周りの長さの求め方と複合図形の面積【510-02】
円周の求め方・複合図形の面積が苦手なサピックス5年生へ
円周は「直径 × 円周率」で求めます。半径しか分からないときは、先に直径=半径×2を出してから計算します。
サピックス5年生の曲線図形では、円周だけでなく、弧の長さやおうぎ形の周りの長さも続けて出てきます。次の3つを最初に分けておくと、公式の使い間違いを減らしやすくなります。
直径
円のまわり一周全部の長さ。
直径 × 円周率
円周の一部分の長さ。
円周 × 中心角 ÷ 360°
弧に半径2本を足した長さ。
弧の長さ + 半径 × 2

このページでは、サピックス5年生が授業前後に整理しておきたい曲線図形の基本として、円周・円の面積・おうぎ形・複合図形の面積・点の移動をまとめます。公式だけを確認したい場合は、曲線図形の公式早見表から見ることもできます。
- 円周だけ確認したい場合:「円周の求め方」と公式早見表を確認
- 弧やおうぎ形で間違える場合:円周との違い、周りの長さの考え方を確認
- 複合図形で手が止まる場合:4つの求積パターンを確認
- 点の移動が苦手な場合:中心・半径・中心角の見方を確認
サピックス小5算数の他単元もあわせて復習したい場合は、サピックス小5算数「15分まとめ」一覧から確認できます。
動画講義:曲線図形の面積のポイント
本文で公式を先に確認したい場合は、このまま下の「円周・おうぎ形の基本」へ進んでください。全体像を先につかみたい場合は、動画で円・おうぎ形・複合図形の考え方を確認してから本文を読むと整理しやすくなります。
この動画は、サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに「授業に入る前に見ておいてほしいポイント」をまとめた内容です。重要な部分だけを絞ったコンパクトな講義となっていますので、基本事項の復習にご活用ください。
※本動画は、サピックスで使用されているテキストそのものの解説ではありません。あらかじめご了承ください。
1.円周・おうぎ形の基本を整理する
曲線図形の多くは、円やおうぎ形をもとに考えます。円周・弧の長さ・おうぎ形の周りの長さは混同しやすいため、問題文で「何を求めるのか」を確認してから式を立てましょう。
円周の求め方
円周とは、円のまわり一周の長さのことです。
円周の求め方:
直径 × 円周率
- 直径…円の中心を通り、円を端から端まで結んだ線の長さ
- 半径…円の中心から円周までの長さ
- 円周率…円周 ÷ 直径で求められる一定の比
半径だけがわかっている場合は、まず直径=半径×2を考えます。円周を求める問題でミスが出やすいのは、半径をそのまま円周率にかけてしまう場合です。
例:半径5cmの円の円周
直径は5×2=10cmなので、円周は10×3.14=31.4cmです。
ここで確認した「直径をもとにする」という考え方は、弧の長さでも使います。弧は円周の一部分なので、まず円周を求め、そのうえで中心角の割合をかける流れになります。
円の面積
円の面積は、次の公式で求めます。
円の面積:
半径 × 半径 × 円周率
(= 半径2 × 円周率)
円周は「まわりの長さ」、円の面積は「中の広さ」です。どちらも円周率を使いますが、使う公式が違うため、問題文の「長さを求めなさい」「面積を求めなさい」という言葉を見落とさないようにしましょう。
円周率のいろいろな表し方
円周率といえば3.14を思い浮かべますが、問題によっては次のように指定されることがあります。
- 3
- 3.1
- 22/7(7分の22)
- その他、指示された値
必ず問題文の指示を確認し、指定された円周率を使うことが重要です。円周率の指定を見落とすと、考え方が合っていても答えがずれてしまいます。
おうぎ形の面積と弧の長さ
おうぎ形とは、円の一部分を切り取ったような図形です。「中心角」が重要なキーワードになります。
- 中心角:円の中心をはさんで二本の半径で作られる角
- 弧:円周の一部分のこと(おうぎ形の外側の曲線)
おうぎ形の面積は、次の考え方で求めます。
おうぎ形の面積:
円の面積 ×(中心角 ÷ 360°)
つまり、「360°分の中心角をかける」ことで、円全体のうち何分のいくつかを表しているかを計算します。
弧の長さも同じ考え方です。円一周の長さである円周に、中心角の割合をかけます。
弧の長さ:
円周 ×(中心角 ÷ 360°)
例:半径6cm、中心角90°のおうぎ形の弧の長さ
