早稲田アカデミーは、「本気でやる子を育てる。」を教育理念とし、志望校合格に必要な高い学力だけでなく、問題解決力や強い精神力を育てる進学塾です。
ここでは、その特徴・コース体系・教材・講師体制に加え、メリットと注意点を整理し、中学受験塾として早稲田アカデミーを検討する際の参考となる情報をまとめました。
早稲田アカデミーとは
早稲田アカデミーは、首都圏を中心に展開する進学塾で、難関中学・難関高校合格を目指す生徒が多く在籍しています。
「本気でやる子を育てる。」という理念のもと、
- 志望校合格に必要な高い学力
- 自ら考え抜く問題解決力
- 困難に立ち向かう強い精神力
をバランスよく身につけていけるように設計されたカリキュラムと指導体制が整っています。
「普通の学力の生徒」を大きく伸ばすコンセプト
学習とスポーツには共通点があります。それは、
「適切な時期に、適切な指導に基づき、適切なトレーニングを行えば力がつく」という点です。
心身が大きく伸びる小学生の時期に、正しい方法で適度な負荷をかけて学習することで、
- 学力の向上
- 粘り強く取り組む精神的な強さ
を同時に育むことを目指しています。
「授業」×「教材」×「意欲」の三位一体の指導
学力を伸ばすために必要なのは、質の高い授業や教材だけではありません。
早稲田アカデミーでは、子どもたちの興味や意欲を引き出す授業を重視しています。
- 「もっと知りたい」
- 「もっとできるようになりたい」
という気持ちを引き出すことで、学び続けるエネルギーを生み出し、学力の伸びを支えています。
難関中学における高い合格実績
早稲田アカデミーは、中学入試において高い合格実績を残しており、特に難関校合格実績において飛躍的な伸びを達成しています。
これらの実績を支えているのは、
- 志望校の出題傾向を踏まえたカリキュラム・教材
- 集中して学びやすい学習空間づくり
- 入試分析に長けた講師陣の指導力
- 生徒の意欲を高める競争環境
といった教務システム全体の設計にあります。
授業システムとコース体系
小学生向けコース一覧
早稲田アカデミーでは、学年と進路に応じて多様なコースが用意されています。
- 小学1・2年生:スーパーキッズコース(私国立中受験)
難関中学受験の勝利に直結する、頭脳の「器」と「パワー」を育むコース。 - 小学3年生:ジュニアコース(私国立中受験)
自ら「学び」に取り組み、自分で「考え」「解決する」子どもを育てるコース。 - 小学4年生:Sコース(私国立中受験)
学習習慣を確立し、中学受験での成功の礎を築くためのコース。 - 小学5年生:Sコース(私国立中受験)
中学受験に向けた基礎力の強化と応用力の養成を行うコース。 - 小学5年生:Tコース(公立中高一貫校対策)
高い基礎学力と、公立中高一貫校が求める思考力・表現力を育てるコース。 - 小学5年生:Kコース(公立中進学)
将来の難関高校受験に向けた土台を築くためのコース。 - 小学6年生:Sコース(私国立中受験)
志望校合格に向けて本物の学力を身につける総仕上げコース。 - 小学6年生:Tコース(公立中高一貫校対策)
公立中高一貫校で求められる基礎学力・抽出力・表現力を養うコース。 - 小学6年生:Kコース(公立中進学)
小学校内容の総まとめから中学校の学習、難関高校受験へつなげるコース。
個別指導コース
- 小1~高3:早稲田アカデミー個別進学館
1:2の指導スタイルで、自立心を磨き、自分で考える力を育む個別指導塾。 - 小1~高3:個別指導 MYSTA
個別指導の「良いところ」と、早稲田アカデミーの難関校合格ノウハウを融合した個別指導塾。
オプションコース・講座
- 小6対象:NN志望校別コース
御三家・早慶・難関中志望者が集うハイレベルな学習環境。学校別対策に特化。 - 小4~小6対象:土曜YT講座
