文章題が解けない背景　中学受験算数ならではの悩みの構造

まずは、なぜ文章題だけ極端に点数が低くなってしまうのか、その背景を整理しておきましょう。
多くの場合、次の三つの要素が重なっています。

工程が多く 弱点の位置が見えにくい

文章題を一問解き切るまでには、ざっくりと次のような流れがあります。

• 問題文を読み、状況をイメージする。
• 必要な数量や条件に印を付ける。
• 図や表に整理する。
• 求めたいものをはっきりさせる。
• 式を立てる。
• 計算する。
• 答えが文脈に合っているか検算する。

どこか一つでも弱い工程があると、最後の答えは合いません。
ところがテストの答案だけを見ると、

• 式が違うのか、計算ミスなのか分からない。
• どこまでは自力でできていたのか判断しづらい。

その結果、お子さま自身も「なぜ間違えたのか分からない」「文章題になると全部不安」と感じたまま、
苦手意識だけが積み重なっていきます。

日本語の読解と算数の処理のギャップ

文章題は、日本語の読解力と算数の処理力の両方が求められる単元です。
例えば、次のようなギャップがよく見られます。

• 「それぞれ」「合わせて」「残り」といった語句を何となくで読んでいる。
• 「差」「増えた」「もともと」といった言葉が、どの引き算や足し算に対応するのか結びついていない。
• 時間や速さ、割合に関する表現が出てくると、急に思考が止まってしまう。

このような場合、計算そのものは十分できる力があるのに「文章題だけが極端に苦手」という状況に陥りやすくなります。
国語と算数の境目にあるような単元だからこそ、解き方だけではなく、
語句の意味と式のつながりを一つひとつ確認する指導が必要です。

本番形式の時間制限に慣れていない

中学受験の模試や入試本番では、限られた時間の中で文章題に取り組まなければなりません。

• 最初の一問に時間をかけ過ぎてしまい、後半の問題に手が回らない。
• 難しそうな文章量を見た瞬間に気持ちが折れてしまう。
• 最後まで粘り切れず、途中で諦めてしまう。

日々の家庭学習で、時間を意識しながら文章題にじっくり取り組む機会を十分に作ることは、
現実的にはなかなか難しいものです。そのギャップが、模試や入試での「文章題の失速」につながっていきます。

オンライン算数 個別指導が文章題で効果を発揮する理由

では、こうした文章題ならではの弱点に対して、オンラインの算数個別指導はなぜ相性が良いのでしょうか。
ここでは三つの観点で整理します。

理由一　手元映像で思考の途中がそのまま見える

オンライン個別指導では、手元カメラを使ってお子さまのノートや問題用紙をリアルタイムに映しながら授業を行うことができます。
これにより、講師は次のようなポイントを細かく観察できます。

• 問題文のどこに線を引いているか。
• 図や表を書こうとしているかどうか。
• 最初にどんなメモを書いているか。
• どのタイミングでペンが止まっているか。

例えば、次のような違いがはっきり見えてきます。

• そもそも図や表を描かず、頭の中だけで処理しようとしている。
• 図は描いているが、数量の対応を書き込めていない。
• 式を立てる直前で手が止まっている。
• 計算ミスが多いのに検算の習慣がほとんどない。

このように、「文章題が苦手」という一言の中身が、具体的な行動として見える化されるため、
オンライン算数 個別指導では指導の優先順位をつけやすくなります。

理由二　類題をすぐに提示でき理解の浅い部分をテンポ良く補強できる

文章題の力を伸ばすうえで大切なのが、同じ構造の問題に繰り返し当たることです。
オンライン授業では、講師が画面共有を使ってすぐに類題を表示できるため、次のような演習をテンポ良く進められます。

• 一問解いた直後に、それとほぼ同じ構造の問題を提示する。
• 条件だけを少し変えた問題を連続で解いてもらう。
• あえて「ひっかかりやすいところ」を変えた問題に挑戦してもらう。

例えば、次のような流れが典型的です。

1. 「みかんとりんごの個数」を扱う文章題を解く。
2. 解説を確認したあと、「どの部分が一番迷ったか」を言葉にしてもらう。
3. すぐに類題を提示し、「さっきと同じ型で図を描き、式を立てられるか」を確かめる。

