立体図形を苦手にする子のためのオンライン算数活用法

中学受験/オンライン算数
立体図形・弱点克服ガイド

立体図形を苦手にする子のためのオンライン算数活用法

「平面はまだ何とかなるけれど、立体図形になると急に分からなくなる」「切断の問題になると、どこをどう切っているのかイメージできない」。
中学受験の算数では、立体図形は多くのお子さまが一気に苦手意識を持ちやすい単元です。
一方でオンライン算数の個別指導なら、画面上で立体を回転させたり展開したり断面を動かして見せたりできるため、
立体の見えない部分がぐっとイメージしやすくなることも少なくありません。
この記事では、立体図形が苦手になる背景から、オンライン算数個別指導の活用法、具体的な改善ステップ、ご家庭でのフォロー、教室選びのポイントまで丁寧に解説します。

立体図形が大きな弱点になりやすい背景

まずは、なぜ立体図形が中学受験算数の中でも特に「分からない」「頭に入ってこない」と感じられやすいのか、その構造から整理してみます。
一見すると図形の単元の一つですが、実際には空間認知や情報整理など、いくつもの要素が絡み合っています。

空間を頭の中で回転させる負荷が大きい

立体図形の問題では、次のような力が求められます。

  • 立方体や直方体を頭の中で回転させる力
  • 見えていない裏側や奥側を想像する力
  • ある面を切ったときの断面の形をイメージする力

これは平面上の長さや角度を扱う問題より、はるかに空間認知の負荷が大きい作業です。
そのため、次のようなつまずきが起こりがちです。

  • 「ここを切る」と言われても、どの面からどの面へ線を引いているのか分からない。
  • 展開図を見ても、組み立てたときにどの面とどの面がくっつくのかイメージできない。
  • 回転体の問題で、どこが円になり、どこが高さになるのか把握しきれない。

これらは単なる図形の苦手というより、立体を頭の中で補う経験が不足していることに原因がある場合が多いです。

ノートやテキストが二次元で情報過多になりやすい

本来は三次元の世界の話を、二次元の紙の上で表現するのが立体図形です。
テキストやノートでは、次のような情報が一ページに詰め込まれがちです。

  • 立体図形の見取り図
  • 展開図
  • 切断後の断面図

これらが一度に示されることで、

  • どれがどれと対応しているのか分からない。
  • 断面図だけ見ても、元の立体が思い出せない。
  • 線の一本一本に意味を感じられず、「ただの複雑な絵」に見えてしまう。

結果として、ページを開いた瞬間に「もう無理」と感じてしまうお子さまも少なくありません。

学習の段階が飛びがちで分からないまま進んでしまう

本来であれば立体図形の学習は次のような段階を踏むのが理想です。

  • 箱やサイコロなどの実物に触れ、面や辺の位置関係を確かめる。
  • 実物を見ながら簡単な見取り図や展開図を自分の手で描く。
  • 図だけを見て元の立体を想像する練習をする。
  • 切断や回転体など、抽象度の高い問題に進む。

しかし塾や学校の授業では、

  • 実物を扱う時間が短い。
  • すぐに図だけで理解させようとしてしまう。
  • 基礎が固まる前に入試レベルの切断や回転体の問題へ進んでしまう。

その結果、立体を頭の中でイメージする土台ができる前に難問に触れることになり、
「立体図形は自分には無理」という気持ちが強まってしまいます。

つまずきの側面 よく見られる様子 背景にある要因
空間認知 立体を頭の中で回転させられず、裏側や奥側がイメージできない。 立体に触れる経験が少なく、見えない部分を補う練習が不足している。
情報整理 見取り図と展開図、断面図の対応が分からず「複雑な絵」に見えてしまう。 二次元の紙に詰め込まれた情報を整理する方法を教わっていない。
学習段階 基礎が固まる前に切断や回転体に進み、分からないまま溜まっていく。 実物から図へ、図から抽象へという段階を踏めずスピードだけが速い。

オンライン算数 個別指導が立体図形で効果を発揮する理由

立体図形特有のつまずきを、オンライン算数の個別指導はどのようにカバーできるのでしょうか。
ここではオンラインならではの強みを具体的に見ていきます。

画面上で立体の回転や展開や切断を動きとして見せられる

オンライン授業では、講師が画面共有を使い次のような「動きのある説明」が可能です。

  • 立方体や円柱の立体モデルを少しずつ回転させ、各面の位置関係を見せる。
  • 展開図を組み立てる様子や、組み立てた立体から展開していく様子をアニメーションで見せる。
  • 切断する平面をスライドさせ、断面の形がどう変化するかを連続的に示す。

紙のテキストでは一枚の図で表現されている内容を、オンラインでは連続した動きとして見せることができるため、
「この線はこの面とこの面の境目だったのか」「この四角形はこの四つの辺を結んだ断面だったのか」といった気づきが生まれやすくなります。

