510-05 総合(01~04)
サピックス5年生の「平面図形」と「公倍数・公約数」が不安な方へ
平面図形の面積や、公倍数・公約数を利用した文章題は、サピックス5年生の中でも「なんとなく分かっているつもりなのに、テストで点が取りきれない」という声が多い単元です。
特に、
- 半径が直接わからない図形の面積
- 対角線から正方形の面積を求める問題
- 公倍数・公約数を使った分数や文章題
などは、図形の感覚と数の性質を同時に使う必要があり、つまずきやすいポイントです。
このページでは、動画講義とあわせて、授業に入る前に押さえておきたい要点を整理しました。予習・復習の両方にご活用ください。
動画講義:平面図形と公倍数・公約数のポイント
この動画は、サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに「授業に入る前に見ておいてほしいポイント」をまとめた内容です。
重要な部分だけを絞ったコンパクトな講義となっていますので、基本事項の復習にご活用いただければ幸いです。
※本動画は、サピックスで使用されているテキストそのものの解説ではありません。あらかじめご了承ください。
1.平面図形の求積の基本ポイント
まずは、動画の前半で扱っている平面図形の面積について整理します。ここでは特に、
- 半径が分からないときの考え方
- 対角線から正方形の面積を求めるときの考え方
の2点が重要です。
半径が分からないときは「半径×半径」を意識する
円や円周に関係する問題では、
- 円の面積:半径×半径×円周率
- 円が関わる図形を正方形などに分けて考える
といった考え方がよく登場します。
元記事で述べているように、「半径が分からない」場合には、
半径×半径(=1辺が半径の長さになっている正方形の面積)
を先に意識しておくと、図形全体の面積を整理しやすくなります。
- 半径を一つの「単位」としてとらえ、その長さを一辺とする正方形をイメージする
- 図形の中に「半径の長さ」「半径と同じ長さの辺」がいくつ含まれているかを数えていく
例えば、
- 円と正方形が組み合わさった図形
- 扇形同士を組み合わせた図形
などでは、「半径×半径」を基準にして面積を考えていくと、どこの部分が何倍の広さになっているかが整理しやすくなります。
正方形の面積を対角線から考える
正方形の面積を求めたいのに、1辺の長さが直接書かれていない問題もよく出題されます。元記事でも、
「正方形の面積を求めたいのに1辺の長さが分からない場合は対角線に注目」
とあります。
正方形では、対角線を引くと2つの直角二等辺三角形ができます。
- 対角線は、正方形の2つの頂点を結んだ線
- 対角線をはさんで、左右に同じ形の三角形ができる
対角線の長さが与えられている場合、
- 対角線を「斜辺」とする直角二等辺三角形として考える
- その三角形の底辺・高さが正方形の1辺の長さになる
という関係を利用して、1辺の長さを求めることができます。
問題によっては、あらかじめ「よく出てくる長さの組み合わせ」(いわゆる辺の比)を使って処理できる場合もあります。
いずれにしても大切なのは、
- 与えられた情報(半径・対角線・辺の長さなど)から何がわかるのかを図に書き込みながら整理すること
- 「正方形」「直角二等辺三角形」といった基本図形の性質と結びつけること
です。図をていねいに描き、どこに半径や対角線が登場しているのかを確認しながら面積を求めていきましょう。
2.公倍数・公約数を利用した問題
動画の後半で扱っているのは、公倍数・公約数を利用した問題です。ここでは、
- 最大公約数・最小公倍数の求め方
- 分数を小さくする(約分・大小比較)の考え方
を押さえておきましょう。
最大公約数・最小公倍数は「逆わり算」で整理
元記事では、
「最大公約数、最大公倍数を求める場合は逆わり算を利用して整理していきましょう。」
とあります。逆わり算を使うと、
- 複数の数の最大公約数
- 複数の数の最小公倍数
を、表にまとめながら一度に整理することができます。
【逆わり算のポイント】
- 共通して割り切れる数(たいてい素数)を見つけて、同時に割る
- 2個以上割れるものがあるときは必ず割る(これをサボると「最小」にならない)
- 割り切れなくなったところでそこでストップし、左側と下の段を使って答えを出す
このとき、元記事にもあるように、
「それぞれどのような数なのかしっかり調べたうえで計算をしないと間違いに繋がってしまいます。」
