「中学受験Q&A(2)~親のサポートと受験環境の整え方~

今回は中学受験Q&Aという事で、中学受験生活を送る中で色んな疑問というのが出てくると思います。
その疑問には端的に応えていこうという事でお話をさせてもらえばと思います。

親のサポートはどれぐらい必要か?

これは結構よくあるテーマではあると思います。
要はべったり面倒を見てしまう事と、何も面倒を見ない事、極端な例でいうとその2例があるかと思いますが、もちろん大体こういう話は基本的には極端な例よりも大体その折衷案ぐらいがベストになるというのが基本的な定石ではあろうかと思います。
この件についてももちろんそうです。
ある程度面倒というか管理しなきゃいけない部分はありますけれども、管理し過ぎる事もそれはそれで問題になるというのが結論ではないでしょうか?
どのポイントを親御さんはサポートするのか、サポートした方がいいのか、という話にはなりますが、これも色んな考え方が当然あるかと思います。
ですが、よくお勧めするのは時間を管理してもらうという所になります。
例えば、何時から何時まで勉強をする。
何曜日はこの教科をやりましょうという事です。
時間は決めてスタートと最後、とりあえず始めましょう終わりましょうは管理するんですが、それ以外の事は基本的に管理しないというのが一番理想的な姿かなと思います。
要は中身について、どこまで勉強したか、どれぐらい理解度があるかという事を逐一確認しない方がいいんじゃないかなと思います。
こちらはケースバイケースではありますが、となるかなと思います。
そのほどほどのラインを探りながら一緒にお子さんと生活してもらうという事が親御さんにとって必要な事になるのではないかなと思っている次第です。

集団指導塾と個別指導塾は何が違うか。

形態が違うと言ってしまえばそれまでですが、もちろん集団指導の中で出てくるメリットデメリット、個別指導の中で出てくるメリットデメリットというのはもちろんあったりします。
その中で一番特筆してあげるものとしましては、要は1人なのか1人じゃないのかという所が一番大きい所になるかと思います。
1人でずっと勉強する事はもちろん可能です。
問題があります。
こういう解き方をします。
こんなふうに勉強します。
これをずっと繰り返していきます。
そしてたまにテストを受けます。
結果が返ってきたのを見てこんな感じだったので、じゃあ今度はもうちょっと頑張ろうとか、これは今回頑張った、良かったなという事をフィードバックとしてテストが返してくれるという形でとりあえず勉強は進めていく事は出来る訳です。
ですが、点数として返ってくるというものがリアル感をどれぐらいお子さんに感じさせる事が出来るかというのはちょっとまた話が違ってくるのかなという所はあります。
集団指導の塾になりますと、やっぱり周りに生徒さんがいますからリアルな形で他の生徒さんがどれぐらい理解しているのか、どれぐらい解けるのか、どれぐらい早いのかという事を身近に感じる事が出来るという事になります。
例えば、同じ計算テストを受けるにしてもギリギリ2分で計算問題が終わったという人と、30秒で計算問題が終わったという人がちゃんとその時にリアルタイムで感じる事が出来ます。
要は、私、僕はまだスピードを上げた方がいいんだ、と思えるかどうかが結構大きな違いになるのかなと思っています。
ですので、そういったメリットデメリットは当然ありますので、そういったデメリットとメリットを勘案しながらバランスをもって受講して頂くのが良かろうと思っています。
ですが、やっぱり一番大きいのは他の人と競争出来るかどうか、という所は結構大きくなるんじゃないかなと思っている次第です。

テレビやゲームと勉強のバランスは?

なんかこれ、3、40年前からずっと言われてそうな気がしますが、バランスよく勉強はして欲しいですし、かといって勉強漬けになってしまうのもよくないよね、という話になっています。
二つ前の質問の時に似ている回答になってしまう気がしますが、こういった際によく言うのは、ちゃんと時間を決めようね、という非常に当たり前の話です。
これをしっかりやってあげるという事と、善し悪しはあると思いますが、例えば頑張った結果としてテレビやゲームが現れるという所もあります。
要は、その余暇として与えられるものと感覚で利用されるご家庭も結構多いんじゃないかなと思います。
例えばそれはやり方にもよりますが、要は、これだけ何時間か勉強を頑張ったからじゃあゲームやっていいよ、というのは別にいいと思うんです。
ですが、例えば何たらというテストで何点取ったからゲーム時間を1時間増やすよ、というのはあんまりよい事ではないかなと思います。
要は、逆の事を考えてもらえばいいと思うんです。
逆に、じゃあ成績上がらなかったらどうするの?です。
じゃあ、ゲームお預けねっなって、今日はゲーム出来ないのにまた勉強するハメになるというのをずっと繰り返していった結果、あまりモチベーションに大きく寄与しない結果になりそうな気がするなというのを普段勉強されている生徒さんを眺めながらよく拝見している事が多いです。
ですので、報酬として使うというよりは時間を全うしたという事を評価して欲しいという事です。
点数を評価するのではなく、頑張った時間というものを評価するという形で使われるのであればいいんじゃないかなと思っています。

習い事と受験の両立は可能か?

