速さが苦手になる背景と中学受験算数としての難しさ

まずは、そもそもなぜ速さがここまで多くの小学生にとって大きな弱点になりやすいのか、その背景を整理しておきます。
四則計算や割合とは違う、速さ特有のつまずきポイントがいくつか存在します。

目に見えない動きをイメージしないと理解が進まない

速さは、単なる数字の計算ではなく、物体の動きをイメージしながら理解していく単元です。

• 一秒間にどれくらい進むのか
• 一時間あたりどれくらいの距離を進むのか
• どちらの方が速いのか

といったことを頭の中で思い浮かべる必要があります。
ところが、紙の上の数字だけを追っていると、

• 速さ＝距離÷時間という形だけ覚えている
• 時間＝距離÷速さという式だけを当てはめている

という状態になりやすく、動きのイメージが無いまま公式に当てはめているケースが少なくありません。
その結果、追いかけ算や旅人算などで、誰がどこを走っているのか、どの瞬間を聞かれているのかが分からなくなってしまいます。

図や数直線を描くことに慣れていない

速さの問題は、図を使うことで一気に分かりやすくなります。
中学受験の算数では、特に次のような図がよく用いられます。

• 数直線や線分図
• 距離と時間を表すダイヤグラム
• 距離と時間の関係を示すグラフ

しかし、図を描く習慣がついていないお子さまの場合、

• 問題文を読んでもすぐに式を立てようとしてしまう
• 図は描いても情報を書き込み切れていない
• 線の長さや位置関係がバラバラで、自分でも読み返せない

といった状態になりがちです。つまり、図を描くこと自体が目的になってしまい、
数量関係の整理につながっていないのです。

公式の丸暗記で乗り切ろうとしてしまう

速さの単元でよく見られるのが、公式の丸暗記による学習です。

• 速さ＝距離÷時間の式だけを覚える
• 追いかけ算や旅人算をパターンとして丸暗記する
• とりあえず三つの公式のどれかに当てはめて計算してみる

このような学習では、パターンが合う問題には対応できても、

• 条件が少し変わった文章題
• 速さと割合や図形など他の単元と組み合わされた問題

といった問題に出会うと、「何を聞かれているのか」「どの量とどの量を比べているのか」が分からなくなってしまいます。
中学受験の算数では、状況を読み取り、自分で図を使って整理する力が求められます。
速さは、その力が特に試される単元と言えるでしょう。

オンライン算数 個別指導が速さの克服に効果を発揮する理由

ここからは、オンライン算数の個別指導だからこそできる取り組みが、速さという弱点の改善にどうつながるのかを見ていきます。
中学受験向けの算数指導においても、オンライン環境は速さの指導と非常に相性が良い分野です。

画面上で動きを可視化できる

オンライン授業では、講師が画面共有を使って、物体の動きをアニメーションのように見せることができます。

• 一定の速さで進む車を少しずつ進めていき、距離と時間の関係を視覚化する
• 二人が別々の地点から出発し、どのあたりで出会うのかを図形を動かしながら説明する
• 行きと帰りの速さが違う場合、距離は同じでも時間がどう変わるかを線分の長さで比較する

このように、紙面だけでは伝わりにくい感覚を視覚的に補うことで、
速さを動きとして体感しながら理解すること
ができるようになります。

手元映像で図の描き方や計算のつまずきを細かく確認できる

オンライン算数の個別指導では、手元カメラを使ってお子さまのノートを映しながら、
図の描き方や途中計算の様子をリアルタイムで確認できます。

• 数直線のどこにスタート地点やゴール地点を取っているか
• 時間の目盛りや距離の目盛りをどう配置しているか
• 誰がどの方向に動いているのかを図に反映できているか
• 計算のどの段階で止まってしまっているか

