宿題が終わらない子が増えている背景

塾の宿題が終わらないお子さまには、いくつか共通する背景があります。特に中学受験算数は内容が高度で、単純に「量が多いから終わらない」という話ではありません。

中学受験の算数には、次のような特徴があります。

• 単元ごとの知識が積み上げ式でつながっている
• 文章題や図形などでは、読む力や想像する力も強く求められる
• 授業で分かったつもりでも、一人で同じ問題を解く段階まで到達していないことが多い

このため、授業を一度聞いただけでは「家で同じ問題を一人で進める」レベルに達しておらず、その結果として宿題が終わらないという状況が生まれます。

ここで大切なのは、お子さま自身は決してサボろうとしているわけではない、という点です。

• 宿題の優先順位が分からない
• どの問題にどれくらい時間をかけて良いかの基準がない
• 分からないときの進め方という型を持っていない

これらが揃っていないことで、結果として「いつも宿題が終わらない子」という状態になってしまいます。言い換えれば、宿題が終わらない原因は、
量よりもやり方と進め方の設計が不足していること
にあると言えます。ここを補うのが、オンラインの算数個別指導が得意とする領域です。

オンライン算数個別指導が効果を発揮する理由

オンラインと聞くと、「対面より指導の質が落ちるのでは」と心配される保護者の方もいらっしゃいます。しかし、宿題が終わらないタイプのお子さまに限って言えば、
オンラインならではの強みがはっきりとあります。

手元映像で止まっているポイントが一目で分かる

オンライン算数の個別指導では、タブレットや書画カメラを使ってお子さまのノートや計算の手元をリアルタイムで映し出します。

• 式をどこまで書けているか
• 図をどのように写しているか
• どの行でペンが止まっているか

こうした様子がその場で見えるため、単に「解けていない」ではなく、
どの段階で止まっているのかを細かく把握できる
点が大きな利点です。

過程指導で考え方の筋道を整えられる

中学受験算数の弱点は、正解か不正解かではなく、途中の考え方に潜んでいることがほとんどです。オンラインの個別指導では、次のような過程そのものを講師と一緒に確認できます。

• 途中式の省略の仕方や書き方
• 図の書き方や表の整理の仕方
• ヒントをもらったあとの立て直し方

授業の板書だけでは見えにくい
お子さま固有の癖や弱点
が浮かび上がり、それに合わせた声かけができるのがオンライン個別指導の強みです。

思考の可視化と進度管理を同時に行える

オンライン授業では画面共有やデジタルホワイトボードを使い、次のような項目を視覚的に整理できます。

• 今日やる宿題の範囲
• 必ず取り組む問題と、余裕があれば挑戦する問題の区別
• テスト日から逆算した一週間の学習スケジュール

授業中に「今日中にここまで」「週末にここからここまで」といった具体的な宿題計画を一緒に作ることで、
家庭学習のハードルが一気に下がります
。オンラインであれば学習記録やチェックリストもデジタルで共有しやすく、進度管理もしやすいため、宿題未完了が続くお子さまと相性が良いと言えます。

宿題が終わらない子のための改善方法

ここからは、実際にオンライン算数の個別指導を活用することを前提に、どのようなステップで改善していくかを具体的に見ていきます。

ステップ1 宿題の全体像と優先順位を整理する

最初に行うべきなのは、
何をどこまでやるのかをお子さまと講師が一緒に見える化すること
です。オンライン授業の冒頭で、次のような作業を行うと効果的です。

• その週の宿題の範囲を一覧に書き出す
• 基本問題、応用問題、発展問題などレベルごとに分類する
• テスト日や塾の授業日から逆算して、いつ何を行うか大まかに決める

このとき大切なのは、いきなり全部やる前提にしないことです。

このように二段階構成にすることで、宿題のハードルを下げることができます。オンラインであれば、画面上に
今週の宿題マップ
を作成して色分けし、お子さまと共有することも可能です。

ステップ2 解き方だけでなく進め方の型を身につける

次に重要なのは、
一問ごとの解き方だけでなく宿題全体の進め方の型を身につけること
です。オンラインの個別指導では、例えば次のような進め方のルールを一緒に決めていきます。

• 最初の十分で当日の宿題ページ全体をざっと眺める
• すぐ解けそうな計算問題から取りかかり、ウォーミングアップする
• 文章題は条件に線を引く、図に写すなどのルールを徹底する
• 五分以上止まったら印を付けて一旦飛ばし、後で質問する前提にしておく

こうした進め方の型が入ると、毎回一から考えずに済み、苦手な問題に引きずられて時間切れになる状況を防ぎやすくなります。
宿題が終わらないお子さまにとっては、解法パターンの暗記以上に
学習の進め方そのものが弱点
になっていることが多いのです。

