塾とオンラインを併用するときの悩みの構造

まず、なぜ「オンラインを足すと大変になりそう」と感じてしまうのか、その背景から整理してみます。
中学受験算数の特性と、塾の学習スタイルをセットで見ると、悩みの構造が見えてきます。

中学受験算数は積み上げ型で取りこぼしが出やすい

中学受験の算数は、次のような特徴を持っています。

• 計算、割合、速さ、図形などの内容が階段状に積み上がっていく
• 四年生の基礎の理解が、五年生の応用、六年生の入試レベルに直結する
• 文章題や図形では、読解力や図に落とし込む力も強く求められる

この積み上げ型の性質のため、一度つまずいた単元や解き方をそのままにしておくと、その先の単元でも連鎖的に弱点が広がってしまいます。

集団塾だけでは拾いにくいポイントがある

多くの中学受験塾はカリキュラムの進度が速く、授業時間も限られています。
そのため、次のような状況が生まれやすくなります。

• 授業では理解できたつもりでも、家で同じ問題を解こうとすると手が止まる
• 一人ひとりの計算の癖や図の書き方まで細かく見る時間がない
• 宿題の丸つけはされても、途中式のどこでズレたかまでは見てもらいにくい

結果として、表面上は「合っている」「解けている」ように見えていても、実際には理解があいまいな部分が残り、そのまま次の単元に進んでしまうことがあります。

併用で失敗しがちなパターン

塾とオンライン算数を併用するときに陥りがちな失敗パターンを整理すると、次のようになります。

• ただでさえ多い塾の宿題に、オンラインの宿題がそのまま追加されてしまう
• 塾とオンラインで同じ単元を二重に扱い、総学習量だけ増えてしまう
• どちらでも全範囲をやろうとして、結果的にどちらも中途半端になる
• オンライン側が塾の進度を知らず、本来の弱点ではない単元を繰り返してしまう

逆に言えば、
塾でやることとオンライン算数 個別指導でやることを明確に切り分け、総学習量を増やさず弱点だけを補う設計
ができれば、併用は大きな武器になります。

オンライン算数 個別指導が効果を発揮する理由

ここからは、塾との併用を前提にしたとき、オンラインの算数個別指導がどのような場面で力を発揮するのかを具体的に見ていきます。

塾のカリキュラムに合わせて単元をピンポイント補強できる

オンライン算数 個別指導では、通塾している塾のテキストやカリキュラムに合わせて、扱う単元を柔軟に選ぶことができます。

• 今週塾で習った割合の復習だけを集中的に行う
• 模試で崩れた平面図形だけを二回程度で集中的に補強する
• 六年生の夏以降は、過去問の算数の中で得点を上げたい大問だけを扱う

このように、
オンラインは弱点補強専用、塾は全体カリキュラム担当という役割分担
をはっきりさせることで、総学習量をむやみに増やすことなく成績の底上げを図ることができます。

手元映像と過程指導でつまずきの正体が分かる

オンライン個別指導では、タブレットや書画カメラを使ってお子さまの手元を映し、次のような点を丁寧に確認します。

• 計算の途中でどこから桁がずれているか
• 図や表を書き始めるタイミングや書き方に偏りがないか
• 文章題で条件に線を引かずに式から入ってしまっていないか

これらは教室の集団授業では見えにくい部分です。
結果だけでなく途中の思考プロセスを一緒にたどりながら指導できる
ため、本当の意味での弱点発見と弱点補強につながります。

思考の可視化で自力で解き切る力を育てる

「授業では分かるのにテストで点にならない」という悩みは、中学受験算数で非常によく見られます。
これは、説明を聞けば理解できても、自分一人でゼロから解き切る段階まで到達していないためです。

オンライン個別指導では、講師が一方的に解き方を見せるのではなく、次のような質問を重ねながら思考の言語化を促します。

• 「今、何を求めようとしていますか」
• 「この式の数字は問題文のどの部分に対応していますか」
• 「もしこの数字が二倍になったら答えはどう変わりそうですか」

こうした対話を通じて、
頭の中でばらばらになっていた考えを整理しながら解く習慣
が身につきます。

進度管理でやり過ぎとやり残しを防ぐ

塾との併用で特に重要なのが、学習量と進度の管理です。
オンライン側が次のような役割を担うことで、全体のバランスが取りやすくなります。

• 一週間の学習予定表を作り、塾とオンラインの役割を見える化する
• 塾の宿題や模試が重なる週はオンラインの負荷を軽くする
• 復習中心の週には、オンラインで弱点単元を一つ追加する

オンライン側が第二の担任のように算数学習全体を見渡してくれる
ことで、やり過ぎによる消耗と、やり残しによる不安を両方防ぎやすくなります。

効果を最大化するための具体的な使い方

ここからは、塾とオンライン算数 個別指導を併用する際に、どのようなステップで計画を立てていくと良いかを具体的にご紹介します。

ステップ1 現状の整理と役割分担を決める

最初に行うべきなのは、次の三点を整理することです。

• 塾のカリキュラムと使用テキスト
• お子さまの得意単元と苦手単元
• 一週間で実際に使える学習時間の上限

これらを踏まえたうえで、次のような役割分担のイメージを作ります。

たとえば五年生であれば、塾では毎週のテキストを一通り扱い宿題を出し、オンラインでは割合や速さ、図形の基礎など、
今後の中学受験算数で特に重要な柱となる単元
を優先的に扱うといった整理が考えられます。

