中学受験Q&A(1)~中学受験は親の受験か?~
今回は中学受験Q&Aという事で、皆さん受験生活を送る上で様々な疑問が生じるかと思います。
それに対して色々な回答を提示していこうという事でお話をさせてもらいます。
Q.中学受験は親の受験か?
これはよく言われる話ですが、必ず私の方で返す回答がありますので一応ご説明させて頂きます。
受験というものはまず小学受験、いわゆる幼稚園から小学校に上がる時の受験、それから中学受験、小学校から中学校に上がる時の受験、そして高校受験、大学受験とだんだんと進んでいくという事になる訳です。
一応小学受験、いわゆる幼稚園生の段階で受ける受験というのは基本的には100%親御さんの力だとよく言われています。
一方、高校受験は基本的に親御さんが関与する事があまり出来にくいという受験になっていまして、これは子どもさんの力が100%だろうという事になっています。
ちょうどその間にあるのが中学受験と言われる受験になります。
基本的にはこれはご家庭によってパーセンテージが結構変わる事はあったりしますが、今まで拝見している限りでいうと大体平均値が50%50%ぐらいで収まるかな、という感じになっています。
50%50%であるべきだという話ではなくて、結果的にどっちの力だという話を考えた時に50%50%に落ち着く事が一番多いよね、というのが一応解になるかなと思います。
ですので、現状例えば20%80%になっているから大変だとか、80%20%だからなんとかしなきゃいけないという事ではないと思いますのでご承知頂ければと思いますが、一応平均値は50%50%という所になります。
ある程度お子さんにも自我が芽生えてくる。
お母様お父様にも色々意見はあるという中でその説中案みたいなのを取っていく事によって、中学受験が成り立っていくという事が多いんじゃないかな、と思っております。
私立中学に行くメリットは?
私立とか国公立、それか都立、様々色んな中学校がある訳ですが、いわゆる通常の公立中学校に行く以外の選択肢にどういうものが考えられるのか、どういうメリットが考えられるのかという事を考えていきたいという話です。
これは別に今更こちらからお話しするような話ではなくて、より高い教育環境でとか、色んな言い方が出来るかと思います。
色んな見方とか色んな環境の与え方もろもろあるとは思うんですが、基本的にはやはりある程度同質性、要は同じぐらいのレベルの生徒さんと切磋琢磨し合える環境があるという事はおそらく最大のメリットになるのではないだろうかと思っています。
やはりある程度レベルの差が開いてしまうと、興味をもつ対象も違いますし、やらなければいけない事も結構違うという中で過ごしていくという事にもちろんメリットもありますが、デメリットもそれなりにあるという所になります。
ですので、それを選択した時にどっちのメリットを優先するか、どっちのデメリットを排除しようとするかという考えにいたるのではないかと思います。
根本的には、やはり同じレベルぐらい、同じレベル帯、同じ思考性を持った同級生たちと生活していけるという事が一番のメリットになると思います。
それに付随して今度は学校の方で面倒見がいいだとか、色んなオプションを用意してくれているとかいう事は結構多いかと思いますが、一番のポイントはおそらく同質性という所にあるんじゃないかなと個人的には思っています。
1年間で受験勉強する事は不可能?
実際問題として、例えば小学校5年生の終わりのタイミングまで全く受験の時の「じゅ」の字もなかった状態で過ごしてきたものの、6年生になった瞬間に「あ、やばい何かしなきゃ」と思って受験するという方はまあまあいらっしゃいます。
そんなに最近は多くないかなと思いますが。
これがもうちょっと昔、例えば現在のお父さんお母さん世代ぐらいになると結構いらっしゃったんです。
かくいう私もほぼそれに近い形ではあったりします。
なんですが、今現在1年間で受験勉強出来るかどうかと言われると、やはり数十年前と比べるとカリキュラムの消化量、こなさなければいけない量が圧倒的に増えています。
ですので、例えば通常昔であれば1、2年ぐらいで1周出来たものが3年掛からないと1周出来ない、2年半掛からないと全部の単元が終わらないという現象が全教科でなんとなく起きているという感じになっています。
なので、1年間でそれをぎゅっと詰め込むという事は厳しい所があるのかな、とは思います。
ただ、これは受験勉強と区切った時に1年間という話になるだけであって、例えば受験勉強を始める前の段階で色んな事に興味をもって色んな知識が付いているなとか、色んな事が出来るようになっているなという状況であればまた話はちょっと変わってくるという所もあるかと思います。
ですので、単純にこの1年で完全に不可能かというとそういう訳ではないですが、他の方が大体約3年掛けて勉強しているという事を1年でギュッとまとめなきゃいけないという事になるという事だけは覚悟をした上でじゃあ受験してみようかなと思うという事が出来てくれればいいのかなと思っております。
中学受験は複数受験が基本?