円周は12×3.14=37.68cmです。中心角90°は円全体の90÷360=4分の1なので、弧の長さは37.68÷4=9.42cmです。
おうぎ形の周りの長さ
おうぎ形の周りの長さは、弧の長さだけではありません。外側の曲線に加えて、半径が2本あります。
おうぎ形の周りの長さ:
弧の長さ + 半径 × 2
「弧の長さを求める問題」と「おうぎ形の周りの長さを求める問題」は、最後に半径2本を足すかどうかが違います。サピックスの演習でも、この取り違えで失点しやすいので注意しましょう。
曲線図形の公式早見表
| 求めるもの | 公式 | 注意点 |
|---|---|---|
| 円周 | 直径 × 円周率 | 半径しかない場合は、先に直径を出す |
| 円の面積 | 半径 × 半径 × 円周率 | 直径をそのまま使わない |
| 弧の長さ | 円周 × 中心角 ÷ 360° | 長さなので、もとになるのは円周 |
| おうぎ形の面積 | 円の面積 × 中心角 ÷ 360° | 面積なので、もとになるのは円の面積 |
| おうぎ形の周りの長さ | 弧の長さ + 半径 × 2 | 弧だけで終わらない |
この表の中で特に間違えやすいのは、弧の長さとおうぎ形の周りの長さです。弧は曲線部分だけ、おうぎ形の周りは曲線部分に半径2本を足したもの、と分けて確認しましょう。
公式を覚えていても、複合図形では「どこを足すか」「どこを引くか」「どの線を半径として見るか」で止まりやすくなります。図形単元を順番に復習したい場合は、次のページも参考になります。
計算を楽にする「3.14のかけ算」暗記
曲線図形の求積では、「円周率 × 何か」という計算が必ず出てきます。とくに3.14を使う場合、×9まで暗記しておくと、計算がかなり楽になります。
3.14×1=3.14 3.14×2=6.28 3.14×3=9.42 3.14×4=12.56
3.14×5=15.70 3.14×6=18.84 3.14×7=21.98 3.14×8=25.12
3.14×9=28.26
暗算で出せるようにしておくと、計算負担を減らしやすくなります。
3.14の計算や小数処理でつまずく場合は、曲線図形だけでなく計算単元の基本も見直しておくと安心です。
2.複合図形の面積:公式をどう使うかを4パターンで整理する
円周・弧・おうぎ形の公式を覚えていても、複合図形では「どの部分を足すのか」「どこを引くのか」が見えないと手が止まります。ここからは、曲線を含む複合図形の面積を考えるときの見方を整理します。
曲線を含む複合図形の面積は、ぱっと見が複雑に見えても、多くの問題は次の4パターンに当てはまります。
- ① バラバラにする
- ② 全体 − いらない部分
- ③ 等積移動
- ④ 等積変形
見慣れた図形に切り分けて足す
全体から不要な部分を引く
→
同じ面積のまま動かす
→
同じ面積の別の形で考える
前回の動画と同様、この4つをしっかり使い分ければ、見通しが立ちやすくなります。
① バラバラにする
図形を三角形・長方形・正方形・円・おうぎ形など、面積の求め方がわかっている形に分けて考える方法です。
- 複雑に見えても、線を引くと「見慣れた形」に分けられることが多い
- 分けた一つ一つの面積を求めて、最後に合計する
最初に考えたいのは、「この図形の中に、公式で求められる形が隠れていないか」という視点です。円の一部、おうぎ形、長方形などに分けられれば、あとはそれぞれの面積を足していけばよくなります。
② 全体 − いらない部分
大きな図形全体の面積から、不要な部分(白い部分など)を引いて求める方法です。
- 「求めたい部分を直接計算する」のではなく、「引き算で残った部分」としてとらえる
- 円の一部がくりぬかれている図形などでよく使う
求めたい部分が複雑な形をしているときほど、「大きな正方形や長方形から、いらないおうぎ形を引く」という見方が役に立ちます。
③ 等積移動
形をずらしても面積は変わらない、という性質を利用する考え方です。
- 同じ大きさの三角形や長方形をスライドさせて「見やすい形」に並べ替える
- 「高さ」や「底辺」の長さがそろうように移動させると、面積が求めやすくなる
曲線図形では、すぐに公式を使おうとするよりも、同じ面積のまま見やすい位置に移せないかを考えると、解き方が見えてくることがあります。
④ 等積変形
形を変えても面積が変わらないことを使って、別の形に変えてから面積を求める方法です。
- 曲線をふくむ図形を「長方形」などに変形して考えることもある
