510-12 点の移動

サピックス5年生のための「点の移動と三角形の面積」基礎整理

点の移動と三角形の面積は、サピックス5年生の算数でも「図形のセンス」が問われる単元です。
・点が動くと図形の形や大きさがどう変わるのかイメージできない
・高さが分からない三角形の面積をどう求めればよいか分からない
といったつまずきが起こりやすい分野でもあります。
このページでは、動画と連動しながら、点の移動と面積の関係高さの等しい三角形の面積の考え方を授業前後の予習・復習用に整理しました。

動画講義:点の移動と三角形の面積

この動画は、サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに「授業に入る前に見ておいてほしいポイント」をまとめた内容です。
重要な部分だけを絞ったコンパクトな講義となっていますので、基本事項の復習にご活用いただければ幸いです。
※本動画は、サピックスで使用されているテキストそのものの解説ではありません。あらかじめご了承ください。

1.点の移動と面積の関係

点の移動の問題では、「点がどのように動くか」「それによって三角形や四角形の面積がどう変わるか」をセットで考えることが大切です。

基本の解き方:とにかく図にやってみる

元記事では、

「点の移動の問題の基本的な解き方は、問題文に書かれていることをそのままやってみる、計算してみると答えを導くことができます。図にしっかりと書いていきましょう。」

と説明されています。これは、

  • まずは問題文どおりに点を動かして図に描く
  • 「頭の中だけで考えよう」とせず、実際に線を引いたり、位置を移したりしてみる

ことが、点の移動を理解するうえでの出発点になる、という意味です。

点の移動で意識したいポイント

  • 点が移動する前後で、どの線の長さが変わり、どの長さは変わらないかを意識する
  • 「同じ高さのまま動いているか」「底辺の長さだけ変わっているか」など、高さと底辺の変化を見る
  • 移動の途中でできる図形(小さな三角形や平行四辺形など)に注目して、既に知っている面積公式に持ち込めないかを考える

特にサピックスの問題では、1回の移動だけでなく、時間とともに点が動き続ける設定もよく出てきます。
その場合も、「今この瞬間はどんな三角形ができているか?」を図に描きながら追いかけていくことが大切です。

2.高さの等しい三角形の面積

点の移動とセットで重要なのが、「高さが等しい三角形の面積」に関する考え方です。
高さが分からない三角形でも、底辺の変化に注目することで面積を求めることができます。

高さが分からなくても面積は求められる

元記事では、

「底辺がどれだけ縮んだかということを考えていくと面積を求めることができます。また、点の移動の問題を考えるとき、高さが分からない三角形でも面積を求めることができるという考え方を利用して問題を解いていきます。」

と説明されています。

  • 同じ直線上に底辺をとり、高さが等しい位置に頂点がある三角形は、面積の比が底辺の長さの比と同じになる
  • つまり、高さが分からなくても、底辺の長さの変化だけで面積の変化をとらえられる

という性質を活用していくのが、この単元のポイントです。

高さが等しい三角形の面積の関係

高さが同じ三角形どうしについて、次のような事実を押さえておきましょう。

  • 面積 = 1/2 × 底辺 × 高さ
  • 高さが同じ三角形どうしでは、高さが共通なので、面積は「底辺 × 一定の高さ」の1/2
  • したがって、面積の比 = 底辺の長さの比となる

この性質を使うことで、

  • 底辺がどれだけ伸びたか・縮んだか
  • ある三角形の面積と底辺の長さが分かっているとき、別の三角形の面積

などを高さを求めることなく計算で出すことができます。

「底辺が縮んだ分だけ面積が減る」という発想

元記事には、

「高さが等しい三角形の場合、底辺が縮んだ分だけ面積が減る、など、工夫した考え方をしないと答えを求めることができない問題もあります。どのように工夫したら良いか考えながら問題を解いていきましょう。」

とあります。

  • たとえば、同じ高さをもつ2つの三角形で、底辺が半分になれば、面積も半分になる
  • 底辺が3/4倍になれば、面積も3/4倍になる

というように、底辺の変化がそのまま面積の変化につながることを意識しておくと、点の移動問題で面積を時間の関数としてとらえるときにも役立ちます。

点の移動と「高さの等しい三角形」の組み合わせ

点の移動の問題では、

  • 点が辺の上を一定の速さで動き、三角形の底辺の長さが変化していく
  • 対する高さは一定のまま、という設定がよく出てくる

ため、「高さが同じだから、面積の変化は底辺の変化だけ見ればよい」という考え方が非常に有効です。
この発想を使えば、わざわざ高さを求める式を作らなくても、面積の増え方・減り方を素早く把握できます。

3.サピックス5年生のための学習の進め方

点の移動と三角形の面積の単元を、サピックスのカリキュラムに合わせて身につけるには、次のようなステップがおすすめです。

  1. 動画を視聴し、点がどのように動くか・三角形の底辺や高さがどう変わるかのイメージをつかむ
  2. 本ページの内容をノートにまとめ、「点をそのまま図に動かしてみる」「高さが同じ三角形は底辺で面積比較」という基本方針を書き出しておく
  3. 基本問題では、必ず問題文どおりに点を動かして図を描く練習をくり返す
  4. 応用問題では、「高さが等しい三角形を見つけられないか」を意識して図形を分解・整理する

重要なのは、「面積=1/2×底辺×高さ」の公式を、そのまま計算するだけで終わらせないことです。
高さが一定であれば、面積の変化は底辺の変化だけで決まる、という視点を持つことで、点の移動の問題がぐっと整理しやすくなります。

当塾でのSapix対策

サピックス算数の特徴と当塾の方針

サピックスの図形単元では、「図を描く力」「変化を見抜く力」が非常に重視されています。
特に、点の移動と三角形の面積は、

  • 平面図形の応用
  • グラフや関数的な考え方(面積の増減を時間に応じてとらえる)

にもつながる重要分野です。

当塾では、

  • サピックスのカリキュラムに合わせて、点の移動・等積変形・三角形の面積を段階的にフォロー
  • 動画+演習で、「図にそのままやってみる」「高さが同じ三角形を探す」といった具体的な解き方を定着
  • 入試レベルの図形問題にもつながるよう、面積の変化を式・図・言葉で説明できる力を養う

といった方針で、サピックスに通塾しているお子さまの図形分野の土台づくりをサポートしています。

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まとめ:点の移動と「高さが等しい三角形」の考え方をセットで身につけよう

  • 点の移動の問題は、「問題文どおりに点を動かして図に描く」ことが基本。頭の中だけで考えず、必ず作図する。
  • 高さが分からない三角形でも、高さが等しい三角形どうしなら、面積の比は底辺の比で考えられる。
  • 高さが等しい三角形では、底辺が縮んだ分だけ面積も比例して減るという考え方が重要。
  • 点の移動+三角形の面積の問題では、「どの三角形の高さが共通か」「底辺がどう変化しているか」に注目する。
  • サピックスの応用問題では、図形の変化を図・式・言葉の3つで説明できる力が大きな武器になる。

動画と本ページを組み合わせて学習しながら、点の移動と高さの等しい三角形の考え方を、自分の中で自然に使える道具にしていきましょう。それが、サピックス算数全体の図形問題への大きな一歩となります。

時期別対策

中学受験のカリキュラムは通常3年または2.5年かけて進められますが、その時期によって重要なポイントが変わります。また、カリキュラムの進行に関わらず後で困るポイントもあります。当塾では、適切なタイミングで学習内容を提供し、指導を行っています。