結構いらっしゃいます。
そこそこ時間の掛かる習い事をされているので、その一方で、でも中学受験はしなきゃいけないよねという事で、あまりない時間を割いて受験勉強をされている方というのもそれなりにいらっしゃるんじゃないかなと思っています。
もちろんそういった方の特徴ではあると思いますが、時間の使い方が元々上手だなと感じる事が多かったりします。
その隙間時間をちゃんと埋めていて、ここでこれやるんだ、ここであれやるんだ、みたいな事をちゃんとスケジューリングをしていくという事が多分何年も前から繰り返しているせいでそれが結構得意になっているんだろうなと思います。
なので、それが得意になっている状況であればおそらくある程度時間をやりくりしながら受験勉強を進めるという事はそんなに難しい事ではないかも知れません。
要は、時間に余裕があればあるほどそれでいいのかというとそういう訳でもないというのが受験勉強ではあるかと思います。
時間があったとしても、全部使い切るかどうかという所です。
時間がないならないなりにやろうという事を考えますけど、時間があるならあるなりにやろうとはあまりならないのが人間ではないかなと思います。
なので、そういった両立の仕方という事でポイントとしてはやっぱり時間がどれだけ効率的に使えるのかという所によるかと思いますので、普段の生活スタイル等々を勘案してもらいながら両立が可能かという事を判断して頂ければいいのかなと思っております。

受験生がいる家庭で気を付ける事は?

時期によって様々あったりしますが、これは受験生がというよりは小学生、中学生早い段階ぐらいの生徒さんがいる時にという所にも繋がるかと思いますが、基本的に中学受験、これは他の受験でもそうですが、基本的には午後受験もありますが基本的には朝一発目から試験が始まるという事になっています。
ですので、基本的に朝方の生活というのがしっかり身に付いている必要があるとういうのがまず一番大きなポイントになるかなと思います。
要は、勉強が終わらなかったから9時に塾の授業が終わって帰ってきて9時半、ご飯食べて10時、そこから勉強を始めた。
頑張って頑張って頑張って勉強した。
宿題がようやく終わった。
ようやく終わったら12時半だった。
そのまま就寝した。
起きたら6時半、7時半だから学校行かなきゃと思ったとします。
そうすると完全に睡眠が足りていない状況でずっと生活をし続ける羽目になります。
こういうのは可能な限り避けた方がいいでしょうという事になります。
よく申し上げるのは、基本的には例えば小学6年生でいうと、小学6年生、夏休みになったら基本的な朝6時に起きて勉強するんだよ。
夏が終わって秋口になったら5時半ぐらいに起きられるようになるように頑張るんだよ。
冬休みになったらもう5時に起きるんだよ。
そのまま2月受験が終わるまでは基本的に5時に起きて漢字なり計算なりやってから色んな勉強に取り組んで、その上で学校に行って生活をするという事が出来た方がいいよね、という事になります。
なので、その朝方夜方が別にメリットデメリット様々あるのは当然承知はしていますが、受験という特性から言うと基本的には朝方の生活というのをそのご家庭でちゃんと出来るかどうかという事は結構大事な事なのかなと思っております。

 

説明会で見るべき所は?

学校の説明会というのは結構数が多く色んな所にあります。
という事になりますので、色んな学校で色んな説明を聞かれる。
色んな見学、学校見学だったりとかに行かれるという事が多かったりします。
この見るべきポイントというのは、おそらくご家庭の意向によって結構変わるんじゃないかなと思っています。
ですので、学校を選ぶ際に何を大事にするのか、という事が一番キーになる所ではあるかと思います。
例えばそれは環境なのか、極論を言うと駅からの距離というのもそうでしょうし、他にも周りの環境だったりとかまた学校の教育内容だったりとか重視したいポイントというのはおそらく色々何点かに分かれるんじゃないかと思います。
なので、まずその説明会に行かれる際に何を見に行くのかという事はちゃんと考えた方がいいかなと思います。
なんとなく行ってみて、なんとなくいい学校だ、じゃあここ目指すんだっていうのだと最終的に入学された時にミスマッチが起こる可能性ももちろんありますので、ある程度どこを重視するポイントなのかという事をしっかり考えていきながらその学校を選択をしてもらうという事は非常に大切な事かなと思っております。

