中学受験算数の文章題が苦手な子の克服法
中学受験の算数で、計算はできるのに文章題になると止まる子は少なくありません。このページでは、文章題で止まりやすい原因を、読み取り、言葉の理解、図や式へのつなぎ方に分けて、家庭で続けやすい進め方まで整理しています。
文章題の考え方や頻出パターンを分野別に整理した一覧は、中学受験算数|文章題の解き方まとめ(全体像はこちら)でも確認できます。
中学受験で算数の文章題の苦手を克服するコツ
中学受験で算数の文章題を苦手に感じているお子様は少なくありません。
文章題への苦手意識をなくし、算数でつまずかないように、日々の学習の中で少しずつ克服していきましょう。
なぜ算数の文章題が苦手になるのか
算数の文章題が難しく感じられる背景には、次のような要因が重なっているケースが多く見られます。
- 文章の内容そのものが理解しづらい(話の流れを追うのに時間がかかる)
- 算数特有の言い回しや単語の意味が分からない(「差」「割合」「比べる」といった語彙があいまい)
- 頭の中で場面をイメージできない(状況が浮かばないため、式に落とし込めない)
このような「読み」「語彙」「イメージ」の3つの壁を一つひとつ崩していくことで、文章題は必ず解きやすくなっていきます。
苦手克服のための具体的なステップ
具体的な練習に入る前に、文章題が苦手なお子様ほど意識しておきたいのが、
毎回同じ順番で考える「考え方の流れ」です。
文章題を前にすると、いきなり式を立てようとして手が止まってしまうケースが多く見られます。
そこで、考える順番を決めておくことで、戸惑いを減らすことができます。
文章題はこの4ステップで整理する
- 何が分かっていて、何を求める問題かを確認する
- 登場人物・物・数量を書き出す
- 数量の関係を絵や線分で表す
- 式に直して計算する
この流れを毎回意識することで、
「どこから考えればいいか分からない」という状態を防ぐことができます。
簡単な例で考え方を確認しよう
例題
りんごが8こあります。3こ食べました。残りは何こですか。
- 分かっていること:りんごが8こ、3こ食べた
- 求めたいこと:残りの数
- 状況を整理:8こから3こ減る
- 式:8 − 3
このように、
文章 → 整理 → 図やイメージ → 式
という順番を決めて考えることが、文章題克服の土台になります。
文章題が苦手な子のための「考え方の流れ」
文章題が苦手な場合、「どう考えるか」を頭の中だけで処理しようとすると混乱しやすくなります。
そこでおすすめなのが、毎回同じ順番で考える「流れ」を作ることです。
文章題はこの4ステップで考える
- 何が分かっていて、何を求める問題かを確認する
- 登場人物・物・数量を書き出す
- 数量の関係を図や線分で表す
- 式に直す → 計算する
この順番を毎回意識することで、「いきなり式を立てようとして止まる」状態を防ぐことができます。
簡単な例で確認してみよう
例題
りんごが8こあります。3こ食べました。残りは何こですか。
- 分かっていること:りんごが8こ/3こ食べた
- 求めたいこと:残りの数
- 図にする:8こ → 3こ減る
- 式:8 − 3
このように、文章 → 整理 → 図 → 式の流れを決めておくことが大切です。
家庭学習でよくあるつまずきと対処法(FAQ)
Q. 音読させても、意味を分からずに読んでいます
その場合は、「読めているか」ではなく「内容を説明できるか」を確認しましょう。
音読のあとに、
- どんな話だった?
- 何を求める問題?
