には100を含む

例えば、0以上100未満の整数は0~99です。0以上100以下の整数は0~100です。

概数の範囲を求める問題では、次の3点を順番に確認すると整理しやすくなります。

  1. 何の位までの概数にするか
  2. 境目の数を含むか含まないか
  3. 整数だけを考えるか、小数を含む数を考えるか
範囲問題で答えがずれる場合
式だけでなく、問題文の条件も確認します
四捨五入はできても、「未満・以下」「数・整数」の読み分けで間違える場合があります。どの条件を読み落としているか、答案や途中式を見ながら確認したい場合は、オンラインの1対1指導をご確認ください。

概数の練習問題

残す位と見る位を確認しながら解いてみましょう。

  1. 6,482を上から1桁の概数にしなさい。
  2. 4,263を上から2桁の概数にしなさい。
  3. 75,680を千の位までの概数にしなさい。
  4. 7.95を十分の一の位までの概数にしなさい。
  5. 千の位までの概数にすると24,000になる整数の範囲を答えなさい。
  6. 298円の商品を4個買うとき、代金を概数を使って見積もりなさい。
練習問題の答えと解説を見る

1. 答え:6,000

上から1桁なので、6を残して、その次の4を見ます。4は切り捨てるため、6,000です。

2. 答え:4,300

上から2桁なので、4と2を残して、その次の6を見ます。6は切り上げるため、4,300です。

3. 答え:76,000

千の位まで残すため、百の位の6を見ます。6は切り上げるため、75,000ではなく76,000になります。

4. 答え:8.0

十分の一の位まで残すため、百分の一の位の5を見ます。十分の一の位の9を切り上げると繰り上がるため、8.0です。

5. 答え:23,500以上24,499以下の整数

23,500は四捨五入すると24,000になります。24,500は25,000になるため、整数の場合の最大は24,499です。

6. 答えの例:約1,200円

298円をおよそ300円と考えると、300円×4個=1,200円です。

概数についてよくある質問

概数とは何ですか?

概数とは、正確な数を、その数に近い分かりやすい数で表したものです。「およその数」や「だいたいの数」と考えると分かりやすいでしょう。

概数と四捨五入は何が違いますか?

概数は、正確な数を分かりやすくした結果です。四捨五入は、その概数を求める方法の一つです。

概数は必ず四捨五入で求めますか?

必ず四捨五入を使うとは限りません。目的や問題文の条件によっては、切り捨てや切り上げを使って概数にする場合もあります。

上から2桁の概数は、どの数字を見ますか?

左から2桁を残し、左から3桁目の数字を見ます。3桁目が0~4なら切り捨て、5~9なら切り上げます。

「千の位までの概数」と「千の位を四捨五入する」は同じですか?

同じではありません。「千の位までの概数」は百の位を見ます。「千の位を四捨五入して一万の位までの概数にする」場合は、千の位を見ます。

四捨五入すると桁数が増えることはありますか?

あります。例えば、99,500を上から2桁の概数にすると、切り上げによって繰り上がりが起こり、100,000になります。

概数になる数の範囲は、どのように求めますか?

その概数になる最も小さい境目と、次の概数に変わる境目を考えます。そのうえで、「未満」「以下」「整数」などの条件を確認します。

未満と以下は何が違いますか?

未満は境目の数を含みません。以下は境目の数を含みます。100未満には100を含まず、100以下には100を含みます。

概数の要点

  • 概数:正確な数を、その数に近い分かりやすい数で表した「およその数」
  • 四捨五入:概数を求める方法の一つ
  • 見る位が0~4:切り捨てる
  • 見る位が5~9:切り上げる
  • 上から1桁:左から1桁を残し、2桁目を見る
  • 上から2桁:左から2桁を残し、3桁目を見る
  • 何の位まで:残す位の一つ下の位を見る
  • 概数の範囲:境目の数と、未満・以下、数・整数の条件を確認する
  • 見積もり:計算しやすい概数に直して、およその答えを求める

概数の問題では、答えだけでなく、「どの位を残し、どの位を見たか」を説明できるようにしておきましょう。

ここからは、SAPIXに通う小学5年生と、概数を含む小5算数の学習サポートを探している方に向けた補足です。概数の意味や求め方、練習問題だけを確認したい場合は、ここまでの内容をご活用ください。

SAPIX小5算数で動画を活用する方法

ここまでの内容は、小5算数で概数を学習する方に共通する解説です。ここからは、SAPIXに通う小学5年生が、授業前後に動画を活用する場合の進め方を紹介します。

動画で扱う内容

この動画は、サピックスに通塾している小学5年生で、算数に不安がある生徒さんに向けて、授業に入る前に確認しておきたいポイントをまとめたものです。基本事項の予習や復習にご活用ください。

※本動画は、サピックスで使用されているテキストそのものの解説ではありません。あらかじめご了承ください。

  • 概数の求め方と四捨五入の基本
  • 概数になる数の範囲と、「未満」「以下」の違い
  • 動画内で扱う分数・小数の問題

動画には、概数とは別に、分数と小数を使った問題も含まれています。この部分は、概数の求め方そのものを説明する内容ではなく、動画内の別問題を復習するための補足です。

授業前後の使い方

  • 授業前に、残す位と見る位を確認する
  • 「未満」「以下」「整数」などの言葉を整理する
  • 授業後に、間違えた問題と動画の説明を照らし合わせる
  • 計算の間違いか、条件の読み間違いかを分けて考える
SAPIX小5算数の授業前後に
他単元も動画で確認したい方へ
授業前に要点を確認し、授業後に間違えた問題と照らし合わせたい場合に利用できます。

学習状況に応じたサポート

概数だけでなく、小5算数の基礎単元全体を復習したい場合と、答案や途中式を見ながら確認したい場合では、適した学習方法が異なります。

小5算数の基礎をまとめて確認したい場合

概数、分数、小数など、複数の基礎単元に不安がある場合は、単元を順番に見直す方法があります。

小5算数マスター講座の内容を確認する

答案や途中式を対面で確認したい場合

問題文の条件、途中式、ノートの使い方まで見ながら確認したい場合は、通塾型の個別指導をご確認ください。

通塾型の中学受験算数個別指導を確認する

SAPIX算数の学習全体について確認したい場合

動画:サピックスの算数を15分で講義してみた

サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに「Sapixの授業前に見ておいてほしい」内容をまとめた動画となっております。ポイントだけをおさえたコンパクトな講義で、基本的な内容の復習に活用いただけます。