ステップ2 週単位のピンポイント補強プランを作る

役割分担が決まったら、次に一週間単位の具体的なプランに落とし込んでいきます。イメージとしては次のような流れです。

• 月〜木は塾の授業と宿題を中心に進める
• 金はオンライン算数 個別指導でその週の重要単元を復習する
• 土日は塾のテスト対策や復習、必要に応じて追加演習を行う

オンラインの授業では、その週の塾のテキストをベースに、次のような考え方で問題を選ぶと効果的です。

• 塾の宿題の中で間違いが多かった問題だけを扱う
• その単元の中で入試頻出レベルの代表問題だけを扱う
• 模試の結果から見て、底上げしたい単元だけを優先的に扱う

オンラインで新しい単元をどんどん先取りするのではなく、塾で習った内容の理解度を一段深める場として使う
ことで、総学習量を増やさずに一問一問の質を高めていくことができます。

ステップ3 テストや模試を軸に単元別改善サイクルを回す

塾とオンラインを併用する最大のメリットは、テストや模試の結果をもとに柔軟に戦略を変えられる点です。

1. テストや模試で得点が伸びなかった単元を洗い出す
2. 次の一〜二週間のオンライン算数 個別指導で、その単元を集中的に扱う
3. 再度の小テストや宿題の出来を見て、改善度を確認する

このサイクルを回すことで、弱点単元がそのまま放置されにくくなり、お子さまも「テストでできなかったところをオンラインでやり直す」という流れを理解しやすくなります。

家庭でできるフォローと声かけ

塾とオンラインを併用する場合でも、保護者の方がすべてを管理する必要はありません。
ただ、次のようなポイントを意識していただくだけで、学習の質が大きく変わります。

やることを増やすのではなくやらなくて良いことを決める

併用で失敗しないための大前提は、
オンラインを入れた分だけどこかの負担を減らすという発想
です。

• 塾の宿題の中で難度が高すぎる発展問題は、先生に相談して優先順位を下げる
• 同じタイプの計算問題が大量にある場合、必要な分だけに絞って良いか確認する
• 苦手単元に時間を割く週は、得意単元の演習量を少し減らす

こうした調整を塾の先生やオンラインの講師と共有しておくことで、お子さまが常に全力疾走の状態になってしまうことを防げます。

進捗管理ではなく学習の流れの共有に付き合う

ご家庭での声かけでは、次のようなポイントを意識していただくとよいでしょう。

• 「今日のオンラインでは何の単元をやる予定ですか」
• 「塾とオンラインでそれぞれ何を担当してもらうことになっていますか」
• 「テストでできなかったところを次はどちらで聞く予定ですか」

このように、
どれだけやったかではなく、どういう流れでやるのかに関する質問
をしていただくと、お子さま自身が自分の学習プランを言葉にしやすくなります。

オンラインの報告をきっかけに短い振り返り時間をつくる

オンライン算数 個別指導からのフィードバックがあれば、それをきっかけに短い振り返り時間を持つのもおすすめです。

• 「今日はどんな解き方を教わりましたか」
• 「前より早く解けるようになった問題はありましたか」
• 「次のオンラインまでに自分で練習しておきたい問題はありますか」

数分の会話で十分です。
大切なのは、
オンラインがただ受けて終わりではなく、次の一週間の行動につながる時間だとお子さまが感じられるようにすること
です。

最適なオンライン教室と指導者の選び方

最後に、塾との併用を前提としたときに、どのような視点でオンライン算数 個別指導の教室や指導者を選べば良いかを整理します。

塾のテキストやカリキュラムに対応してくれるか

• 通っている塾のテキストやカリキュラムを把握したうえで指導してくれるか
• 「この単元は塾の宿題で十分なのでオンラインでは別の弱点に時間を使いましょう」といった提案があるか
• 特定の塾の出題傾向や演習量の特徴を理解しているか

こうした姿勢がある教室は、
塾との併用を前提に全体最適を考えてくれるパートナー
と言えます。

弱点を単元レベルで整理し指導計画に落とし込んでくれるか

• 模試やテストの結果をもとに、単元ごとのできる、あやしい、できないを仕分けしてくれるか
• 「今月は割合の基本、来月は速さの基礎を固める」といった中期計画を提案してくれるか
• 各回の授業が、その計画のどこに位置づけられているかを説明してくれるか

中学受験算数の弱点補強では、
単元マップに基づいた計画性のある個別指導
が重要です。

オンライン環境と報告体制が整っているか

• 手元カメラやタブレットでノートや計算過程を確認できるか
• テキストやプリントを画面上で共有しながら指導してくれるか
• 授業ごとの簡単な報告や一定期間ごとのまとめレポートがあるか

こうした仕組みが整っている教室であれば、保護者の方が一人で全体管理を抱え込まずに済みます。
オンライン算数 個別指導
の概要ページなどを比較しながら、お子さまに合うスタイルかどうかを検討なさるとよろしいかと思います。

まとめ

塾とオンライン算数 個別指導の併用は、やり方次第でお子さまの負担を増やすことも、弱点を効率よく補強して成績を伸ばすこともあります。
ポイントは、塾とオンラインの役割分担を明確にし、オンライン側を弱点補強と進度管理のパートナーとして位置づけることです。

ご家庭では、やることを増やすのではなく絞り込む発想を大切にしながら、オンラインの報告を起点に短い振り返りの時間をつくっていただければ、併用の効果はぐっと高まります。