510-01 小6算数「平面図形」の攻略法──等高図形と角の考え方を例題つきで解説
この動画では、中学受験算数で頻出となる「角度の問題」「直線図形の面積」「等高図形の2等分」について、サピックスに通う小学5年生向けに重要ポイントをコンパクトに整理しています。
とくに、図形分野が苦手なお子さまがつまずきやすい「考え方の型」を先に押さえてから授業に入れるように構成されています。授業前の予習や、テスト前の基本確認にぜひご活用ください。
本動画の内容と学習のねらい
この動画は、サピックスに通塾している小学5年生で、算数が苦手な生徒さん向けに「授業に入る前に見ておいてほしいポイント」をまとめた内容です。重要な部分だけを絞ったコンパクトな講義となっていますので、基本事項の復習にご活用いただければ幸いです。
※本動画は、サピックスで使用されているテキストそのものの解説ではありません。あらかじめご了承ください。
動画で扱っているのは、次の3つのテーマです。
- 1.角度の問題
- 2.直線図形の面積
- 3.等高図形の2等分
これらに共通するキーワードは、「基本の公式」と「よく使う性質」をしっかり覚え、それを図形に当てはめていくことです。以下、各テーマごとにポイントを整理します。
1.角度の問題の基本
角度の基本知識をおさえる
まずは、角度に関する基本的な事実をしっかり確認しておきましょう。
- 1周:360°
- 1直線:180°
- 1直角:90°
この3つの値は、ほぼすべての角度問題の「出発点」になります。図形を見たときに、
- 「ここは1直線だから、2つの角度を足すと180°」
- 「十字に交わる線だから、向かい合う角は等しい」
といったように、自然と頭に浮かぶ状態を目指しましょう。
二等辺三角形と平行線に注目する
角度の問題は、大きく次の2つに分類して考えると整理しやすくなります。
- 二等辺三角形に注目する問題
- 平行線に注目する問題
どちらも非常によく使う考え方ですので、図形の中にこれらの形が隠れていないか探すクセをつけておきましょう。
- 二等辺三角形のポイント
・2つの辺が等しい → そのはさむ2つの角も等しい
・頂角と底角の関係を式で整理しやすい - 平行線のポイント
・錯角・同位角が等しい
・「平行マーク」が出てきたら、必ず角度の等しさを探す
正多角形の内角・外角
正多角形の問題では、内角と外角の意味と計算方法を正確におさえておきましょう。
- 内角:多角形の「内側」の角
- 外角:1つの辺を延長してできる「外側」の角
公式そのものはテキストに譲りますが、
- なぜ内角の和がこうなるのか
- なぜ外角の和はいつも同じになるのか
といった「理由」も一緒に理解しておくと、公式の丸暗記に頼らずに解けるようになります。
2.直線図形の面積
基本の面積公式を正確に覚える
まずは、よく出てくる図形の面積公式を迷わず書けるレベルにしておきましょう。
- 三角形:底辺 × 高さ ÷ 2
- 正方形:1辺 × 1辺
- 長方形:たて × よこ
- 平行四辺形:底辺 × 高さ
- 台形:(上底 + 下底) × 高さ ÷ 2
- ひし形:対角線 × 対角線 ÷ 2
ここでのポイントは、
- 「何を底辺(上底)・高さとするか」を正しく見抜くこと
- 公式にあてはめる前に、図形に高さの線をしっかり書き込むこと
です。図を動かしたり、補助線を書き足したりして、「この長さが高さなんだ」と納得しながら公式を使うようにしましょう。
複雑な面積を求める4つのパターン
複雑な図形の面積を求めるときには、次の4つの考え方を使い分けます。
- バラバラにする
図形を三角形や長方形など、面積が求めやすい形に分けて合計する方法です。 - 全体 − いらないもの
大きな図形の面積から、必要のない部分を引いて求める方法です。
例:長方形 - 三角形 = 求めたい部分 - 等積移動
図形の形を「平行移動」させるなどしても面積は変わらない、という性質を利用する方法です。 - 等積変形
図形を切って貼り合わせたりして、同じ面積を持つ別の形に変えてから面積を求める方法です。
ほとんどの面積問題は、実はこの4パターンのどれかに当てはめることができます。問題演習の際には、
- 「この問題は4パターンのどれにあたるか?」
- 「別のパターンでも解けるか?」
といった視点で解き方を整理しておくと、初見の問題にも対応しやすくなります。
3.等高図形の2等分
等高図形とは?
等高図形とは、高さが同じ図形同士のことを指します。代表的なものが「高さが等しい2つの台形」です。
「高さが等しい台形」の性質
動画で紹介している重要な性質は、
「高さが等しい2つの台形は、それぞれの『上底+下底』も等しい」
というものです。
この性質を利用すると、
- 台形を2つの図形に分けて面積を等しくしたいとき
- ある線で切ったときに、左右(または上下)の面積が等しくなる条件を知りたいとき
などに、「上底+下底」の長さに注目することで、面積の等しさを判断することができます。
台形以外の図形(例:平行四辺形や長方形を台形に分けたもの)にも応用できる考え方ですので、しっかり頭に入れておきましょう。
当塾でのSapix対策について
この動画は、Sapixの授業内容にスムーズに入っていけるように、「事前に押さえておきたい基礎・考え方」をコンパクトにまとめたものです。
- 角度問題での「二等辺三角形・平行線の見つけ方」
- 面積問題での「4つの解き方パターン」
- 等高図形での「上底+下底」の意味
といったポイントを事前に理解しておくことで、Sapixの授業で扱う応用問題にも取り組みやすくなります。
さらに詳しいSapixの特徴や、当塾での具体的な対策については、以下のページもあわせてご覧ください。
まとめ:図形分野の「型」をおさえて得点源に
本動画で扱っている内容は、いずれも中学受験の図形分野で繰り返し登場する重要なテーマです。
- 角度の問題:1周・直線・直角の基本と、二等辺三角形&平行線への注目
- 直線図形の面積:各図形の面積公式と、「バラバラ」「全体−いらないもの」「等積移動・等積変形」の4パターン
- 等高図形の2等分:「高さが等しい台形」では、上底+下底が等しければ面積も等しいという性質
これらの「考え方の型」をしっかり身につけておくことで、難しそうに見える図形問題も、落ち着いて整理しながら解けるようになります。
図形が苦手なお子さまは、まずはこの動画で紹介している基本事項をおさえたうえで、実際の問題演習で「どの型を使うのか?」を意識しながら取り組んでみてください。



