中学受験Q&A(4)~併願校の選び方と通学の重要性~

併願校の選び方は?

併願校とは言っていますが、その併願校の中にも、例えば受験校と併願校は何が違うんですか?という話になります。
例えば、受験はしたものの、合格しても多分いかないみたいな学校が併願校に混ざっている場合がたまにありますが、一応受験が終わってその2ヶ月後には入学して、そこから中学校生活が始まるという事になります。
なので、まず通える範囲、ここまでだったらなんとか頑張ったら通えるかな、という範囲内でちゃんと学校を探してもらうという事は結構大事な事なんじゃないかなと思います。
要は、数字だけを見て、じゃあこれぐらいだったらこの学校行けるんだろう、多少遠いけどまあいいかと決めてしまうと、中1から長時間通学しながら日々を過ごします。
これが1年ぐらいだったらいいんですが、最長6年間長時間通学するという事を繰り返さなきゃいけません。
それなりのロスもありますし、その時によって起こる弊害も当然あろうかと思います。
なので、そういった所と天秤に掛けながらどういった学校を選べばいいのかという事を考えて頂けるといいかなと思います。

四谷大塚の「合不合判定テスト」が結果が悪かったらどうする?

困りますね。
なんですが、これも模擬試験の話の中でもちょっと共通して出てくる話ではありますが、この合不合判定テストで合否が直結するような学校とそうじゃない学校というのは結構あったりします。
例えば算数の問題で言うと、おそらく何も測れないというのが正直な所です。
合不合で出てくるような問題よりももうちょっと別の切り口の問題というのを解いてみて、これが解けるかどうかという事を確かめた方がいいよね、という事もありますので、合不合で結果が悪かったからといって別に過去問で点数が取れないかというとそういう訳でもないというようなケースもたくさんありますし、その逆も然りです。
近年、合不合判定テストの内容が難しくなっていますので、この中でこの問題は別に解けなくても普通の問題が解けたら合格出来る学校はちゃんとあるという事になりますので、その結果が悪かったらもちろん見直しをして何が間違ったかというのはちょっと考えて欲しい所ではありますが、模擬試験の一つでもありますので、結構癖が強い試験でもあったりします。
なので、そういった事を踏まえながらどこまでをちゃんと見直しして、どこまでを勉強して、どこまでを自分の糧にするのかという事を考えながらやって頂ければいいかなと思います。
少なくとも数字を見てとか、合格可能性だけを見て、ああ、やばいとか、ああ、よかったと思わない方がいいかなと思っています。

うっかりミス体質は治せるのか?

これはもう毎年毎年話題になってくる所ではあります。
うっかりミス、もしくはケアレスミスという名前で呼ばれる事が多いのかなという所です。
治るんですか?と言われれば治るんです。
例えば、幼稚園生の頃に出来なかった事が小学生になったら出来るようになる。
それはそういう事もたくさんあります。
ミスなく進める事もあるだろう。
子供と大人といっても子供の頃はなんかもの凄いたくさんミスしたけど大人になったらミスなくなったね、みたいな事は当然あります。
もちろん残り続ける事も当然あったりしますが、治せるのかという話ですが、これもお子さんの傾向によって2通り考えられるかな、という所です。
まず一つ目によくお話しするのが、基本的に受験に近付けば近付くほどミスというのは減る傾向にあります。
なぜなら、このテストで点数が取れなかった結果、結局志望校から遠ざかっているんだという事がより強く認識出来るからという事です。
要は、ミスに対してミスっちゃいけないんだ、とどれだけ真剣に思えるかによってミスの数は増減していくという事になります。
なので、だんだん受験が近付けば近付くほど本当にうっかりのミスというのは多少減っていくんじゃないかなと思います。
そこは、例えば3年生、4年生の段階でミスが多いんだけどどうしたらいいんですか?という時にはそういうお話をする事が多かったりします。
一方で、解いた様子を拝見すると、それはミスするよね、というケースも結構多いのも実情です。
例えば数字が色んな所に書いてあって、どの数字がどの答えになるのかという事が書いた本人にも当然分からないし、見ているこっちも分からないというケースも結構多かったりします。
ですので、ミスるべくしてミスっているっていう事もあるんだという事も意識のうちに入れておいて頂ければいいかなと思います。
ちゃんと問題用紙の中でもちゃんと書き方を整理して解いていくという事でそのミスというのは減る事もあるんだよ、という話になりますので、その2面から考えて頂けると必要なミスというのはなくなっていくんじゃないかなという事になります。

科目間格差が大きい時どうする?