- 「この形だと公式が使いにくい」と感じたら、等積変形を疑ってみる
複合図形=この4パターンのどれか(または組み合わせ)と意識して問題を眺めるだけでも、解き方の見通しが立ちやすくなります。
足すか、引くか、移動するかの判断
複合図形で手が止まる原因の多くは、「どの公式を使うか」よりも、どの部分を足すのか、どの部分を引くのかが見えていないことです。次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- 求めたい部分に色をつけるつもりで、範囲をはっきりさせる
- 大きな図形全体から引けそうかを考える
- 見慣れた図形に分けられるかを考える
- 移動や変形で、長方形・三角形・おうぎ形に近づけられないかを見る
最初から暗算で進めようとせず、補助線を引いて「見える形」に直してから計算することが大切です。
「解説を読むと分かるけれど、自分では補助線を引けない」「足すのか引くのかの判断が毎回止まる」という場合は、図形の見方そのものを確認する必要があります。
円・おうぎ形・複合図形は、小5のうちに「公式を覚える」だけでなく、図を分ける・動かす・引いて考える練習まで整理しておきたい単元です。図形単元をまとめて見直したい場合は、小5算数マスター講座や、サピックス小5算数「15分まとめ」一覧も確認できます。
3.おうぎ形を描く点の移動:中心・半径・中心角を追う
おうぎ形を描く点の移動に関する問題は、難しそうに見えても「図で追いかける」ことが大切です。特に、どの点を中心に動いているのか、半径はどこなのか、中心角は何度なのかを順番に書き込むと整理しやすくなります。
半径
中心角
- 中心:どの点を中心に回っているか
- 半径:中心から動く点までの長さはどこか
- 中心角:何度分だけ動いたか
- 求めるもの:弧の長さか、面積か、周りの長さか
基本の考え方
- 半径の長さは一定のまま、点がぐるっと円周上を動いていくイメージ
- 動いた角度(中心角)がわかれば、移動した距離=弧の長さが求められる
- その点が描く部分は、たいていおうぎ形またはその一部と考えられる
点の移動では、点そのものだけを見ると動きが複雑に見えます。中心となる点を決め、半径を補助線で描くと、実はおうぎ形の弧を追っているだけだと分かることがあります。
補助線を使って「移動範囲」を図示する
おうぎ形を描く点の移動問題では、次のステップで整理するとわかりやすくなります。
- 問題文の通りに、点が動く様子を図に描く
- 円の中心や半径を補助線でしっかり描き、中心角がどこからどこまでかをはっきりさせる
- 「点が通った軌跡」がどの部分の弧(またはおうぎ形)なのかを確認する
- 弧の長さやおうぎ形の面積を、円の公式+(中心角 ÷ 360°)で求める
「補助線で整理 → おうぎ形として認識 → 中心角で割合をかける」という流れを何度も繰り返して慣れていきましょう。
点の移動でよくあるつまずき
- どの点を中心に回転しているのかが分からない
- 半径になる長さを見落としてしまう
- 中心角が90°なのか180°なのかを図で確認しないまま計算してしまう
- 弧の長さを求める問題なのに、おうぎ形の面積を求めてしまう
この単元は、式を立てる前の図の整理で差がつきます。式だけを覚えるよりも、「中心」「半径」「中心角」を図に書き込む練習をしておくと、サピックスの授業後の復習もしやすくなります。
点の移動や複合図形は、解説を読めば分かる一方で、自分で補助線を引く段階で止まりやすい単元です。家庭学習で再現できない場合は、個別に図の描き方から確認する方法もあります。
4.サピックス5年生向けの使い方
本動画・本ページは、次のような目的で使いやすいように作成しています。
- サピックス5年生が、授業に入る前に押さえておきたいポイントを事前に確認する
- すでに授業を受けたあとに、「どこが重要だったのか」を振り返る復習用として活用する
- 曲線図形に苦手意識があるお子さまが、公式や典型パターンを整理し直すきっかけにする
とくに算数が苦手な生徒さんは、いきなりテキストの演習に入る前に、次の3点を確認しておくと、授業内容の理解がスムーズになりやすくなります。
- 円・おうぎ形の公式
- 複合図形の4パターン
- 点の移動の「補助線+おうぎ形」の考え方
授業後の復習では、解き直しの前に「この問題は、4パターンのどれで考えるのか」を言葉にしてから取り組むと、ただ答えを写す復習になりにくくなります。
5.よくある質問
円周と弧の長さは何が違いますか?