このサイクルを何度か回すことで、「一度聞いたら終わり」ではなく、
理解した直後に定着のための練習を入れることができる点が、オンライン算数 個別指導の大きな強みです。

理由三　語句理解や処理速度のズレをその場で確認できる

オンライン授業では、講師が問題文を読み上げたり、お子さまに音読してもらったりすることも簡単にできます。
これにより、

• どの語句のところで読みが止まりやすいか。
• 語尾や条件を読み飛ばしていないか。
• 読んだ直後にどの程度イメージできているか。

といった点を、表情や反応も含めて確認しやすくなります。
例えば、「それぞれ」「合わせて」「残り」といった言葉について、
画面上に短いメモを表示しながら、

• 「それぞれ」が出たら、二つのグループに分けて考える。
• 「合わせて」は足し算、「残り」は差に注目する。

といった整理を繰り返すことで、日本語と算数の橋渡しがスムーズになっていきます。
また時間を計りながら何問か続けて解いてもらうことで、処理速度や集中力の波も把握しやすくなり、
指導側が進度管理をしやすいという利点もあります。

なお、オンライン算数 個別指導のコースによっては、授業ごとに「つまずいた語句」や「補強が必要なパターン」を記録し、
次回以降のカリキュラムに反映している場合もあります。
詳細は オンライン算数 個別指導コース
の案内ページなどをご覧いただくとイメージしやすいでしょう。

文章題の弱点を超える改善方法　三つのステップ

ここからは、オンライン算数 個別指導を前提にしつつ、
文章題克服の流れを三つのステップに分けて整理します。

ステップ一　現状のつまずきポイントを見える化する

最初のステップは、どの工程で止まっているのかを明らかにすることです。
オンライン個別の導入期には、あえていくつか種類の違う文章題を解いてもらい、
講師が次の観点でチェックします。

• 状況を図や表に移そうとしているか。
• 大事な条件に線を引く習慣があるか。
• 求めたいものを最初に言語化できているか。
• 式を立てるとき、「何と何の関係」を式にしているか説明できるか。
• 計算の正確さや検算の有無。

例えば、同じ「座席と人数」の文章題でも、

• 人物や席数を整理する図が描けていないタイプ。
• 図は描けているが、どの数字をどこに当てはめるかで迷うタイプ。
• 式は合っているのに、計算ミスと検算不足で落としてしまうタイプ。

などに分かれていきます。
この診断によって、「文章題が苦手」という漠然とした悩みが、
「図の段階を強化する必要がある」「検算の習慣をつければ伸びる」といった具体的な課題に変わります。

ステップ二　図と式の型をそろえる

次のステップでは、文章題に取り組むときの図と式の型をそろえていきます。
オンライン授業では、講師がホワイトボードやスライドで見本を示しながら、
お子さまのノートの図と見比べて修正していきます。

代表的な型の例は、次の通りです。

• 和差算なら、二つの棒を上下に描き、長さの違いを目で見て分かるようにする。
• 速さの文章題なら、「みちのり・速さ・時間」を三列の表にまとめる。
• 割合の文章題なら、「もとにする量」「比べる量」「割合」を三つの箱で描く。

ここで大切なのは、

• 単元ごとに「使う図や表」を固定してしまうこと。
• 文章題を見たとき、「まずはこの図から描いてみよう」という入り方を決めること。
• 図を描きながら、「自分は何を求めるつもりなのか」を声に出してもらうこと。

オンラインの個別指導では、良い図が描けたときに講師側で画面をキャプチャし、
「自分の型」として共有していくこともできます。
こうした工夫により、お子さまが毎回ばらばらな図を描く状態から、
安定した型を持って文章題に向かえる状態へと変わっていきます。

ステップ三　パターン別に類題を重ねて実戦力に変える

型がある程度身についてきたら、最後はパターン別の類題演習で入試レベルの文章題にも対応できる実戦力を養っていきます。

• ある単元の文章題を型に沿って解いてみる。
• 解いたあとに、「この問題はどんなタイプか」を名前で整理する。
• 同じタイプの文章題を数字や条件だけ変えて複数解いてみる。
• 応用問題では、最初に「どのタイプに近いか」を自分で判断してもらう。