四谷大塚の『予習シリーズ』に準拠したカリキュラムテストによる実戦演習。 - 年長~小6対象:早稲田アカデミーIBS
「東大・医学部・ハーバードに一番近い」小学生たちの英語塾として、高度な英語教育を行う講座。 - 小1・小2対象:アルゴクラブ
平面・立体パズルや数理ゲームを楽しみながら、「算数脳」を育てる講座。
生徒の思考を促す学習習慣
早稲田アカデミーの授業は、私語のない緊張感のある雰囲気が特徴です。ここでいう「私語」とは、生徒の自分勝手な発言やおしゃべりのことであり、授業中は講師の発問を中心に、クラス全員が集中して考えるようにコントロールされています。
- 講師が生徒に問いかけながら授業を進める
- 全員が「考える→答える→また考える」のサイクルに参加
- 問題演習にも真剣な空気の中で取り組める
また、わからないことがある場合には授業前後に講師へ個別に質問することができます。講師側からも、生徒の表情やノートの様子を見て理解が不十分だと判断した場合には、適宜声をかけるなど、細やかなフォローを行っています。
さらに、複数のスタッフ間で生徒の状況を共有し、小さな変化も見逃さずにほめることで、モチベーションを高める工夫がなされています。
仲間と“競争”できる学力別少人数制クラス
学力別の少人数制クラスでは、
- 自分の習熟度に合ったレベルで無理なく学べる
- 同じレベルの仲間と競い合いながら成長できる
というメリットがあります。仲間との適度な競争が、学習意欲の向上につながります。
テストの成績優秀者は校舎内の掲示や塾内報への掲載といった形で評価され、定期的なクラス替えも行われます。
こうした仕組みが、子どもたちにとって「頑張れば評価される」「次はもっと上のクラスへ」という前向きな刺激になっています。
NN志望校別コースとは
小6難関中学受験対策の最大の特長が、この「NN志望校別コース」です。
「NN」とは「何がなんでも(Nothing but, No matter what)」の意味で、
- 志望校ごとに徹底的な出題分析を行う専門チーム
- 学校別に作られたテキスト・カリキュラム
- 同じ志望校を目指す仲間が一堂に会する集中環境
といった要素を組み合わせ、「絶対に合格したい」という強い気持ちを共有しながら切磋琢磨できる場になっています。
教材と入試情報の提供
「予習シリーズ」を中心とした教材
早稲田アカデミーでは、首都圏の中学受験生のおよそ2人に1人が使用していると言われる、四谷大塚作成の「予習シリーズ」をメインテキストとして学びます。
さらに、早稲田アカデミーのオリジナル教材も組み合わせることで、
- 基本事項の定着
- 応用・発展問題へのステップアップ
- 子どもたちの興味・関心を喚起する工夫
といった多面的な学習ができるように設計されています。
入試情報・学校情報の提供
中学入試に向けては、学力を高めていくことと同じくらい、正確でタイムリーな情報を得ることが重要です。
早稲田アカデミーでは、次のような機会を通じて保護者・生徒に情報提供を行っています。
- 入試報告会:その年の入試を分析し、翌年以降の傾向や対策を共有
- 学校見学会:実際に学校を訪問し、校風や環境を体感
- 学校の先生による講演会:学校側の教育方針や求める生徒像などを直接知る場
こうしたイベントを通じて、家庭の進路選択や受験戦略を具体化しやすくなるのも大きな特徴です。
講師と学習サポート体制
実績に裏付けられた教育スキル
難関校に特化した志望校別対策コースでは、1つの学校を20~30年担当し続け、その学校を知り尽くした講師が在籍しています。
これらの講師が、
- 授業
- 教材開発
- 入試分析
などを担当し、中学受験に精通した視点で生徒を指導します。さらに、優れた指導力やノウハウは研修を通じて全講師に共有され、教室全体の指導力向上につなげられています。