これもよくある話です。
例えば、国語だけが異常に出来ていて他の教科が大変だ、みたいな事になっている。
逆に算数しか出来ない。
他はもう本当にやばいんだ、というケースも多いんじゃないかなと思います。
あと最近多いなと思うのが、社会だけもの凄い出来るんだけど他の教科がなんか苦手でずっと続いているなというケースというのもあるかなと思います。
様々なケースがあるんですが、こういった場合にどうするのかという事ですが、あくまでも受験というのは限られた期間の中でなんとかするという所ではありますので、あまりにも差が付く場合にはどうしても志望校にだいぶ影響してしまいますので、それぞれ苦手な教科というものを一体何が苦手なのかという事をちゃんと明らかにした上で対策を講じていくという必要があるかと思います。
ただ、この科目間格差が起きる時の一番多いパターンはどんなパターンかと言いますと、そもそも勉強時間の配分が非常に歪だったりする事が多かったりします。
算数は好きだからもの凄く勉強するんだけど他の教科は嫌いだから全く勉強しない。
それは成績も差が出るよね、というのは当たり前だという話になっているようなケースもそれなりに拝見はいたします。
なので、勉強時間の配分というのをきっちり決めておいてもらって、そして達成のレベルというものをちゃんと決めておいてもらって、このレベルで例えば80%くらい覚えましょうとか、70%くらいを理解しましょうとか、6割の問題を解けるようになりましょうとか、いうふうに決めておいた状態その時間の中で最大限勉強してもらうという事をやってもらう中でだんだんと科目間格差というのは減少はしていく傾向にはあるかなと思います。
ただ、完全にそれが均一化されるかというとおそらくされないと思います。
元々得意と不得意がありますからとっつきが悪いのととっつきがいい科目というのは当然ある訳です。
という事になりますが、ある程度のでこぼこは仕方がないと割り切ってもらうのも一つの方法ではあるかと思います。
ただ、このケースでよく拝見するのが、例えば他の教科が悪いけど算数だけはなんとかなっているな、とじゃあ算数だけは鍛えに鍛えて鍛えまくって算数だけで100点を取って他で50点ならなんとかなるんだ、と言う勉強のされ方をされる方がたまにいらっしゃいます。
ですが、これは結構リスクが多いので、本当はやめた方がいいかなと思います。
あるテストで、60点から70点にする努力と、70点から80点にする努力、80点から90点にする努力はだいぶ違うはずです。
要は、もの凄い細かい所まで考えてあげないと、8割9割の点数は取れないけど、大体の事が分かっていれば7割ぐらい取れるよ、みたいなテストは結構多かったりします。
要は、100点にならないように難易度を配分していますので、最後のラスト10%、上積みの10%くらいの問題は結構難しい問題が各学校出ています。
ですので、ここでなんとか100点を取ってというのは結構勉強量を増やさなきゃいけないしやる事も増えてしまうんだという事になります。
なので、得意を伸ばしさえすればいいんだという事にもならないんだ、という事はあらかじめ注意しておいて頂けるといいのかなと思います。


主体性を育てる為には?