同じ速さの文章題が苦手でも、

• 図の描き出し方でつまずいているタイプ
• 図は描けているが情報の書き込みが不十分なタイプ
• 図は正しいが計算の途中で約分や小数処理を間違えているタイプ

など原因はさまざまです。
オンラインの個別指導であれば、図と計算の両方を同時に観察し、その場で修正していく指導が可能です。

進度管理と弱点の記録がしやすく復習の質を高められる

オンライン環境は、授業の記録や宿題管理をデジタルで一元化しやすいという利点もあります。

• 追いかけ算と旅人算と通過算のどれが特に弱いか
• 図が描けていないのか、計算で落としているのか
• 速さに関する問題で時間配分がどれくらいかかっているのか

といった情報を蓄積し、次回以降の授業や宿題に反映することで、「速さが苦手」という漠然とした状態から、
どの部分を重点的に鍛えるべきかが明確な状態
に変えることができます。

オンライン算数の個別指導の全体像については、

オンライン算数 個別指導コース

のような案内ページに詳しい情報が載っていることが多く、コース内容や指導スタイルを把握するのにも役立ちます。

速さの弱点を克服するための具体的な改善ステップ

ここからは、オンライン算数の個別指導を活用しながら、速さの弱点を克服していくための学習手順を三つのステップに分けてご紹介します。

ステップ一　動きとことばを結びつける

最初のステップは、速さの公式からいったん離れ、動きのイメージと文章を対応づけることです。
オンライン授業では、画面上で図形を動かしながら説明することができます。

• 一定の速さで進む図形を動かしながら、一秒ごとにどれくらい進むかを確認する
• 時間を二倍にすると距離がどのように変わるかを、スライドで示す
• 二人の動きを同時に表示し、どちらがどれくらい速いかを視覚的に比べる

こうした説明と合わせて、簡単な文章題に戻り、

• 一時間で五キロメートル進むという文が画面上のどの動きに当たるか
• 十分でどれくらい進むかという問いがどのような変化を聞いているか

を一問ずつ確認していきます。この段階では正解そのものより、
文章と動きが頭の中でつながる感覚
を持てるかどうかが大切です。

ステップ二　図の描き方の型を身につける

次のステップは、速さの問題で必須となる図の描き方を、型として身につけることです。
オンラインの個別指導では、講師が画面に見本の図を表示しながら、お子さまの手元映像をチェックできます。

• 数直線のどこにスタート地点とゴール地点を取るかをそろえる
• 時間の目盛りと距離の目盛りを分かりやすく配置する
• 出発時刻の違いや距離の差を、矢印や印で表現する

図を描く際に意識したいポイントは次の通りです。

• きれいさよりも、自分で読み返して分かる図になっているかどうか
• 速さや時間や距離の数字が、図のどの部分に対応しているかが一目で分かること
• 同じパターンの問題では、いつも同じ描き出しから始められること

この段階では、多少時間がかかっても構いません。
図を描くことで頭が整理されるという成功体験
を積み重ねていくことが重要です。

ステップ三　入試レベルの問題でパターン化する

動きのイメージと図の描き方が身についてきたら、最後は中学受験レベルの問題を通じて、
自分なりの解法パターンを作る段階
に入ります。

• 追いかけ算と旅人算と通過算を意識的にラベリングしながら解く
• 条件が変わっても、まずは図から描き出す習慣を徹底する
• 間違えた問題について、どの時点で方針がずれたのかを講師と一緒に振り返る

オンライン算数の個別指導では、過去問や塾のテキストを画面共有しながら、

• 問題文のどの一文がスタート地点を示しているか
• どの条件から速さの違いや距離の違いが読み取れるか
• どこで式を立てるべきか、どこまで図で整理すべきか

を一問ずつ確認していくことができます。
この積み重ねによって、速さは単なる弱点ではなく、他の単元と組み合わさっても得点源となる分野へと変わっていきます。

家庭でできるフォローとオンライン指導との連携

オンライン算数の個別指導だけに任せるのではなく、家庭での関わり方を少し工夫することで、
速さの理解はさらに深まります。ここでは、保護者の方に意識していただきたいポイントをまとめます。

