510-13 規則性
サピックス5年生のための「等差数列・群数列・数表」基礎整理
サピックス5年生の算数では、等差数列や群数列、そして数表の読み取りといった、数の並び方を扱う単元が登場します。
一見シンプルに見えますが、
- 一般項の式にうまく当てはめられない
- 群数列で「どのセットの何番目か」が分からなくなる
- 頭の中だけで考えてしまい、数え間違いが多くなる
といったつまずきが起こりやすい分野でもあります。
このページでは、動画の内容を補足しながら、等差数列の基本・群数列の考え方・数表の書き方を、授業前後の予習・復習用に整理しました。
動画講義:等差数列・群数列・数表のポイント
この動画は、サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに、「SAPIXの授業前に見ておくべき内容」をまとめたものです。
ポイントを絞ったコンパクトな講義なので、基本の復習や授業理解のサポートとして活用していただけます。
※SAPIXで使用されているテキストそのものの解説ではありません。ご了承ください。
1.等差数列とその和
まずは、この単元の土台となる等差数列から確認していきましょう。
等差数列とは?
等差数列とは、1つ進むごとに同じ数だけ増えたり減ったりする数列のことです。
- 例:2, 5, 8, 11, 14, …(3ずつ増えている)
- 例:20, 17, 14, 11, …(3ずつ減っている)
この「毎回同じだけ増える(減る)数」のことを公差と呼びます。
等差数列の一般項(▢番目の数)
等差数列の▢番目の数(一般項)は、次の式で表せます。
▢番目 = はじめ + 差 ×(▢ − 1)
- はじめ:1番目の数
- 差:1つ進むごとに増える(または減る)数
- ▢:何番目かを表す番号(n番目など)
例えば、はじめが2、公差が3の等差数列なら、
- n番目 = 2 + 3×(n−1)
という形で表すことができます。
等差数列の和(合計)
最初からある項までの合計を求めたいときは、次の公式を使います。
(はじめ + さいご)× 個数 ÷ 2
- はじめ:最初の数
- さいご:最後の数
- 個数:何個分足すか
たとえば、2, 5, 8, 11, 14 の5つを足すときは、
(2+14)×5÷2 = 16×5÷2 = 40 となります。
ポイント:「並んでいる数の中から、最初と最後、個数をしっかり読み取れるか」がカギです。
群数列とは?
等差数列の考え方を応用したものとして群数列(ぐんすうれつ)があります。
群数列:
同じ並び方(パターン)が繰り返される数列のこと。
- 例:1, 2, 3|1, 2, 3|1, 2, 3|…
- 例:2, 4|6, 8|10, 12|… のように、「かたまり」が続いていく並び
2.いろいろな数列(群数列の考え方)
群数列の問題を解くには、「かたまり(セット)」に分けて考えることがとても有効です。
群数列の基本手順
元記事では、群数列を解くための手順として次の3ステップが紹介されています。
- セット(1つのまとまり)に分ける
- セットに名前をつける
- 名前(セット番号)と中身の関係性を見つける
このとき、常に意識しておきたいのが、
👉 「何セット目の何番目か?」
という視点です。
「何セット目の何番目か?」を意識する理由
- 長い数列をそのまま数えようとすると、途中でズレてミスしやすい
- 「1セットあたり何個あるか」が分かると、全体をセット単位でまとめて数えられる
- セット番号と、セットの中の何番目かが分かれば、その位置の数を式で表しやすくなる
たとえば、「1, 2, 3|1, 2, 3|1, 2, 3|…」のような数列で、20番目の数を求めたいとき、
- 1セット=3個
- 20 ÷ 3 の 商と余り を考えて、「何セット目の何番目か」を調べる
という手順で考えることができます。
群数列では、「セット数」と「セット内の位置」を切り分けて考えることがポイントです。
3.数表の問題の進め方
等差数列や群数列の応用として、数表(数字が並んだ表)の問題がよく出題されます。
ここで重要なのは、「頭の中だけでやろう」としないことです。
まずは自分で表を書いてみる
元記事では、
「問題を解くときは、まず自分で簡単な表を書くことから始めましょう。頭の中だけで考えず、書き出すことで計算が整理され、ミスも減ります。」
と説明されています。
- 1行目・2行目・3行目…と、実際に数を並べてみる
- 「何列目にどんな数がくるか」を、目に見える形で確認する
- 途中で規則性に気づいたら、そこから式でまとめて考えるようにする
最初から式だけで解こうとするのではなく、「小さな表を自分の手でつくってみる」ことが、数表問題攻略の近道です。
数表問題でのチェックポイント
- 行と列の並び方のルールを確認しているか
- 「何行目の何列目」→「それは全体で何番目か」を落ち着いて対応できているか
- 途中のメモを省略しすぎて、数え間違い・書き間違いをしていないか
数表の問題は、ていねいに書く癖をつけるだけで、失点を大きく減らすことができます。
当塾でのSAPIX対策
サピックス算数の特徴と当塾の方針
SAPIXの算数では、数列・数表・規則性といった単元を通して、「先を見通してパターンを読み取る力」が求められます。
特に、等差数列や群数列の考え方は、
- 中学受験の規則性の問題
- 後半の文章題・場合の数・グラフの単元
にもつながる、重要な基礎となります。
当塾では、
- 等差数列・群数列・数表の基本パターンを整理し、どの問題にも共通する考え方を指導
- 動画と演習を組み合わせて、「書き出す → 規則を見つける → 式で表す」という流れを定着
- サピックス特有のひねりのある問題も、基礎の延長線上として理解できるように解説
といった方針で、SAPIXに通塾しているお子さまの算数学習をサポートしています。
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まとめ:等差数列・群数列・数表を「パターンでとらえる」力をつけよう
- 等差数列:1つ進むごとに同じ数だけ増えたり減ったりする数列。
一般項は「はじめ+差×(▢−1)」、和は「(はじめ+さいご)×個数÷2」で求める。 - 群数列:同じ並び方(パターン)が繰り返される数列。
「セットに分ける → 名前をつける → セット番号と中身の関係を見る」の3ステップで整理する。 - 「何セット目の何番目か」という視点を持つことで、長い数列でも規則的に位置を特定できる。
- 数表:まずは自分で簡単な表を書き出し、行・列・全体の順番の関係を目で確認してから式に落とし込む。
- 頭の中だけで解こうとせず、「書き出す → 規則を見つける → まとめて計算する」という流れを徹底することで、ミスが減り、得点源になりやすい単元になる。
動画と本ページを併用しながら、等差数列・群数列・数表を「ただの暗記」ではなく「パターンを見抜く練習」として取り組んでいきましょう。それが、今後のサピックス算数全体の土台づくりにつながります。