なんかうちの子は本当に自分からは絶対勉強しないんだというお話を聞く事は日々多かったりする訳です。
言い方は変になりますが、例えば、お父様お母様保護者の方が子供時代にどういう過ごし方をしたか。
もちろん主体性をもって勉強された方もそれなりにいらっしゃると思いますが、多くはそんなに自分から進んでちゃんと勉強して、という事が出来なかった方の方が多いんじゃないでしょうか?
かくいう私もそうです。
宿題なんて多分言われるまで絶対やらないし、意地でもやるかと思っていました。
という事になりますので、まずお子さんだけに主体性を求めるのは結構酷だよね、という話がまず1点あるのかなと思います。
あと、どこかでお話したかも知れませんが、中学受験は基本的に保護者の方と生徒さんの力関係が大体50%50%ぐらいがちょうどいいというお話があります。
親御さんの力だけでもないし、お子さんだけの力でもないというスタイルになります。
なので、主体性といっても全部奪ってしまうのもよくないし、かといって全部放任してしまうのもよくないというのがまず基本ラインにあるんだと思っておいて頂ければいいかなと思います。
その中で、お子さんの主体性、もちろんある程度は必要ですが、例えばよくあるのは、この間違ったテストで間違った問題を眺めて、一体自分に何が足りないのか考えてごらんっていうやつです。
多分ほぼ無理です。
そこから見て、じゃあどういう傾向があって、どういう事を注意すればこれからミスらなくなるのか、という事、間違えないようになるのかというのはおそらく受験生本人からは見えない事が多過ぎます。
なので、そういうのを主体制とは多分呼ばないですよね、という事になるかと思います。
ある程度の主体性というのはとりあえずまず自分から机に座るという事、あと、欲を言えばこの単元が弱いからこの単元を勉強しなきゃいけないなと自分から思えるかどうか、これぐらいでおそらく十分じゃないかなと思います。
主体性をどれぐらい重視するのかという事と、どれほどの主体性を求めるのかという事には結構その限界ラインがあるんだよ、という事は理解しておいてもらえるといいかなと思っております。

中学受験の父親の関わり方は?

近年父親母親という所で役割が変わる、変わらないという話はあんまりしない事になっていますが、ここでいう父親という事で言いますと、例えばですが、中学受験の勉強を普段やられているお仕事に見立てて色んな事を計画されてしまうというお父様、お母様もそうですね、保護者様にお会いする事はまあまああります。
要は、この時間掛けてここからここまで時間やって、これがちゃんと達成されるべき。
これが達成したら次これが達成されて、ここからやったら次これが出来て、という感じで計画通りに話を進めていって、最終的に志望校に合格するんだ、というプランニングを重視されているケースという事になる訳です。
これもケースバイケースでもちろんお子様によってはそれで上手い事いったというケースももちろんあります。
ですが、大体の場合その計画通りいかないというのは多い所ではあります。
お仕事でもそうですよね。
計画通りに全部進んでいくというそんなラッキーな事は中々ない訳です。
ですので、ある程度は何か起きるよね。
もちろんそこにバッファを用意してもらって、なんかあった時用の時間はこれだ、となりますがその進行具合というものがやっぱり読み切れません。
例えば、もの事を理解するというのはそのタイミングで出来る事と出来ない事はやっぱりあります。
例えば、つるかめ算という単元があった時につるかめ算は大体10個くらいの話がギュッてまとまった文章題ではあります。
つるかめ算の中には差のつるかめ算もあり、三つのつるかめ算もあり、比が決まっているつるかめ算とか様々なパターンがありますが、それを一気に勉強出来るかというとそういう訳ではなくて、最初は基本的なつるかめ算に慣れた状態で初めて次のつるかめ算の話が出来るという事もあります。
なので、その計画の切り方によっては結構無謀な計画を立ててしまっているケースもまあまああったりするんだ、という事になります。
ですので、計画というのはもちろん大事な訳で、我々はその計画、指導計画に基づいて授業をしていくという事は当然あったりしますが、これが出来るかも知れませんし出来ないかも知れないという事も考えながら勉強の計画は進めてもらえるといいのかなと思います。
あくまでも仕事とは種類が違います。
大人相手ではない、子供なんだからという所をちょっと認識しておいて頂けるとグッと楽になる瞬間もあるんじゃないかなとは思いますのでそこら変はご承知して頂けるといいかなと思っております。

中学受験の子供に親が言ってはいけない言葉は?

これは多分我々もそうですが、よく言うフレーズです。

「なんで出来ないの?」

お子様の立場に立って考えてもらえば分かると思うんですが、なんで出来ないの?と言われても分かるかい!という話です。
よっぽど反抗精神旺盛なお子さんじゃない限り、自分で分かっているぐらいなら多分修正するんです。
そうじゃないから分かんないんです。
だから、我々もそうですし、保護者様にもそうですが、なんで出来ないの?という言葉だけは本当に言っちゃいけないという話はよくあるんじゃないかなと思います。
極力、なんで?というよりはそもそもどういう事があったかと深掘りするというのは必要にはなってきます。
どうやって、こんなふうにやったから結局この問題解けなかったんだね、という事を分析する事は問題ないですが、お叱りとしてなんで出来ないの?というのは非常に宜しくないという事は認識してあげるといいかなと思います。

大手進学塾の特徴は?

