510-10 総合
サピックス5年生のための応用分野整理
(分数の大小・部分分数分解・水そう・旅人算)
サピックス5年生の算数では、「基本は分かるのに、応用になると一気に難しく感じる」単元が増えてきます。
このページでは、動画で扱っている
- 分数の大きさ比べ(発展)と既約分数
- 部分分数分解
- 水そうの応用問題
- 旅人算の図の書き方
について、授業に入る前に押さえておきたいポイントをコンパクトに整理しました。
「公式を覚える」だけでなく、図や式の意味を意識することで、応用問題にも対応できる土台を作っていきましょう。
動画講義:分数・水そう・旅人算の応用ポイント
この動画は、サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに「授業に入る前に見ておいてほしいポイント」をまとめた内容です。
重要な部分だけを絞ったコンパクトな講義となっていますので、基本事項の復習にご活用いただければ幸いです。
※本動画は、サピックスで使用されているテキストそのものの解説ではありません。あらかじめご了承ください。
1.分数の大きさ比べ(発展)と既約分数
単純な分数の大小比べだけでなく、条件を満たす分数を探したり、既約分数だけを取り出したりする問題は、サピックスの応用でよく出てきます。
既約分数とは?
既約分数とは、
「これ以上約分できない分数」のことです。
- 分子と分母が、どんな整数でも同時に割り切れない状態
- 逆に、何かで割り切れてしまうときは、その分数は既約分数ではない
例として、
- 6/8 … 2で割れるので既約分数ではない(→ 3/4 に約分できる)
- 3/4 … これ以上約分できないので既約分数
分数の大きさ比べと通分の考え方
元記事では、
「既約分数を求める場合は無理やり通分して解いていきましょう。」
とあります。これは、分数同士の大きさ比べをするときに、分母をそろえて考えるという意味です。
- 分母がバラバラな分数同士を比較するとき → 通分して分母をそろえる
- 大小関係が分かったあと、必要であれば既約分数に直す(約分する)
特に発展的な問題では、
- 「ある範囲の中にある既約分数をすべて挙げなさい」
- 「分母や分子に条件がある中で、最も大きい(小さい)分数を求めなさい」
といった形で、通分と約分を行き来する力が問われます。
「通分で比べる → 必要に応じて既約分数に直す」という流れを意識しておきましょう。
2.部分分数分解
部分分数分解は、難しそうな分数の式を簡単な分数の引き算の形に分けて計算する方法です。
部分分数分解のイメージ
元記事では、
「分数のかけ算を引き算になおして計算をする解き方を部分分数分解と言います。」
と説明されています。具体的には、
- 計算しにくい分数の式を、いくつかの簡単な分数の足し算・引き算に分ける
- それによって、約分しやすくなったり、規則性が見つけやすくなる
といった効果があります。
いつでも使えるわけではないことも理解しておく
元記事の大事な一文が、
「常に簡単に計算できるわけではないということも覚えておきましょう。」
という部分です。
- 部分分数分解はうまくはまると非常に有効なテクニック
- 一方で、すべての分数に対して簡単にできるわけではない
- 問題の構造や規則性を見て、「使えそうかどうか」を判断する必要がある
あくまで選択肢のひとつの道具として、「こういうときには分けて考える方法もあるんだ」という感覚で覚えておきましょう。
3.水そうの問題(応用)
水そうの問題は、基本の体積計算だけでなく、おもり・浮き・物体の位置関係などが絡むと一気に難しくなります。ここでも図をかいて確認する習慣が何より重要です。
正面から見た図を書いて考える
元記事では、
「水そうを正面から見た図を書いて問題を解いていきましょう。」
とあります。
上からの図では、水面の高さや物体の上下関係が分かりにくいため、
- 水面の高さ
- おもりや物体の位置
- 水そうの高さや底面の長さ
をイメージしやすい正面図が基本となります。
「計算だけで安心しない」ことが大切