これケースバイケースというのはちょっと言い方変ですが、一応基本的には受験校を組み立てる時にはまずメインとなる第1志望校があって、そのあとに第2志望、校第3志望校というものを設定します。
基本的には、第一志望校は実力相応校よりはちょっと上ぐらいみたいな学校が設定されて、第二志望校にはそれよりちょっと上の学校もしくは下の学校、第三志望校がその逆です。
下か上かという形で、自分の現在地と現在地の上と現在地の下というのを3つぐらい決めていくというのが一応基本的な受験のやり方になるかと思います。
ですので、複数受験が基本ですかと言われればそれは基本になるよね、という所になります。
ただ、色んな見方はあるとは思いますが、これはあくまで私の個人的な意見ではありますが、例えば東京、神奈川であれば2月1日が統一受験スタートという日になる訳です。
ですが一応1月校、この辺で言いますと埼玉だったり千葉県だったり、その他の地域というものも一応1月に受験が開催される学校というのは結構多い訳です。
これをどれくらい受けるのかという所で悩まれる保護者様、あと生徒さんがいらっしゃるという所はありますが、一応基本的なラインとしては仮に受験して1%でも入学する可能性があるならば受けてもいいかも知れないとは思う訳です。
ですが、そうじゃない、もう完全に受けるだけで受験ってどういうものかって事を確かめたいというだけで、それ以外の用事がないという学校についてはそんなに沢山受けなくていいのではないかなと個人的には思っています。
これも意見は様々あると思いますが、基本的に私の方からお勧めするのは埼玉、千葉あたりでまず1校、多くても2校ぐらいを受験してもらって、その1月の間にやる事ってもっと沢山あります。
ですから、受験の場数を踏む以外にも色んな総復習をしなきゃいけない、色んなチェックをしなきゃいけない、体調も整えなければいけないという事、色んな事をやらなきゃいけない訳ですから、それに時間を割いて頂いた方が最終的な結果はいいものになるんじゃないかなと思っているという所です。
受験勉強の心得は?
なんか凄いざっくりした質問ではありますが、心得、色々やらなきゃいけない事はもちろん沢山あってそれを消化しなきゃいけないのももちろんあります。
これは例えば小学校4年生ぐらいの生徒さんでよく起こりがちな話ですが、塾から与えられた内容、テキスト、プリントというものがあってこれをちゃんと消化しなければいけないと思い過ぎてしまう生徒さんが結構多いんじゃないかなと思っています。
例えば、国語、算数とここまではまだいいですが、理科、社会についても結構な分量が宿題として出てきてしまいます。
これをやろうとするともの凄く大変で、毎日毎日勉強してお父さんお母さんが交代交代で面倒を見ながら夜中11時ぐらいまで掛かってようやく終わってようやく寝る、土日も潰して頑張って勉強する。
みたいな事をやり始めてしまうご家庭がまあまあいらっしゃるなという印象を受けています。
ですが、一応最低限というかこれだけやっていれば十分ですよという量をカリキュラムとしては提示しているだけの話で、それが4年生の段階で全部が全部覚えておかなければいけない事かというとそういう訳ではないんだというある程度の割り切りというのはどうしても必要になります。
ですので、あまり完璧を求め過ぎずにどうせそのうちやるだろうし、4年生でやった事はもう1回5年生でやるだろうし、5年生でやった事はどこかで6年生できっとまたどこかで出てくるだろうというふうにある程度ここまでやったらもうこれぐらいでいいかと諦めていく、という姿勢は非常に大切なのかなと思います。
一応一番目立つ所でそこなのかなと思っている所であります。
受験時の親の心構え
先ほど最初の方に申し上げた通り、中学時期は基本的には50%50%です。
親御さんが50%、子供さんが50%みたいな受験になるという事が多いというお話を先ほどしておりました。
ですので、そういった意味で考えてあげるとある程度干渉する必要はありますが、ある程度干渉しないという事を選択する事も当然必要になります。
よくお話ししますが、例えば勉強する、勉強した結果としてどれぐらい出来るようになっているかという事は確認しなければいけません。
一番手の掛かる方法だと、この問題を解いた、この問題が理解出来たかどうかを知りたい。
じゃあ似たような問題を色んなテキストからひっぺ返してきて、じゃあこの問題解いてごらん。
正解出来た。よかった、じゃあこの単元は学習出来たんだ。
みたいな事をずっとずっと繰り返すというご家庭もまあまあいらっしゃるとは思いますが、どこかで限界がくるとは思います。
もちろんある程度簡単な問題であれば類題もありますし、その他の問題もあるので色々提供する事は出来ていくと思いますが、最終的な例えば受験段階になった時に同じような問題を探しましょうとかいっても、多分それが見つからないとか、あと難しすぎて何が何かよう分からないとなるケースも結構あるんじゃないかなと思っています。
そう考えた時に、どこまで面倒を見るかという所で、色んなラインの引き方というのはあると思います。
よくお勧めしているのは、勉強時間を管理するというのは基本的には保護者さんの仕事になるだろうという事が多いかなと思います。
要は、何時から何時まで勉強して下さい。
勉強する時間を作りました。
この中で、その中で出来るMAX、最大限をお前は頑張りなさいとして、お子さんに提案をします。
それをずっと繰り返していく事によって、だんだんこの時間の中で終わらせなきゃいけないというマインドが醸成されてくるようになります。
これを狙っていく事が一番大事なのかなと思います。
なので、基本ラインとしては中身までがっつり入らない方がいい時も多いです。
もちろん入った方がいい時もありますが、入らない方がいい時も多いんだ、という意識はもって頂けるといいのかなと思っております。
受験勉強の際に学力以外に必要なものは?