円周は円のまわり一周の長さです。弧の長さは、円周の一部分の長さです。おうぎ形では、円周に「中心角 ÷ 360°」をかけて弧の長さを求めます。
おうぎ形の面積と弧の長さは、どちらも同じ割合をかけますか?
どちらも中心角の割合をかけます。ただし、もとにするものが違います。弧の長さは円周に割合をかけ、面積は円の面積に割合をかけます。
おうぎ形の周りの長さでミスしやすい点は何ですか?
弧の長さだけで終わってしまうことです。おうぎ形の周りの長さは、弧の長さに半径2本分を足して求めます。
複合図形では、足すのか引くのかをどう判断すればよいですか?
まず求めたい部分をはっきりさせます。全体から不要な部分を引いた方が簡単なら引き算で考え、見慣れた図形に分けられるなら足し算で考えます。どちらも難しい場合は、等積移動や等積変形を疑ってみましょう。
サピックス5年生で曲線図形が苦手な場合、何から復習すればよいですか?
まずは円周、円の面積、弧の長さ、おうぎ形の面積の公式を整理します。そのうえで、複合図形を4パターンに分けて考える練習をすると、授業後の解き直しがしやすくなります。
6.図形の復習が家庭で再現しにくい場合
ここまでの内容を読んで、公式や考え方は理解できても、実際の問題で止まることがあります。特にサピックスの算数では、「思考力」「読解力」「図形感覚」をバランスよく問う問題が多く、単に公式を暗記するだけでは対応が難しい場面があります。
たとえば、次のような状態です。
- 円周や弧の公式は覚えているのに、半径・直径の使い分けで迷う
- おうぎ形の中心角がどこかを自分で見つけにくい
- 複合図形で、足すのか引くのかを判断できない
- 点の移動で、中心・半径・軌跡を図に書き込めない
当塾では、こうした特徴をふまえたうえで、
- 単元ごとの「つまずきやすいポイント」を事前に整理
- 図や補助線を使った考え方のプロセスをていねいに指導
- サピックスの学習サイクルに合わせた復習・フォローを行う
といった形で、サピックスに通塾しているお子さまの学習をサポートしています。
詳しいご案内はこちら
SAPIXの特徴についてはSAPIXの算数・通塾の特徴についての解説、当塾でのSAPIX対策については当塾のSAPIX対策の詳しい内容をご覧ください。
まとめ:曲線図形は「公式+4パターン+補助線」で整理する
- 曲線図形の基本は、円周・円の面積・弧の長さ・おうぎ形の面積を正しく使えるかどうか
- 円周率は3.14だけでなく、3・3.1・22/7など指示に従って使い分ける
- おうぎ形の周りの長さは、弧の長さ+半径2本で考える
- 複合図形は、①バラバラにする ②全体−いらない部分 ③等積移動 ④等積変形の4パターンで考える
- おうぎ形を描く点の移動は、補助線で移動範囲を図示し、「おうぎ形+中心角」で整理するのがコツ
- サピックス5年生で算数が苦手なお子さまは、授業の前後で本動画と本ページを活用し、「公式の暗記」ではなく「考え方の流れ」を身につけていきましょう。
曲線図形は、一度しくみが分かると見通しを持って解きやすくなる単元です。ぜひ動画とあわせて、何度も見返しながら自分のものにしていきましょう。
曲線図形でどこに不安があるかによって、次に見るページを選ぶと復習しやすくなります。
- 3.14の計算や小数処理が不安な場合:概数の基本を確認する
- 図形単元をまとめて復習したい場合:小5算数マスター講座を見る
- サピックス小5算数の他回も確認したい場合:サピックス小5算数「15分まとめ」一覧を見る
算数の個別指導・学習相談をご検討の方へ
曲線図形・複合図形・点の移動など、図で考える単元を家庭学習で再現しにくい場合は、現在のつまずき方を整理したうえで、必要なサポートを検討できます。
- 円周や弧の公式は覚えているのに、問題になると使い分けられない
- 複合図形で補助線をどこに引けばよいか分かりにくい
- 点の移動で、中心・半径・中心角を自分で整理できない
- 宿題と直しが回らず、図形単元が積み残しになりやすい