と口頭で聞くだけでも、理解の浅さがはっきりします。
Q. 図をかくのを嫌がります
最初からきれいな図を求める必要はありません。
丸や線、矢印だけでも十分です。
「考えた跡を残す」ことが目的だと伝えましょう。
Q. 文章題の練習は毎日必要ですか
毎日大量に解く必要はありません。
1日1問でも、必ず整理して考えるほうが効果的です。
短時間でも継続することが、文章題克服への近道になります。
文章題が苦手な子向け:セルフチェック表
まずは、お子さまがどこで止まっているかを確認しましょう。以下に多く当てはまるほど、文章題でつまずきやすい状態です。
- 問題文を最後まで読まずに式を書き始める
- 「何を聞かれているか」がすぐに言えない
- 図やメモをほとんど書かない
- 答え合わせで間違いの理由を説明できない
- 同じタイプの問題で何度も間違える
3つ以上当てはまる場合は、整理不足が原因になっている可能性が高いです。
よくある間違いパターン別・対処ミニ例
① 数字だけ見て計算してしまう
例
「全部で」「残り」「ちがい」などの言葉を読まず、数字だけで判断してしまうケースです。
対処
問題文の中で、聞かれている部分に下線を引かせましょう。
② 何を引くか・割るかを取り違える
例
差の問題で「小さい数 − 大きい数」にしてしまう。
対処
「大きい数」「小さい数」に○をつけてから計算します。
③ 図を書いたが使えていない
例
図はあるが、どの数とどの数が関係しているか分からない。
対処
図の中に使う数字だけを囲む練習を入れましょう。
間違えた問題の直し方テンプレ
文章題は「解き直しの質」で伸び方が大きく変わります。次の4点を書き残すのがおすすめです。
- どこで間違えたか(読み/整理/式/計算)
- 本当は何を聞かれていたか
- 正しい考え方
- 次に気をつける一言
例
- 原因:聞かれている数を読み飛ばした
- 対策:「何を求める?」を必ず書く
1週間ミニ練習メニュー(家庭用)
無理なく続けるための例です。
| 曜日 | 内容 |
|---|---|
| 月 | 増減問題1問+整理メモ |
| 火 | 差の問題1問+図 |
| 水 | 等分問題1問+説明 |
| 木 | 割合1問+言い換え |
| 金 | 間違い直し |
| 土 | まとめ2問 |
| 日 | 復習のみ |
「毎日少量・必ず整理」が基本です。
今日から回せる:文章題ミニ練習(4問)
「読める」だけで終わらせず、毎回“同じ流れ”で整理して解く練習を入れます。目安は1日1問。
(1)分かっている数 (2)求めたい数 (3)関係(増える/減る/同じだけ) (4)式 の順に書き残しましょう。
練習1:増える・減る(基本)
問題
えんぴつが12本あります。5本あげました。残りは何本ですか。
- 分かっている数:12本、5本
- 求めたい数:残り
- 関係:12本から5本減る
- 式:12 − 5
- 答え:7本
練習2:「差(ちがい)」の言い方
問題
Aは38cm、Bは24cmです。AはBより何cm長いですか。
- 分かっている数:38cm、24cm
- 求めたい数:長さのちがい
- 関係:大きい方 − 小さい方
- 式:38 − 24
- 答え:14cm
練習3:「同じだけずつ」分ける
問題
みかんが27こあります。3人で同じ数ずつ分けます。1人分は何こですか。
- 分かっている数:27こ、3人
- 求めたい数:1人分
- 関係:全部 ÷ 人数
- 式:27 ÷ 3
- 答え:9こ
練習4:割合(ことば→式)
問題
120円の2割は何円ですか。
- 分かっている数:120円、2割
- 求めたい数:2割にあたる金額
- 関係:もと × 割合
- 式:120 × 0.2
- 答え:24円
文章題でよく出る言い回し「言い換え表」
文章題が止まる原因が語彙のときは、言い換えを決めておくだけで式に近づきます。まずは頻出だけ。
| 問題文の言い方 | 意味 | 式のヒント |
|---|---|---|
| 〜より多い/長い/大きい | 差を聞いていることが多い | 大きい方 − 小さい方 |
| 合わせて/全部で | 合計 | たす(+) |
| 残り/のこった | 減ったあと | ひく(−) |
| 同じ数ずつ/1人分 | 等分 | わる(÷) |
| 〜の2割/30%/0.3 | 割合 | もと × 割合 |
家庭での確認ポイント(3つだけ)
- 説明できるか:音読後に「何を求める?」を一言で言えるか
- 書き残せているか:分かっている数/求めたい数/関係/式がノートに残っているか
- 言い換えられるか:「合わせて=合計」のように置き換えができるか
追加FAQ(つまずきが多い2点)
Q. 途中までは合っているのに、式が逆になります
「差」を聞かれているのに、順番を入れ替えてしまうことが多いです。