日常の速さに目を向ける声かけをする

速さは、本来日常生活の中にたくさん存在している概念です。

• 徒歩と自転車と車では、どれがどれくらい速いかをイメージしてみる
• 学校までの距離と通学時間から、おおよその速さを考えてみる
• エレベーターと階段で何分かかるかを比べてみる

こうした話題を親子で共有するだけでも、「速さ＝テストに出るだけの数字」ではなく、
自分たちの生活と結びついた感覚
が育っていきます。難しい計算をさせる必要はなく、「どっちが速いと思う」「どれくらい違うかな」といった会話で十分です。

解き直しは同じ問題だけで終わらせない

速さの弱点克服には、解き直しの質が大きく影響します。
おすすめしたいのは、間違えた問題をもう一度解くだけではなく、
似た問題をセットで解くこと
です。

• 一問目でつまずいたポイントを、二問目では意識して修正する
• 異なる設定の問題でも、同じ図の型で解けるか確かめる
• 時間配分も含めて、解く手順を安定させていく

オンライン授業で講師と一緒に分析した内容を、家庭学習では「似た問題で再現する場」として活用していただくと、
学びが一層定着しやすくなります。

結果より図と途中の考え方を認める

速さの問題は、最初のうちは正解にたどり着けないことも多い単元です。
そのときに保護者の方に意識していただきたいのが、点数だけでなく、
図と途中の考え方への評価
です。

• 数直線をきちんと描こうとしていたこと
• 前回よりも矢印や印で動きを表現できていたこと
• 誰がどこから動き出したかを図に書こうとしていたこと

こうした点を言葉にして認めてあげると、お子さまは「速さは苦手なまま」ではなく、
少しずつ考え方が良くなってきている
と感じることができます。
オンラインの個別指導では、授業の最後に講師から保護者へのフィードバックがあることも多く、
その内容を参考に声かけの方向性をそろえていくことができます。

速さの弱点克服に適したオンライン算数 個別指導の教室や指導者の選び方

最後に、速さの単元の弱点克服に向いているオンライン算数の個別指導を選ぶ際のポイントを整理します。
中学受験算数の他の単元にも共通するチェック項目です。

速さの指導実績や事例があるかどうか

速さの単元は、指導経験の有無で成果が大きく変わることがあります。
教室や指導者選びの際には、次のような点を確認してみるとよいでしょう。

• 追いかけ算や旅人算や通過算の指導経験が豊富かどうか
• 速さと割合、速さと図形など、複合問題の指導事例があるかどうか
• 速さを苦手としていた生徒が改善した具体的なエピソードを話せるかどうか

手元映像と画面共有をセットで使っているか

オンライン算数の個別指導の大きな強みは、
手元映像と画面共有を組み合わせて指導できること
です。

• 手元カメラの利用が標準になっているか
• 講師側の画面共有で、数直線やダイヤグラムを丁寧に描いて説明してくれるか
• 授業中にその場で図の描き方を修正してくれるかどうか

これらが整っている教室は、オンラインという特性を生かした算数の個別指導を行っている可能性が高いと言えます。

宿題と復習の設計が速さ仕様になっているか

速さの弱点を本当に克服するには、その場の授業だけでなく、
授業と授業の間の復習設計が重要です。

• 図の描き方を反復できる類題が用意されているかどうか
• 同じパターンで設定を少しずつ変えた問題が準備されているかどうか
• 間違えた問題を記録し、次回の授業で確認する仕組みがあるかどうか

こうした点を事前に確認しておくと安心です。
オンライン算数の個別指導コースの具体的な内容については、
オンライン算数 個別指導コース
のような案内ページに詳しく書かれていることが多いので、一度目を通して比較検討していただくことをおすすめいたします。