大手進学塾といっても様々ありますので、色んな傾向がもちろんあったりするとは思います。
少なくとも大手の場合だと、色んなレベル帯の生徒さんがいるという事を前提としている塾さんがかなり多いです。
要は、もの凄く難しい学校を目指している方と、そうでもない一応それなりの学校を目指している方というのが同じ塾内にいて、ここからが大事ですが、基本的に同じカリキュラムに則って、同じテキストで勉強しているというケースがあったりします。
そういうケースというかこれはほとんどにはなります。
もちろん範囲の中で、例えば一番上のクラスだと10ページ勉強して欲しいけれども一番下のクラスだったら5ページぐらいでいいよ、という形でやっている所もあります。
これ当然の話ですが、各レベル帯、各状況に応じて練習しなきゃいけない問題は結構変わります。
例えば、その10ページと5ページと差がついている中でいうと、5ページの分量は結構少ないんです。
何題かペラペラって宿題をやったら宿題終わった、ラッキー、やったー、終わり、という形で勉強が終わってしまう。
それ以上追加される問題もないのでそれ以上勉強しません。
となるとどうなるかといいますと、そもそも練習量が足りていないので、この問題、1から5ページ分、5ページ分の問題も結局1週間経ったら解けなくなっているというケースが結構多いかなと思います。
もちろんそれは分からないでもないですが、やっぱり練習量というのは結構大事です。
そして、継続して勉強するという事はやっぱり大事なので、特徴といいますか気を付けて頂きたい所として、ちゃんと適切な学習量を提示出来るかどうかという所が結構効いてくる所ではないかなと思います。
なので、そんな観点で通塾される塾を選んで頂くのも一つなのかなと思っております。

良い塾とは?塾の選び方は?

当塾のような個別指導塾であれば、良い塾とは?というのはおそらくちゃんと現状を的確に判断して現状に対する対策というのを的確に打つ事が出来るという所が最たる所です。
おそらくこれ以外に何もないと私は思っています、そういう所になるかと思います。
それが例えば集団授業、もうちょっと大きな塾になった時にどういう所になるのかなという所ですが、これもやはりいろんなバリエーションをちゃんと用意出来ているかどうかという話しです。
外から見づらい所もあったりします。
もちろん全クラスあるから全クラスちゃんと面倒を見ますよ、という話はもちろん皆さんする訳です。
本当は上位帯の方に手厚くて、上位帯じゃない方は結構手を抜いているなと感じる塾もまあまあありますが、そんな事を例えば説明会で説明する事はない訳です。
ですので、実際に出てくるものを見て頂きながら、ひょっとしたらこれ面倒見悪くない?と感じてもらうというような所があるんじゃないかなと思います。
ご質問されれば一応私も回答は出来ますので何かあればご質問頂ければいいかと思いますが、そんな感じで塾さんによってもちろんカラーリングというのはありますが、その適切な勉強量をちゃんと提示出来るかどうかというのが結構大事な所ではないかなと思います。
特に大手の塾になればなるほどそうではないかと思っている次第です。

中学受験と高校受験、失うものが多いのはどっち?

失うのかね?という話ではありますが、もちろんある程度の時間は使って勉強していきます。
そして受験に対しての成果として成功失敗という言い方はあまり好きではないですが、そう言うとするならば、使った時間というのがひょっとしたら無駄に感じる時もあるんじゃないかと思います。
どちらの受験にしても、結局勉強はしなきゃいけないし、勉強した事によってもちろん内容が得られたか得られなかった所も当然ありますが、おそらくそれよりも大事なのは勉強する事によって知らなかった知識を知るというプロセスを知る事があります。
ちょっと言い方変になりますが、勉強の仕方を身に付けていくという意味でおそらくどちらの受験にも得るものもそれなりに多いんじゃないかなと思っています。
あとは受験した結果行った学校でまた得られるものもあるとは思いますし、という事になりますのでこの質問とはちょっと外れるかもしれませんが、失うものを考えるよりは得るもの考えた方がいいんじゃないかなと個人的には思っている所ではあります。

という訳で、今回はこんな所になります。他にも色んなご質問がありましたら順番にお答えしていこうと思いますので、宜しくお願いいたします。