手元映像で図の描き方や線の引き方を細かくチェックできる

立体図形で点差がつきやすいポイントの一つに、自分で図を描き直す力があります。
オンライン算数の個別指導では、手元カメラによりお子さまのノートをリアルタイムで確認できます。

  • 立方体の頂点に番号を振る習慣があるか。
  • 重要な辺や面に印をつけ、意味のある線だけを増やしているか。
  • 切断の線を、どの点とどの点を結ぶか意識して引いているか。

同じ立体図形の苦手でも、

  • 図をそもそも描き直していないタイプ。
  • 図は描いているが情報を書き足していないタイプ。
  • 情報は書いているが、大事な点を確認する前に線を引いてしまうタイプ。

といったように原因はさまざまです。
オンラインの個別指導なら、手元映像を通じて一人ひとり異なる「描き方の癖」をその場で修正していくことができます。

思考のプロセスを可視化し、進度管理もしやすい

オンライン環境では、講師もホワイトボードアプリや図形ツールを活用できます。

  • お子さまのノートと講師のホワイトボードを並べて表示し、対応を確認する。
  • 辺や面を色分けして示し、「どの線がどこを表しているのか」を明確にする。
  • 授業で使った図やメモをスクリーンショットや教材として残す。

これにより、「どのように考え、どのように線を引いたか」という思考のプロセスを残しやすくなります。
さらに、オンライン算数の個別指導では、

  • 立方体なのか円柱なのか、どの立体が特に弱いのか。
  • 切断なのか展開図なのか、どのタイプの問題でつまずきやすいのか。
  • 図を描く段階で止まっているのか、最後の計算でミスしているのか。

といった情報を講師側で整理し、回ごとの記録として蓄積できます。
こうした進度管理の全体像は、オンライン算数 個別指導コースの案内ページなどにまとめられていることが多く、一度目を通しておくとイメージがつかみやすくなります。

立体図形の弱点を超えるための具体的な改善ステップ

ここからは、オンライン算数の個別指導を活用しながら立体図形の弱点を克服していくためのステップを三段階に分けて整理します。

ステップ一

実物と画面で立体を「見える」に変える

手元の立体と画面上の立体を行き来しながら、面や辺や頂点の位置関係を体感的に理解します。

ステップ二

図の描き方と線の引き方の型を身につける

見取り図や展開図の描き直し方と、切断線の引き方に共通の型を作り、視覚的な整理の習慣を定着させます。

ステップ三

パターン別に入試レベルで使える力にする

立体の種類や切断のパターンごとに整理し、過去問や応用問題で再現できる力に育てます。

ステップ一 実物と画面を使って立体を「見える」に変える

第一歩は、立体図形を頭の中だけで考えさせないことです。
オンライン授業の初期段階では、次のような取り組みが効果的です。

  • 家にある箱やサイコロなどを用意し、講師と同じ向きで持ってみる。
  • 画面上の立体モデルと手元の立体を見比べ、対応する面や辺や頂点を確認する。
  • 展開図を見せつつ、どの面がどこに折りたたまれるか実物で再現する。

このとき、「分かった」で終わらせるのではなく、
「今見えている面の裏側には何があると思うか」「この線は立体のどの辺に対応していそうか」と問いかけることで、
画面上の図と手元の立体を自分の言葉でリンクさせていきます。

ステップ二 図の描き方と線の引き方の型を身につける

立体図形は、図を描き直すだけで急に分かりやすくなることが多い単元です。
ステップ二では、図の描き方と線の引き方の型を身につけます。

  • 立方体の頂点にアルファベットや数字を振る習慣をつける。
  • 重要な辺や面に印をつけ、意味のある線だけを増やす。
  • 切断線は必ず「通るべき点に印を付けてから結ぶ」という順番を守る。

例えば立方体の切断なら、

  1. 通る頂点や辺の中点に丸印を付ける。
  2. 印を順番に結んで断面の多角形を描く。
  3. できた多角形の各頂点に番号を振り形を確認する。

この一連の流れをオンライン授業で何度も一緒に行うことで、「立体図形の問題が出てきたらまずこう描き始める」という入り方が安定していきます。

ステップ三 パターン別に過去問や応用問題で使える力にする

ステップ一と二で「見える」「描ける」土台ができてきたら、最後はパターン別のトレーニングで入試レベルの問題にも対応できる力にしていきます。

  • 立方体の切断を「頂点どうし」「頂点と辺の中点」「面の中心を通る」などに分類して整理する。
  • 各パターンごとに典型的な断面の形をまとめた自分用の資料をオンラインで一緒に作成する。
  • 過去問や塾の応用問題を画面共有し、「これはどのパターンに近いか」を口頭で確認しながら解く。

「この問題は頂点と辺の中点を結ぶ切断だからあのパターンに近い」「ただし条件が違うから面積の求め方は少し変える」といったやりとりを通じて、
立体図形はただの暗記ではなく、理解に基づいたパターン認識へと変わっていきます。