元記事では、
「計算上答えが出たからといって図に書いて確認してみないと合っているかどうかは分かりません。」
と注意しています。
- 式だけ合っていても、実際の状況と合っていないことがある
- 特に、水面の高さやおもりの位置が絡む問題では、図との照らし合わせが必須
さらに、
「おもりが水面の上に来ているのか、下なのか見極めることが大切です。」
とあります。これは、
- おもりが水面の下にある → 水につかっている部分の体積を考える
- おもりが水面の上にある → 水に入っていない部分は体積に関係しない
というように、状況によって考えるべき体積が変わる、ということを意味しています。
「水面のどこに、何があるのか」を図でしっかり確認してから式を立てるようにしましょう。
4.旅人算:時間と距離を図で整理する
最後に、速さの応用である旅人算についてです。ここでも、図をかいて状況を整理することが何よりのポイントになります。
「どこに何秒かかっているか」を図にする
元記事では、
「どこに何秒かかっているかということを図にしっかりと書いていけば、何を求めればよいか、何を計算すればよいかが分かります。」
と説明されています。
- 道の長さを線分で表す
- スタート地点・ゴール地点・出会う場所などを線分上に示す
- 各区間に何秒(何分)かかっているかを書き込む
こうすることで、
- どの区間の距離を求めればよいのか
- どの区間をまとめて「速さ×時間」で計算すればいいのか
が、目に見える形で整理できるようになります。
まずは「図に表す練習」から
元記事の最後には、
「まずは図に表していくということを練習していきましょう。」
とあります。
旅人算では、
- いきなり式を立てるのではなく、線分図や時間のメモから始める
- 「動き方」と「時間のながれ」を図や表にまとめる
という手順を踏むことで、問題の構造が理解しやすくなります。
図を描き慣れてくると、サピックス特有のややこしい設定の問題にも対応しやすくなります。
当塾でのSapix対策
サピックス算数の特徴と当塾の方針
サピックスの算数は、「図で考える力」「条件を整理する力」が強く求められるカリキュラムです。
分数の大小・部分分数分解・水そう・旅人算といった単元は、
- 単なる計算力ではなく、状況把握力や論理的な整理力がポイント
- 中学入試の応用問題にもそのままつながる重要テーマ
になっています。
当塾では、
- サピックスの進度に合わせて、つまずきやすい単元を先取り・復習
- 動画+個別指導で、「図をかく」「通分・約分」「速さ=距離÷時間」といった基本を定着
- 分数・水そう・旅人算の応用問題を、入試レベルにつながる形で整理
といった方針で、サピックスに通塾しているお子さまの学習をサポートしています。
詳しいご案内はこちら
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当塾でのSapix対策についてはコチラをご覧ください。
まとめ:分数・水そう・旅人算は「図と意味」で攻略しよう
- 分数の大きさ比べ(発展):通分で比較し、必要に応じて既約分数(これ以上割れない分数)に直す流れを身につける。
- 既約分数:分子と分母がどんな整数でも同時に割り切れない分数。通分と約分を行き来できる力が重要。
- 部分分数分解:分数の式をいくつかの簡単な分数の引き算に分けて計算する方法。ただし、いつでも使えるわけではないことも覚えておく。
- 水そうの問題:必ず正面図を描き、計算で出た答えを図に戻して確認する。おもりが水面の上か下かを正確に見極める。
- 旅人算:道を線分で表し、「どこに何秒(何分)かかっているか」を図に書き込むことで、何を求めればよいかが見えてくる。
- どの単元でも、「まず図をかく」「意味を考える」という姿勢が、サピックスの応用問題攻略の近道になる。
動画と本ページをくり返し活用しながら、分数・水そう・旅人算を「感覚でごまかさず、図と意味で理解する分野」に変えていきましょう。そうすることで、入試レベルの問題にも通用する算数の土台が育っていきます。