一人ひとりに合わせた学習サポート
生徒の目標や習熟度に合わせた個別に近い指導が行われる点も特徴です。
- 入塾したばかりの生徒には、授業の受け方や家庭学習の進め方を個別にアドバイス
- すぐに答えを教えるのではなく、自分の力で課題を解決できるように「考えさせる」指導
- 保護者会・個別面談・回診電話などを通じて、家庭との連携も担当講師が直接行う
特に「回診電話」は、定期的に家庭に電話をし、
- 学習の進み具合
- 宿題の状況
- テストの反省点
などを共有する仕組みであり、塾と家庭が同じ方向を向いて子どもを支えることに役立っています。
安心・安全に対する取り組み
安全に通塾できるよう、早稲田アカデミーではさまざまな取り組みを行っています。
- 登下校時に講師が出迎え・見送りを行い、安全確認とコミュニケーションを実施
- 登下校を保護者へメールで知らせるシステム「ホットコンパス」の導入
これにより、保護者は子どもの塾での滞在状況を把握しやすく、安心して通わせやすい環境が整っています。
メリットとデメリット
早稲田アカデミーに通うメリット
早稲田アカデミーの主なメリットは次の通りです。
- 四谷大塚準拠のカリキュラム
「予習シリーズ」を基本とし、四谷大塚のテキストを用いた体系的な授業を受けられる。 - 豊富な副教材と演習量
宿題用テキストや日々の演習教材など、クラスごとに異なるオリジナル教材も使用し、多面的に学習を深められる。 - 家庭との連絡が密
回診電話や面談等を通じて、家庭学習の状況や宿題の進め方について相談しやすい。 - 家庭学習まで視野に入れた面倒見の良さ
宿題の量は多いものの、「自分でこなす」ことを前提とした仕組みがあり、講師が宿題にコメントを返す形式を採用しているクラスもある。 - 競争環境と情報量の多さ
学力別クラス・掲示・塾内報などでモチベーションが高まり、入試情報・学校情報も豊富に得られる。
利用する際に注意したい点(デメリット)
一方で、早稲田アカデミーならではの「難しさ」や注意点も存在します。
- カリキュラムの密度・難易度が高い
四谷大塚の「予習シリーズ」は改訂により内容の密度が上がっており、学年ごとの学習量・レベルが以前よりかなり高くなっています。 - 授業のスピードと学習量が多い
授業の難易度・速さ・宿題量のいずれも、小学生が完全に一人でこなしきるには負荷が大きくなりがちです。 - クラス人数が多く、宿題チェックにばらつきがある
宿題も含めて「面倒見が良い」とされる一方で、1クラスの人数が多いこともあり、宿題の出来をどこまで細かく把握してもらえるかは担当講師によって差が出やすいのが現状です。
宿題を提出しても、コメントもなくハンコだけで終わるクラスも少なくありません。
そのため、
- 家庭側で学習状況を定期的に確認する
- 必要に応じて個別指導・家庭教師・自塾などで補完する
といった視点も持ちながら、早稲田アカデミーの強みを最大限に活かすことが重要です。
まとめ|早稲田アカデミーを検討する保護者の方へ
早稲田アカデミーは、
- 「本気でやる子を育てる。」という明確な教育理念
- 四谷大塚準拠のカリキュラムと豊富な教材
- 難関中学に特化したNN志望校別コース
- 競争を通じて伸びる学力別少人数制クラス
- 実績ある講師陣と、家庭との連携を重視するサポート体制
を備えた、高い教育力を持つ進学塾です。一方で、授業スピード・学習量・宿題の多さなど、子どもにかかる負荷も小さくはありません。
「自分で考え、競争の中で成長していきたい子」「家庭でのフォロー体制をある程度整えられるご家庭」にとって、早稲田アカデミーは非常に相性の良い選択肢となり得ます。
塾選びの際には、体験授業や説明会、保護者会なども活用しながら、お子さまの性格・学力・家庭の方針に合うかどうかをじっくり見極めていくことをおすすめします。