これもよく聞かれる質問ですが、これも回答は1種類で決まっております。
ずばり、体力です。
勉強するにしても、それはそのあと仕事するにしても色んなものでもそうですが、やっぱり体力が一番大事です。
要は、長時間机に座っていられる、長時間授業を受けていられる、長時間覚える作業を出来るかどうかみたいな所です。
ある程度時間が掛かる作業を延々とやり続けなければいけないという中で、体力というものはとても必要になってきます。
ですので、どちらかというと受験が始まる前に準備すべき事って何ですか?と言われた時に、例えば計算が出来た方がいいよね、漢字を沢山知っていた方がいいよね、例えば小学校3年生の段階で5、6年生がやる事を全部覚えているといいよね、という話もあるかと思いますが、それ以上にやっぱり最大に大事なのは体力になるかなと思います。
ですので、日頃どういう生活になっているかという事を確認しながら、勉強以外にも色んな活動を試みていって、年齢にふさわしい体力がちゃんと備わっているといいなと思っている次第です。
受験に役立つ習い事は?
一つ前の話に関連してしまいますが、そういった運動であったりとかそういう類の習い事というのは意外とお勧め出来るんじゃないかなと思っています。
例えば水泳だったりとかサッカー、野球だったりとか色んなスポーツはありますので、その中で興味があるもの、ちゃんと取り組めそうなものをちゃんとやって頂くというのは結構大切な事かなと思います。
それだけだとあれなので、他にも勉強に役立つという意味で言いますと、例えば算数で言うならばよく言われるのはソロバンやっていた方がいいよね、公文式やっていた方がいいよねと言われる事は結構多いんじゃないかなと思いますが、ソロバンにしても公文式にしても、やった事によって得られる計算力というものと、中学受験に必要な計算力というのが若干ズレる事がまあまああったりします。
例えば、3桁×4桁の掛け算が暗算で出来るという事が中学受験にメリットになるかと言えば、なる時もありますしならない時もありますというのがその正解になるかなと思います。
そういう計算をしなくてももっと楽をすればこんな計算のやり方があるよね、という事をやってもらうという事も必要にはなりますので、それだけが全てではないという事はご理解頂けたらと思っております。
中学期限勉強はいつから始めるべき?
先ほどの問題でもあった通りですが、基本的には小学校4年生から3年間で一通りのカリキュラムを学習するという作りで大多数の学習塾はカリキュラムを組んでいる状況です。
なので、最初小学校4年生、要は小学校3年生の2月段階というタイミングで受験勉強を始めるというのが一応基本的なラインになっておりますし、そういう作りになっている塾が非常に多いという事になります。
ここでよく問題になるのは、この3年間だけで本当に足りるのか、という事を疑問に思われる保護者さんも結構多いという事になっています。
例えば3年生から始めた方がいい、2年生の方がいい、1年生の方がいいという事になっていますが、全般的に眺めていると、という話になりますが、近年小学校1年生、2年生ぐらいからずっと通われている、受験勉強しているんだ、という生徒さんは増加する傾向にはもちろんあります。
ですが、1年生、2年生、3年生で何を意識して勉強していたかによって、早めに始めた事がプラスに転じている時とマイナスに転じている時があるんじゃないかな、と思っています。
例えば、何となく小学校1年生からずっと通わせていたけどよく分からない状態で気が付いたら4年生からガスーンと成績が下がっていって、5年生を現在にいたりますみたいな生徒さんは結構いらっしゃる訳です。
要は、早くから始めているからといって成績が上位で安定するかというとそういう訳ではなくて、という事になります。
ですので、漫然と通わしているだけだったらあんまり意味がないかも知れないです。
むしろ、何かの目標設定をもってちゃんと低学年から勉強されているのであれば、それは何かの意味がある事になるのかなと思います。
よく低学年の生徒さんで目標にして欲しい事という事でお話しするのは、出来る限り短時間で勉強を終わらせるという習慣付けです。
例えば、土日を一生懸命全部使って国語の勉強した、算数の勉強した、理科、社会もちょっとやってやろうみたいな事を毎週毎週やっていると、当たり前ですがさすがに5年もやれば疲れます。
ですので、それは受験勉強って限られた期間、出来れば4年生か6年生、もうちょっと欲を言えば5年生、6年生の2年間ぐらいで土日を使って勉強するんだ、という事はまとめてもらって、それ以外の時間をちゃんと有効に活用するという生活スタイルで進めてもらえればいいかなと思います。
その習慣付けとして低学年から勉強を始める、という事はあってもいいんじゃないかなと感じている次第です。
中学受験に向いている子とは?
