H51-01 数の性質

このページでは、上記の動画で解説している「概数の求め方」「概数の範囲」「分数・小数を利用した問題」について、要点を整理してお伝えします。

対象は、SAPIX(サピックス)に通う小学5年生で、算数が苦手な生徒さんを想定していますが、他塾生の方にとっても授業前の予習・基本事項の確認として活用していただける内容です。

本動画の概要

動画のねらい

この動画は、サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに「授業に入る前に見ておいてほしいポイント」をまとめた内容です。重要な部分だけを絞ったコンパクトな講義となっていますので、基本事項の復習にご活用いただければ幸いです。

※本動画は、サピックスで使用されているテキストそのものの解説ではありません。あらかじめご了承ください。

動画で扱っている主な内容は次の3つです。

  • 1.概数の求め方(四捨五入の基本)
  • 2.概数の範囲のとらえ方(「未満」と「以下」に注意)
  • 3.分数・小数を利用した応用問題(大きさ比べ・計算の工夫)

ここからは、それぞれのポイントを紙の学習でも見返しやすいように整理していきます。

1.概数の求め方(四捨五入の基本)

四捨五入のルール

概数の基本は、まず四捨五入のルールを正確に覚えることです。

  • 0~4:切り捨て(その位の数字は変えず、下の位をすべて0にする)
  • 5~9:切り上げ(その位の数字を1大きくして、下の位をすべて0にする)

このルールを「なんとなく」ではなく、はっきり言葉で説明できる状態にしておくと、桁が大きくなってもミスが減ります。

千の位で四捨五入するときの考え方

「千の位で四捨五入する」というのは、

  • 千の位の数字を見て、切り上げ/切り捨てを決める
  • 答えは千の位より上の位(この場合は1万の位まで)で表す

具体的なイメージ:

  • 例:12,300 を千の位で四捨五入
    → 千の位は「2」、その下の位(百の位)は「3」なので 0~4 に該当 ⇒ 切り捨て
    → 答え:12,000
  • 例:12,800 を千の位で四捨五入
    → 千の位は「2」、その下の位(百の位)は「8」なので 5~9 に該当 ⇒ 切り上げ
    → 答え:13,000

ポイントは、

  • 「どの位で四捨五入するのか」を必ず確認する
  • 「見るのはその一つ下の位」であることを意識する

2.概数の範囲の考え方

切り上げのときは「範囲」が特に間違えやすい

概数の範囲を答える問題では、切り上げのときの下限・上限をよく間違えてしまいます。

例えば、「千の位で四捨五入して 13,000 になる数の範囲」を考えるとき、

  • 下限(スタート)は 12,500
  • 上限(ゴール)は 13,499…(13,500 以上は 14,000 に四捨五入される)

というように、「どこからどこまでがその概数に丸められるのか」を丁寧に確認する必要があります。

「数」と「整数」で範囲が変わる

もう一つ注意したいのが、問題文に出てくる「数」と「整数」という言葉の違いです。

  • 「数」の場合: 小数も含めたすべての数を考える
  • 「整数」の場合: 1, 2, 3, … のように小数を含まない数だけを考える

この違いによって、

  • 「未満」なのか「以下」なのか
  • どこまでの数を数え上げるのか

が変わってきます。

「未満」と「以下」の違い

範囲を表すときに出てくる「未満」と「以下」も、混同しないように整理しておきましょう。

  • 「未満」: その数をふくまない
  • 「以下」: その数をふくむ

例えば、

  • 「100未満の整数」… 1〜99 まで
  • 「100以下の整数」… 1〜100 まで

概数の範囲を求める問題では、

  • 「数」か「整数」か
  • 「未満」か「以下」か

をしっかり読み分けることが、ケアレスミスを防ぐポイントです。

3.分数・小数を利用した問題

基本は「小数にそろえて比べる」

分数や小数の大きさ比べの問題では、まずは次の手順を基本にします。

  • 分数と小数が混ざっているときは、小数にそろえて比べる
  • 必要に応じて、分母をそろえる・小数第何位まで見るかを意識する

ただし、すべてを小数に直すとかえって計算が複雑になる場合もあります。そのときは、

  • 分母をそろえて分数のまま比較・計算する
  • 途中計算だけ分数・小数を使い分けるなど、「計算しやすさ」を優先して方法を選ぶ

どの形にそろえるとスムーズに計算できるかを意識することが、分数・小数の問題を解くうえでの大切なポイントです。

動画では、こうした「どこまで小数にそろえるか」「どの段階で分数のまま扱うか」といった実践的な判断のしかたについても触れています。

サピックス5年生向けの活用方法

「授業に入る前の確認用」として使う

この動画は、特に次のようなお子さんを想定して作られています。

  • サピックスの算数の授業についていくのが不安
  • テキストの問題に入る前に、基本事項だけ先におさらいしておきたい
  • 概数・分数・小数の単元で、どこを大事にすればよいか分からない

おすすめの使い方:

  • 塾の授業の前日〜当日に動画を1回見る
  • 見ながら、気になったポイントをノートにメモする
  • 授業後に、テキストの間違えた問題と動画の内容を照らし合わせる

こうしたサイクルを回すことで、「なんとなく授業を受ける」状態から、「ポイントを意識して授業を受ける」状態へ変えていくことができます。

当塾でのSAPIX対策について

SAPIX算数の特徴と、当塾でのサポート

SAPIXの算数は、思考力・読解力・処理スピードが総合的に問われるカリキュラムになっており、得意不得意の差が出やすい単元も多く含まれています。

当塾では、

  • 単元ごとの「つまずきやすいポイント」を事前に整理
  • 動画や演習を通じて、授業前後のフォローを行う
  • お子さんの理解度に合わせて、基本〜応用までのステップアップをサポート

といった形で、SAPIX算数の学習をバックアップしています。

詳しくは、以下のページもあわせてご覧ください。

まとめ

この動画およびページで押さえておきたいポイントを整理します。

  • 概数の求め方:四捨五入は「0〜4切り捨て」「5〜9切り上げ」。どの位で四捨五入するかを必ず意識する。
  • 概数の範囲:切り上げのときの範囲設定は特に間違えやすい。「数」と「整数」、「未満」と「以下」の違いを正しく理解する。
  • 分数・小数の問題:基本は小数にそろえて比べるが、場合によっては分数のまま計算した方が効率的なこともある。
  • サピックス5年生の学習:授業に入る前に動画でポイントを押さえておくことで、授業内容の理解がスムーズになり、復習もしやすくなる。
  • 当塾の役割:動画・対面指導・演習を組み合わせて、SAPIX算数の「分かる」「できる」を支える。

「概数」「範囲」「分数・小数」は、この先の単元でも何度も登場する土台となる内容です。動画とあわせて何度も見返し、確かな理解につなげていきましょう。