中学受験Q&A(6)

苦手科目への取り組み方は?

これもどこかでお話ししたかも知れませんが、やっぱり時間が掛けづらい、苦手であるが故にあんまりやりたくねえなと思ってしまう事が結構多いんじゃないかな思います。
取り組み方、最初の第一歩がおそらく肝心ではあろうかと思いますが、どうしても他の科目は偏差値60あって、一つだけ偏差値40だという事になってしまうと、なんとかしてこの凹んでいる科目を40から60にあげなければいけないと、高過ぎる目標に設定しまう事が非常に多いなと色んな生徒さんを拝見してて思う訳です。
当たり前ではありますが、目標というのはもうちょっとスモールステップで設定していくものだと思いますので、40がスタートであれば次は43だね、そして47だね、49で50だね、50になったら次は55だね、みたいな感じで偏差値でいうとそんな感じで、ちょっとずつちょっとずつ苦手というものを工夫するというステップを踏んでもらえればいいという事になるかと思います。
それからもう一点、苦手科目になるなるほどやらなきゃいけない分量はどうしても増えてしまいます。
だからこれだけの量をやらないといけないんだ、という意識に捉われてしまう事が多かったりしますが、これも先ほどの話とちょっと被りますが、例えば算数という科目が特にそうですが、どこまで戻ったらいいの?となります。
どこまで戻ればちゃんと理解出来るようになるだろうかと考える必要が出てきます。
状況に応じてもの凄く戻れるんだったら当然戻った方がいいですが、戻りきれない時もあったりします。
例えばこの苦手科目ですが、6年生も後半になっていて9月10月ですという時に10月からこの苦手科目をなんとかしたいんですという場合に、例えば4年生のテキストから順番に解こうよ、というのはあんまり得策ではないはずです。
もちろんその段階で出来る事出来ない事も当然あったりするかと思いますが、ある程度絞り込む必要性があります。
そして、ある程度のレベルの所から復習を掛けていくという事が必要になるかと思います。
ただ、戻れる時と戻れない時がやっぱりあったりするという事はご認識頂けるといいんじゃないかなと思っております。

受験学年前の先取り学習は有効か?

これもよく出てくるテーマです。
例えば、4年生であれば5年生の内容を勉強する。
5年生では6年生の内容を勉強するという形で先取り学習を行なわれる生徒さんはまあまあいらっしゃいます。
ですが、極端な例でいうと例えば小学校1年生2年生ぐらいの時に5年生6年生の内容をやってますよ、という生徒さんももちろんいらっしゃいます。
ですが、それが有効かといわれると、という話です。
例えばどのレベルの1年後2年後を勉強しているのかによって大分話が変わってきます。
例えば、5年生の状態で6年生の内容を先取りしたいなと思った時、その6年生の内容のうち基本的な部分だけを学習して先取りしておこうという事を考えます。
これに意味があるかといわれればそんなに意味がないかなと思います。
特に算数ではそうですが、5年生でやっている標準的な内容と6年生でやる基本的な内容はほぼ変わりません。
やっている事はあまり変わりませんので、結局先取った事にもなんにもなっておらず、要はシーンの違う事を別の形でやっているだけになってしまいがちではあります。
なので、やるならちゃんとそこそこのレベルの事をやった方がいいと思いますし、基礎レベルだけをやるというんだったら最初から学年通り勉強して頂いた方がいいんじゃないかなと思います。

中学入試直前学校は休ませるべきですか?

これも色んなご意見がある事は承知をしています。
もちろん休んだ方がおい休まない方がいいという事になりますが、一応判断の基準はいくつかあるかなと思っています。
一つの判断の基準としては、学校を休んでまでやらなきゃいけない事が山積しているかどうかという所になるかと思います。
やる事があるんだったら休んでやってもいいのかも知れません。
やる事がない、ないというか少なくとも見つかっていない場合は普通に学校に行った方がいいんじゃないの?という事になります。
別に暇をもて余すから学校に行けと言っている訳ではありません。
先ほどもありましたが生活のサイクルを一定に保つという事が何よりも圧倒的に大事だという事からこのお話をしています。
ですので、学校を休ませるべきですか?
休んでまでやる事があるんだったら休んでおいんじゃないの?
それ以外の場合は普通に学校行った法がいいと思いますよ、という事になります。
近年、例えば風邪だったりとか色んな感染症だったりとかいうものもありますので、それの対策として学校を休むという方もいらっしゃいます。
それはそれで逆に休むんだったらこういう事をやろうというのを確実に決めた状態でやってみて欲しいなと思います。

塾のテストの効果的な復習方法は?

これもよく出てくるテーマではあります。
テストを受けました、復習しました、見直しました、じゃあもう一回この問題を解いてみようか、あれ?何か知らないけど解けないな、みたいな事になっています。
そういうケースが非常に多いんじゃないかなと思います。
当たり前の話ですが、例えば2月の段階で受けたテストを2月に復習しました。
それが4月5月6月になって、その内容を事細かに覚えているかといわれるとそういう訳はない、という話になります。
ですので、こういった場合に、復習するという頻度をどう作るのかという事が結構大切になってきます。
出来れば極力短い頻度でやっていきましょう。
ただ、宿題なりテストなりをやっているとある程度の問題は間違ってしまう訳なので、やればやるほど何週もしなきゃいけないというものがたまっていきます。
もちろんそれを全部消化しきれる生徒さんもいらっしゃいますが、そうじゃない生徒さんの方が多分多いんじゃないかなと思っています。
ですので、そういう時によくお伝えするのが、例えば宿題が何種類かある、テストが何種類かある中で、どこかの一種類だけに絞って何回も何回も復習するという事をやってみればいいという事をお話します。
もちろん全部出来る事に越した事はないですが、今回はこれ、次の回これ、今回これ、みたいな感じでバラバラのものをやっているとどうしても単元に偏りが出てきてしまいます。
ですので、何か1個に絞ってちゃんと全単元が満遍なく学習出来るようなものを選択してもらって、それをちゃんと淡々と毎回毎回、何回も何回も復習していくという事が出来ていくといいんじゃないかなと思います。


夏休みの自由研究と中学受験対策につなげるコツとは?