家庭でできるフォローと習慣化のサポート

オンライン算数の個別指導に任せきりにするのではなく、ご家庭での関わり方を少し工夫することで、立体図形の伸びを一段と加速させることができます。

身近な立体で触って確かめる経験を増やす

特別な教材がなくても、身の回りのものがそのまま立体図形の教材になります。

  • お菓子の箱やティッシュ箱、牛乳パックなどの箱型のもの。
  • サイコロや積み木。
  • 折り紙で作った立方体や三角すい。

これらを使いながら、

  • 「この箱の上の面と向かい合っている面はどこか。」
  • 「この辺と平行な辺はどれか。」
  • 「展開図にしたら、この面はどこに来そうか。」

といった声かけをするだけでも、面や辺や頂点を意識するきっかけになります。
点数を上げることを目的とするのではなく、立体を実感する経験を増やしていく感覚が大切です。

図を見る前にどんな形になりそうかを言葉で予想させる

立体図形の問題集を解くとき、ご家庭ではつい「ちゃんと図を見なさい」と注意したくなりがちです。
そこに一言、「図を見る前にどんな形になりそうか話してみて」と添えていただくと、思考の質が変わります。

  • 切断の問題なら「断面は三角形になりそうか、四角形になりそうか。」
  • 展開図なら「この面の隣にはどの面が来そうか。」

図を見ながらでも構いませんので、一度自分の言葉で予想を口にする習慣をつけることで、
オンライン指導で学んだイメージの引き出しが家庭学習の場面でも活用されやすくなります。

できたかどうかより何が見えるようになったかを認める

立体図形は、努力がすぐ点数に直結しにくい単元です。
保護者の方には、点数だけでなく「見えるようになってきた部分」に注目していただくことをおすすめします。

  • 面の名前を自分から言えるようになってきたこと。
  • 切る前に通る点を全てチェックしようとしていること。
  • 展開図の向きを自分なりに考えようとしていること。

こうした変化を具体的な言葉で認めることで、「立体図形はずっと苦手」という自己イメージが、
「少しずつ見えるようになってきた」という前向きな感覚へと変わっていきます。

立体図形に強いオンライン算数 個別指導の教室や指導者の選び方

最後に、立体図形の弱点克服に適したオンライン算数個別指導の教室や指導者を選ぶ際のポイントを整理します。
中学受験を見据えるご家庭ほど、事前に確認しておきたい項目です。

立体図形の指導実績と具体的な事例があるか

体験授業や面談の際には、次のような点を質問してみると良いでしょう。

  • 立方体の切断や回転体、展開図など立体図形の指導経験が豊富か。
  • 立体図形を苦手とする子どもがどのように変化したか具体的な事例を話せるか。
  • 説明に使っている教材やツールが、動きや色分けなどオンラインの利点を生かしたものになっているか。

三次元表示やホワイトボードや手元カメラを活用しているか

オンラインならではの強みを活用しているかどうかは、大きな判断材料です。

  • 立体モデルを回転させたり、展開したりするツールを授業に取り入れているか。
  • ホワイトボードアプリで辺や面を色分けしながら解説してくれるか。
  • 手元カメラでノートを映し、図の描き方まで見てくれるか。

こうした点が整っている教室は、「オンラインでも授業ができる」というレベルではなく、
「オンラインだからこそできる算数指導」を意識している教室だと言えます。

宿題設計とフィードバックが立体図形の定着に向いているか

立体図形の力を定着させるためには、授業と授業の間の時間をどう使うかも重要です。

  • 同じ立体で切り方だけを変えた問題をセットで出してくれるか。
  • 見取り図と展開図と断面図を関連づけて復習できるような宿題になっているか。
  • 授業後に「どのタイプの問題でつまずいていたか」を簡潔にフィードバックしてくれるか。

教室全体の方針やオンライン算数コースの詳細については、
オンライン算数 個別指導コース
のような案内ページにまとまっていることが多いので、比較検討の前に一度確認しておくと安心です。

まとめ 立体図形はオンラインの見せ方と個別指導で得意分野に変えられる

立体図形は、中学受験算数の中でも空間認知の負荷が高く、苦手意識が出やすい単元です。
しかし実物と画面上の立体を組み合わせて「見える」経験を積み、図の描き方と線の引き方の型を整え、
パターン別の演習で理解を深めていけば、確実に得点源へと育てることができます。

オンライン算数の個別指導なら、立体の回転や展開や切断を自在に見せつつ、
手元映像でノートの描き方まで丁寧にチェックすることが可能です。
立体図形の弱点が気になり始めた段階で、
オンライン算数 個別指導コース
のような専門コースも視野に入れながら、お子さまに合うサポートの形を検討してみてください。

塾別対策

通常、塾ごとに異なるフォローが行われます。主な課題への対策として、授業内容の理解が追いつかない場合、カリキュラム内の問題が偏っている場合、または対策配布テキストの量が多すぎて問題の管理が難しい場合があります。