このサイクルを通じて、

• 文章題を見た瞬間に「これはこの型で解けそうだ」と見通しを立てる力。
• 難しそうに見えても、自分の知っている型に引き寄せて考える力。

が育っていきます。
オンラインでは、講師がその場で用意した類題を次々に提示できるので、
「分かったつもり」が残ったままになりにくいというメリットがあります。

家庭でできるフォローと習慣化のコツ

オンライン算数 個別指導にすべてを任せるのではなく、
ご家庭での声かけや環境づくりを少し意識するだけで、文章題の伸び方は大きく変わります。

状況を自分の言葉で説明させる時間を少し取る

文章題の復習をする際、答えが合っているかどうかだけを確認して終わらせてしまうと、理解の深さが見えません。
解き終わったあとに、次のような質問をしてみてください。

• 「この問題は、どんな場面の話だったかな。」
• 「誰が、何を、どれくらい持っている話だったかな。」
• 「何を求めていた問題だったか覚えているかな。」

こうした問いかけを通じて、状況を自分の言葉で説明する練習をすることで、
式だけが独り歩きする状態から抜け出すことができます。

正解かどうかよりもどこまで自力で進めたかを見る

文章題は、正解か不正解かだけで評価してしまうと、お子さまのモチベーションが下がりやすい単元です。
そこで、次のような視点で成長を見てあげるとよいでしょう。

• 前よりも図や表を描くようになったか。
• 問題文に線を引く場所が前より的確になってきたか。
• 「何を求めるのか」を自分の言葉で言えるようになってきたか。

こうした変化を具体的に言葉にして認めてあげることで、
「文章題は全部ダメ」から「ここまではできるようになってきた」という自己評価へと少しずつ変わっていきます。

無理のない分量で毎日少しでも文章題に触れる

文章題の力は、一気に長時間やるよりも、短時間でも良いので継続的に触れることで育っていきます。

• 一日一問だけでも良いので、型を意識しながら解く。
• 解説を読んだあと、「自分ならどう図を描くか」を一行だけメモする。
• 難しい問題は、「図を描くところまでできたら十分」というラインを決める日を作る。

こうした「ハードルを下げた継続」によって、オンライン算数 個別指導で学んだ内容が定着しやすくなります。
宿題の分量や難易度は、教室側と相談しながら無理のないペースを整えていくと安心です。
オンライン算数 個別指導コース の案内も参考になります。

文章題に強いオンライン算数 個別指導の教室と指導者の選び方

最後に、文章題の克服を目的としてオンライン算数 個別指導を選ぶ際に、
ぜひ確認しておきたいポイントをまとめます。

文章題の指導実績と改善事例を持っているか

体験授業や面談の場では、次のような質問をしてみると、その教室の得意分野が見えやすくなります。

• 計算はできるが文章題が苦手な子に、どのようなアプローチをしてきたか。
• 具体的にどのような変化があったか、印象に残っている事例があるか。
• どの単元の文章題を特に得意としているか。

具体的なエピソードを挙げて説明してくれる教室は、
文章題を感覚ではなく工程ごとに分析して指導している可能性が高いと考えられます。

手元映像と画面共有を活用した過程指導ができているか

オンライン算数 個別指導の強みは、思考の途中をそのまま見られることです。
次の点を確認してみてください。

• 手元カメラの利用が標準になっているか。
• 画面共有で図や表を示しながら説明してくれるか。
• 授業の中で、「どこで迷ったか」を一緒に振り返る時間を取ってくれるか。

これらができている教室は、答え合わせだけではなく、
考え方そのものをていねいに扱う指導をしていると期待できます。

宿題設計とフィードバックがパターン化を後押しする形になっているか

文章題の実力を伸ばすには、宿題の質とフィードバックの内容も重要です。

• 同じ型の文章題を、数字や条件だけを変えて複数出してくれるか。
• 間違えた問題について、「どの工程でミスしたか」をコメントで返してくれるか。
• 模試やテストの結果をもとに、次回以降の単元や難易度を調整してくれるか。

こうした工夫がある教室なら、日々のオンライン授業と家庭学習が自然と連携し、
中学受験算数全体の弱点克服にもつながっていきます。