夏休みの自由研究、例えば5年生4年生ぐらいの話だと仮にしておきますと、その時興味をもって欲しいテーマというのはまああるという事ではあろうかと思います。
それがしっかりリンクするかどうかというのはさておきという話ですが、もし夏休みの自由研究というものを結構真面目に取り組みたいという時に、それがどう受験対策につながるのかという事を考えるという時には、出来る限り色んなものを調べる必要性があるものというのをやって頂けるといいんじゃないかなと思います。
例えば、こういう事を調べたい、こういう事を調べたい、例えば2、3と調べてそれで終了だ、みたいな感じのやつだと自由研究としても成り立ちづらいかも知れませんし、更に受験対策としても全く関係がないものになってしまうかなと思います。
近年中学入試に出てくる問題、これは多分教科問わずの話ではありますが、情報量が確実に増えているという所があったりします。
算数という科目一つ取ったとしても、元々は例えば1行で問題が済むような問題がたくさんあってねみたいな感じ、それは現代でももちろんあったりするんですが、そうじゃない問題も結構多かったりします。
とあるゲームがあって、そのゲームのルールが長々と書いてあってそこから何かを読み取って答えを出す。
一番多いのは多分都立中高一貫校あたり、公立の中高一貫校あたりで出題されそうな問題ではありますが、それは別に都立だけ、公立だけの問題ではなくて、他の私学、私立の中学校でも出題される事が近年ちょこちょこ増えています。
ですので、色んな大量のものをどうやって扱うのかという事を勉強するという意味で、ボリューム感のある自由研究のテーマを選んでもらうという事も一つの方法なのかなと思います。

塾の宿題を消化しきれない時は?

通われている塾によってあんまり宿題ないという所もありますが、基本的にはそこそこの分量があって、消化出来る子と消化出来ない子が如実に分かれてしまう事が多かったりします。
もちろん消化するに越した事はないですが、これが消化出来ない、どう考えたって無理だという事は当然あったりします。
おそらく目線としては二つ必要で、まず一つ目に本当にこれ全部消化しなきゃいけないの?という事を考えるべきという話はあったりします。
一応塾側から出す宿題というのは、受験に必要なものを全パターン網羅的に出したいからある一定の量を出すという事になっています。
ですが、その全パターンをちゃんと全部抑える必要性がどこまであるかという事はしっかり考えてもらえるといいのかなと思います。
問題によっては、例えばもうほぼ同じ問題で数字だけ違うという問題が3題に並んでいて、これを全部解ぁなきゃいけないという事があります。
もちろん練習としては必要ですが、それが全員にとって必要な練習かというと、そういう訳では決してないだろうなという事を考えてもらう必要があります。
それから二つ目、もちろんそのタイミングで宿題が出来る事に越した事はないですが、おそらくですがその宿題その問題はきっとあとでまたやるはずです。
ですので、あとでどっかでやるんだって事を考えておけば、一旦ここでは置いといて次の週の話に進んでいこうという形で勉強を進めるのも一つの方向性ではないかなと思います。
なので、塾の宿題を消化しきれない時はそれはあるに決まっているんだから、1回置いておきましょうよ、という事を考えるのも一つの手ではないかなと思います。

中学受験、上位校でなくても進学させる意味はあるか?

これは学校というものに何を求めるのかによって話が大分変わってくる所ではないかなと思いますが、この話はおそらくどこに中学受験をするメリットを置くのかによって話が変わってくるような気がします。
基本的に一番大きいものだと私は個人的に思っていますが、中学受験をするメリットの一つとして、いわゆる中学校生活、高校生活において同質性が担保されるという所が一番大きいような気がしています。
要は、同じようなレベル感で同じような方向性をもって努力する、勉強すると同級生が周りにたくさんいるという状況が作られるという所が一番のメリットではないかと考えています。
なので、その意味でいうとそれが上位校である必要性があればいいですけど、別になくてもそれは達成されるはずだという事になりますので、そういった形でこの意味合いを考えてもらえればいいないかなと思います。

 

午後入試のメリットは?

近年2月から始まる入試においては、午後に必ず試験があるという事は非常に多いです。
もちろん午前入試だけを受験する生徒さんもいらっしゃいますが、おそらくほとんどの方が午前受けて午後受けてみたいな事をやる事になる事が多いんじゃないかなと思います。
基本的には午前入試よりも午後入試の方が結構ハードな事が多かったりします。
それはもちろん体力的な面でもそうですが、基本的には数は午前よりは少ない訳ですから、受験生が集まりやすい学校が増えてくる。
午後入試が生まれた事によって起きた事としてよく拝見するのは、という話ですが、かなり詰め詰めに受験するという事になった上で、その対策をする学校の数もどうしても増えてしまうという事です。
例えば、それぞれの学校に対策が必要になった時に、どうしても対策が2月までに間に合わないというケースがちょこちょこ増えてきているんじゃないかなと思います。
あくまで午後入試というものはもちろん学校にもよりますが、そこまで対策しなくてもちゃんと受験して何か結果が見通せる、という学校を中心に選択をすべきではないかと思います。
午前も午後も全力を振り絞って頑張ろうという事はおそらく結構大変な事だと思いますので、そういった事も含めて午後入試というものをどう捉えるかという事をお考え頂くという事が必要なのかなと思っている次第です。

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