色んな観点があって、例えば先ほどからずっと言っているような所がうまく回せる子たちが基本的には中学受験には向いているな、と思う訳です。
色んな考え方はもちろんありますが、中学受験というものは基本的にはスピード勝負で色んなものを解いていかなければいけないというのがおそらく他の受験に比べても結構強めに出てしまうという所になっています。
例えば、ある問題が出てきた時にこの問題はじっくり考えれば3分ぐらいで解けるけど、実際問題そこに3分掛けてしまうと他の問題に使う時間がなくなってしまう。
だから、この問題はパッと覚えた事をパッと使って30秒で解かなきゃいけない、という事は結構起こりがちではあります。
ですので、そういった事を考えながら勉強を進めるお子さん、つまりじっくり考えるというよりはスピーディに答えが出せていくという生徒さんの方が相対的には受験に向いていると言われる事が多いんじゃないかなと思っています。
子どもが中々やる気を出さない
もはやクエスチョンでもなんでもないですが(笑)という事は結構多いんじゃないかなと思います。
もちろんそれは色んな要因があります。
学校の生活の中で色んな嫌な事があった結果、勉強に身が入らなくなってしまったというケースもありますし、もちろん例えば塾に行って毎週毎週テストを受けます。
テストを受けた結果、頑張っている気がするのに全然成果が出ないなという所でやる気が出ないという状況に陥ってしまうという生徒さんももちろんいらっしゃいます。
さまざまな環境、さまざまな状況というのが当然あったりする訳です。
やる気を出さない時というか、やる気が出ない時は誰しもある訳です。
子どもに限った話ではありません。
大人でもそうです。
ちょっとなんかやりたくねーな、と思う時は当然あったりする訳です。
その時にやる気を出す方法、無理やり出す方法って結構あとで無理がくる事が結構多くないですか?
なので、そういう時期はあるんだ、という折り込みをしてもらうというのが結構一番大事なんじゃないかなと思います。
他の生徒さんはもの凄いやる気を出して頑張っているのに、うちの子だけなんか勉強しないじゃないか、と思う事もあると思いますが実際そんな事もないです。
どんなに上位の生徒さんでもやる気を失う瞬間はある訳です。
例えば極端な話ですけども、今までずっと模擬試験で10番以内を取っていたのに12番になった瞬間に激烈にやる気を失われた、みたいなケースももちろんあったりする訳です。
傍から見るとなんじゃそれは、と思うかも知れませんが、その子にとってはそれが非常に大事な事で、それがモチベーション下げる原因になってしまっているんだという事になります。
言い方が非常に悪いですが、こういうのって基本的には時間しか解決してくれないと思います。
ですので、やる気を出さないというのであればしばらくほっとけばいいです。
ほっとく中で漏れてしまった勉強の内容ももちろんありますので、それはどこかでカバーすればいいです。
どこかでカバーすればいいので、とりあえずやる気が出ないならしばらく休めば?という事もある程度必要なんじゃないかなと思います。
例えばやる気の問題ではないですが、どうしても前向きに中学受験出来なくなった時、というのが到来する生徒さんもやっぱりいらっしゃいます。
ずっと1年間、数年間ずっと勉強しているんだけども中々成果が出ないな、という事でだんだんモチベーションが下がっていく。
これを無理して、頑張ってやっていこうという事をやった時にプラスの結果が出るかというと、きっとその結果はほとんど出ないかなという事が多いような気がします。
急にやる気が出た瞬間に色んな事が出来るようになるというのはあると思います。
ですので、逆に言うとそのやる気が出るまで待たなきゃいけないという事はあるんじゃないかなと思います。
なので結論としては、そんな時もあるよね、という感じで軽く捉えてもらえればいいんじゃないかなと思います。
という訳で色んな質問がありましたが、色んな回答をさせて頂きました。
ご参考になれば幸いです。