大きい方/小さい方に○をつけてから引き算に入りましょう。図は線1本でも十分です。
Q. 図をかいても、どこを見ればいいか分かりません
図は“上手に描く”ためではなく、どの数同士が関係するかを見える形にするためのものです。
最初は「数に□」「増える・減るに矢印」だけでOKです。
① 音読して文章の全体像をつかむ
計算は苦手ではないのに文章題が解けない場合、まずは文章を正しく理解できているかを確認することが大切です。その出発点としておすすめなのが、問題文の音読です。
音読をすることで、
- 目からの情報だけでなく、耳からの情報も同時に入る
- 一文一文をはっきり読むことで、言い回しの違和感や分かりにくい箇所に気付きやすくなる
- 読むリズムが生まれ、文章全体の流れをつかみやすくなる
文章の理解が追いついていないと感じたときほど、声に出してゆっくり読むことを心がけましょう。家庭学習などで音読を続けていくと、徐々に文章の理解が速くなっていきます。
② 文章を絵や図にして整理する
文章題をそのまま文字だけで追っていくのが難しいときには、文章を絵や図に表してみることが効果的です。
例えば、
- 登場人物やモノをイラストでかく
- 数の増減を矢印で表す
- 道のりや水かさを図で表現する
といった形で、文字情報を視覚情報に変えていきます。絵や図にしてみると、
- 文だけで読むよりも状況が一目で理解しやすい
- どの部分が「知っている数」でどこが「求めたい数」なのかが整理される
といったメリットがあります。
絵をかくクセをつけることで、やがて文章を読んだだけで頭の中に場面が浮かぶようになります。時間に余裕のある家庭学習のときに、意識して取り組んでみましょう。
③ 語彙力を身につける
中学受験の算数の文章題が苦手な場合、問題文に出てくる表現や言葉の意味があいまいなことが少なくありません。算数の文章題では、次のような「算数用語」を正しく理解しているかどうかが、問題の理解に直結します。
- 「差」「合計」「残り」「割合」「比」「速さ」などの言葉
- 「AよりBのほうが~」「AをBに分ける」といった表現
言葉の意味をしっかり理解できていないと、文章問題の解釈を誤り、正しい式を立てることができません。文章問題の練習の中で、
- 分かりにくい表現や単語が出てきたらその場で調べる
- ノートの端などに「自分の言葉」で言い換えて書いておく
- 同じ言葉に何度も出会うことで、自然と語彙力が増えていく
といった作業を習慣化しましょう。語彙力を高めることは、算数だけでなく国語力の向上にもつながります。
④ 読み解けなかった箇所に線を引き、必ず確認する
文章題の克服には、「分からなかったところをそのままにしない」学習姿勢が欠かせません。勉強している段階で、
- 読み解けなかった箇所に線や印を付ける
- 模範解答や解説を参照しながら、「なぜそのように読むのか」を確認する
- 同じタイプの文章が出てきたときに、自力で読み解けるかをチェックする
といったサイクルを繰り返すことが重要です。
文章の意味や単語が理解できない箇所を放置せず、その都度調べて覚え、読み解けるようにしておくことで、受験本番でも落ち着いて文章問題に取り組むことができます。
毎日の習慣化が合格につながる
中学受験で算数の文章題の苦手を克服するには、
- 言葉の意味を理解し、語彙力を身につける
- 問題文を音読して読み、内容を正確につかむ
- 文章を絵や図にして整理する
- 読み解けなかった箇所に印をつけて、後から必ず見直す
といった基本を、日々の学習の中でコツコツ続けていくことが大切です。
訓練を重ねるうちに、最初は時間のかかった音読や図示も、次第に頭の中で自然とできるようになっていきます。まずは、毎日文章題に触れる習慣を身につけることから始めましょう。
まとめ:文章題を味方にして中学受験を乗り越えよう
- 算数の文章題の苦手意識は、「読み」「語彙」「イメージ」の3つの壁から生まれやすい
- 音読することで、文章の流れや言い回しをつかみやすくなる
- 文章を絵や図にすることで、状況を視覚的に整理できる
- 算数特有の語彙を一つずつ確認し、語彙力を高めていくことが重要
- 分からなかった箇所に線を引き、解説を参照しながら「なぜそう読むのか」を確認する
- 毎日少しずつ文章題に取り組むことで、やがて自然と文章を読み解けるようになる
文章題は、慣れるまで時間がかかる分野ですが、正しいステップを踏んで練習していけば、必ず「分かる」「解ける」喜びを感じられるようになります。焦らず一つ一つの問題に向き合い、算数の文章題を合格への頼もしい味方にしていきましょう。
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