という点が非常に重要です。「なんとなく」で割る数を選ぶと、答えがずれてしまうので要注意です。
分数を小さくしたいときの考え方
分数の大小比較や、どの分数を選ぶべきかを問う問題では、
「分数を小さくしたい場合は、分子が小さく、分母は大きいほうを選択」
という考え方が基本になります。
- 分子(上の数)が小さいほど、全体の量は少なくなる
- 分母(下の数)が大きいほど、「1」を細かく分けているので1つ分は小さくなる
ただし、ここで注意したいのは、
- その分数同士が同じ量を表しているか(約分前・約分後など)
- 問題が「同じ量の表し方」を聞いているのか、「単純な大小比較」を聞いているのか
を区別することです。
たとえば、
- 同じ量の分数の中から、一番小さく表しているものを選ぶ問題では、「分子と分母に共通の数で割って約分できているか」を確認する必要があります。
- 単にどちらが大きいか・小さいかを比べる問題では、分子・分母の大小や通分を使って比較します。
いずれの場合も、元記事にある通り、
「横着せずに順を追って計算を進めていく」
ことが大切です。途中の計算を飛ばしてしまうと、考え方は合っていても計算ミスで点数を落としてしまいます。
3.サピックス5年生がつまずきやすいポイントと対策
平面図形と公倍数・公約数を組み合わせた問題は、次のような理由で難しく感じがちです。
原因1:図形と数の性質を同時に使う必要がある
- 図をていねいに書かずに進めてしまう
- どこが半径で、どこが対角線なのかがあいまいなまま計算してしまう
- 公約数・公倍数の考え方を「暗記」で済ませてしまい、応用が効かない
原因2:途中式を省いて「頭の中だけ」で処理しようとする
- 逆わり算の表を途中で省略してしまう
- 分数の約分を、暗算だけでやろうとしてミスする
- 「だいたいこのくらいだろう」という感覚で選んでしまう
対処法:図と式を「見える形」にして整理する
これらを防ぐために、次のような学習を意識しましょう。
- 平面図形は必ず自分の手で図を描き、必要な長さを書き込む
- 逆わり算の表は、面倒でも1行ずつていねいに書く
- 分数の約分・大小比較は、途中式をノートに残しながら行う
「図」と「逆わり算」と「分数」の3つを組み合わせる問題も出てくるので、どれか一つがあいまいだと全体が崩れてしまいます。
動画とこのページを使って、一つひとつを確実にしていきましょう。
4.当塾でのSapix対策
サピックス算数の特徴と当塾の方針
サピックスの算数は、単純な計算力だけでなく、「図形の感覚」や「数の性質への理解」を組み合わせて考える問題が多いのが特徴です。
特に、平面図形と公倍数・公約数は、
- 中学受験全体を通して頻出のテーマ
- 今後の割合・比・合同・相似・規則性などの単元にもつながる基礎
となるため、早い段階での土台固めが重要になります。
当塾では、
- サピックスのカリキュラムに合わせて、つまずきやすい単元を事前にフォロー
- 動画と演習を組み合わせた指導で、「わかったつもり」を防ぐ
- 平面図形・公倍数・公約数を、入試レベルの問題につながる形で整理
といった方針で、サピックスに通塾しているお子さまの学習をサポートしています。
詳しいご案内はこちら
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当塾でのSapix対策についてはコチラをご覧ください。
まとめ:図形と数の性質をセットで身につけよう
- 平面図形の面積では、半径×半径(半径を1辺とする正方形の面積)という考え方が役立つ。
- 正方形の面積を求めるとき、1辺がわからなければ対角線と直角二等辺三角形の関係に注目する。
- 最大公約数・最小公倍数は、逆わり算を使って整理する。2個以上同時に割れるときは必ず同時に割る。
- 分数を小さくしたいときは、分子が小さく分母が大きいものが有利だが、「同じ量を表しているかどうか」の確認も忘れない。
- 計算や図を横着せず順を追って書くことで、「理解は合っているのに計算ミスで失点」というもったいない状態を防げる。
- 平面図形と公倍数・公約数は、今後の割合・比・規則性・入試問題へとつながる重要単元。動画と本ページを活用して、授業前後の予習・復習に役立てよう。
一つひとつの考え方を意味から理解していけば、平面図形も公倍数・公約数も強力な「得点源」になります。繰り返し復習して、自信を持ってテストに臨める状態を目指していきましょう。