過去問の進め方について

志望校が決まったタイミングというかそのあとぐらい、一応6年生の夏ごろ、それから秋口に掛けて志望校の過去問を解いていくという事がだんだん始まっていくという事になります。
基本的には、これはよく言われる話ではありますが、志望順位の低い方から順番にやっていきます。
ただし、受験校があまりにも多過ぎて第5志望校から順番にやっていった結果、第1志望校の問題に手が回らないみたいな事もたまにあります
なので、そういった事のないようにちゃんとスケジュールを組んでいった状態で第5志望校だから2年分ぐらいでいいか、第3志望校だから3年分ぐらいやろう、第2志望校だから5年分ぐらい頑張ろう、第1志望校は10年分ぐらいやればいいよね、と比重を付けながら過去も進めていきましょう。
ある程度スケジュールを決めていってあげないと、途中でスケジュールがパンクするという子も結構拝見しますので、そういった事にならないように事前にこういった感じでこの数ヶ月間過去問を解いていくんだよ、という事は決めておくといいかなと思います。
その話に関連してなんですが、よく1月のギリギリまで過去問のスケジュールが入っている生徒さんもたまにいらっしゃいます。
ですが、さすがにそれは良くないというのはおそらく理解されていると思います。
一応目安としては、12月の中旬、遅くても下旬、冬期講習が始まる前ぐらいに過去問1週目というのは終わっていく事が望ましいです。
学校によってはもっと早めに終わっている方が望ましいという学校ももちろんあったりしますが、基本的にはそのラインを見据えた上でそこから逆算して過去問を解き始めるタイミングというのは変わっていくかと思います。
通われている塾によって、例えば10月から始めるんだ、というふうに言われている所と、9月から始めるんだと言われている所と結構様々あるんですが、それには捉われず実際受験しようと思っている学校を全部網羅しようと思うと、どこから始めたらいいのかというのはおそらく塾から提示されるラインよりも別の所にラインが設定される事が多いかなと思います。
なので、そういった事も考えてもらいながら過去問をしっかりと進めていくという事になればいいかと思います。
それからもう一点ですが、進める時にこれも色んな解き方があるのはもちろん承知はしていますが、どうしてもこの制限時間50分をとりあえず解いてみた。
頑張って答え合わせしてみた、という形で1科目ずつ解いては答え合わせして、解いては答え合わせして、という事をやるケースの方が多いかなと個人的には思っていますが、どちらかというと過去問というのはいわゆるシミュレーションに近いものではあります。
なので、出来る限り時間帯も合わせてやってもらえるといいのかなと思っています。
もちろん休憩時間まで合わせようという事ではないですが、例えばスタート時間です。
朝8時に始まる学校であれば朝8時から過去問を始める。
多分一番適しているのは受験生の場合土曜日になるかと思いますが、土曜日の朝8時から1科目目国語、2科目目算数みたいな感じで順番に解いていきます。
そして終わったら終わったね、という事で4教科トータルでまず採点をしてもらう。
ここは良かった、あれがダメだった、あとはしっかりと直しをしてもらうという事をやってくれればいいかなと思います。
意外と実施時間というのも結構大切かなとは思います。
やっぱり朝に考えられる事と、夜近くに考えられる事は結構違うかなと思いますので、そういった所である程度シミュレーションとして過去問は使っているんだ、という事を意識しながら勉強は進めてもらった方がいいんじゃないかなと思っております。

志望校について塾の先生と意見が合わない

これもたまにあるかなと思っています。
そりゃそういう事もありますよね、という話です。
要は、塾の先生としては多分これぐらいのラインが妥当であろう。
そして、過去問の問題を解いた適性としてもこれぐらいが妥当、この辺がちょうどいい落としどころじゃないだろうか、そしてこの方向性の方が目指しやすいんじゃないだろうかと思う事はあります。
ですが、それと実際に行きたい学校が噛み合っていないという事は起こり得るといえば起こり得るんじゃないかなと思っています。
ちょっと色んな考え方はもちろんあるんですが、志望校との相性とは何なのかという事を考える方法でもあると思うんですが、基本的には先ほどの過去問ではないですが、入試問題というのはこういう生徒さんに入ってきて欲しい、こういう問題が解ける生徒さんに来て欲しいというものを公に発表しているものではあるとは思います。
ですので、過去問を解いてみた結果なんとなく分からないけど点数が取れる気がするな、というのは意外と相性がいいという判断が出来るんじゃないかと思います。
逆に、偏差値帯に関わらず偏差値は足りているのにこの学校の過去問を解くと全然点数が取れない、これは多分おそらく2パターンあります。
ある程度傾向が頭に入っていないと対応出来ない学校になっているか、もしくは本当に相性が悪いかです。
この2択になるかと思います。
ですので、例えば1回と解いてみて、全然点数取れなかったからこれは相性が悪いんだって事でもないと思います。
2、3回解いてみてそれでもなお全然点数が1点も上がらない、むしろ下がっていくんだよ、みたいな場合はそれは本当に相性が悪いのかも知れないなと思います。
なので、そういった観点でその志望校というものをちゃんと適正化するという事は必要になるんじゃないかなと思います。
あと意見が合わないという事ですが、意見が合わなかったとしても自分の人生ですからやりたいようにやった方がいいんじゃないかなと思います。
ただ、全部やりたいようにやるというのも結構リスキーな話ではありますので。安心して受験出来る所、ここはチャレンジだと分かっている所という所はちゃんとグラデーションで3つぐらい用意してもらえるといいんじゃないかなと思っております。