ステップ3 週ごとの振り返りで習慣として定着させる

最後に、
やりっぱなしにしないための振り返りの時間
をオンラインで確保します。週に一度、短時間でも良いので、講師と一緒に次のような振り返りを行うと効果的です。

• 今週、宿題はどこまで終わったか
• どの問題で時間がかかりすぎたか
• 飛ばした問題はどれだったか
• 来週に持ち越すべきテーマは何か

この振り返りを続けることで、

• 自分の弱点が具体的な単元として見えるようになる
• 同じつまずきを繰り返す回数が減っていく
• 宿題が終わらなかったときも、感情ではなく事実ベースで原因を話せる

オンライン指導ではチェック表やグラフを画面共有しながら進められるため、お子さま本人の「できた」という実感を視覚的に残していける点も大きなメリットです。

家庭でできるフォロー

オンラインの個別指導を導入しても、家庭での声かけや環境づくりは重要です。ただし、保護者の方が先生の役割まで担う必要はありません。ポイントを絞ってサポートすることが大切です。

宿題の量ではなく進め方について会話する

「宿題、全部終わったの」と量だけを確認する声かけは、宿題が終わらないお子さまにとってプレッシャーになりやすい問いかけです。代わりに、次のような聞き方を意識してみてください。

• 「今日はどのページからやる予定ですか」
• 「さっき先生と決めた優先順位どおりにできそうですか」
• 「時間がかかりそうなところはどこだと話していましたか」

このように、
量ではなく進め方や作戦に焦点を当てた質問
に変えることで、お子さまの「考えながら勉強する姿勢」を支えることができます。

小さな達成を具体的な言葉でほめる

中学受験の算数は、「できて当たり前」「できないと不安」という空気になりがちです。宿題が終わらないタイプのお子さまほど、自己肯定感が下がりやすくなります。

• 「今日は苦手な速さの問題を一問やりきりましたね」
• 「宿題マップどおりに、まず計算から始められましたね」
• 「分からない問題に印をつけておけたのは、とても良い工夫ですね」

結果よりもプロセスに光を当てて、
行動レベルで具体的にほめること
が大切です。「次も同じようにやってみよう」という前向きな気持ちにつながります。

時間帯と場所を固定して集中しやすい環境をつくる

オンライン学習は場所の自由度が高い一方で、気が散りやすい面もあります。保護者の方には、次のような環境づくりをお願いできると理想的です。

• 毎日おおよそ同じ時間に宿題を始める
• 算数の宿題をする机や椅子、明るさを決めておく
• タブレットやパソコンの置き場所を固定する

このような
環境の固定化
は、集中力の安定につながります。学習の中身よりも、時間帯と場所を整える部分をサポートしていただくのが、保護者の方にとって無理のないフォローの仕方です。

最適なオンライン教室と指導者の選び方

最後に、オンラインで中学受験算数の個別指導を受ける際に、どのようなポイントで教室や指導者を選べば良いかを整理します。宿題が終わらないお子さまに合うかどうかは、次の観点で判断することをおすすめします。

宿題管理の仕組みが整っているか

• 授業ごとに宿題の内容と量を具体的に示してくれるか
• 必ずやる問題と余裕があれば挑戦する問題を分けてくれるか
• 宿題の進捗を次回授業で確認し、必要に応じて量や内容を調整してくれるか

こうした仕組みがある教室は、
宿題そのものを指導の一部として扱っている
と言えます。問題の解説だけでなく、勉強の進め方のサポートまで踏み込んでくれるかが重要です。

手元映像や共有ツールが充実しているか

• 手元カメラやタブレットでノートを映しながら指導しているか
• デジタルホワイトボードや画面共有を活用して説明してくれるか
• 宿題マップやチェック表をオンラインで共有できるか

これらの環境が整っているほど、
お子さまの思考過程の可視化と弱点把握
がしやすくなります。

中学受験算数に特化した指導経験があるか

• 中学受験算数のカリキュラム全体を見通したアドバイスができるか
• 応用問題だけでなく、基礎の抜けや計算のつまずきも丁寧に見てくれるか
• 過去問や模試の結果から弱点分野を整理してくれるか

体験授業や面談の際には、これらの点をぜひ確認してみてください。オンラインでも、こうした条件を満たす教室は少しずつ増えています。
オンライン算数 個別指導
のページなども参考にしながら、お子さまに合う指導スタイルかどうかを見比べていただければと思います。

まとめ

算数の塾の宿題が終わらないのは、必ずしもお子さまのやる気や能力の問題ではありません。多くの場合、宿題の量に対して優先順位と進め方の型が用意されていないことが原因です。

オンラインの算数個別指導で手元を映し、過程を丁寧に見てもらいながら、宿題マップと振り返りの仕組みを整えていくことで、ご家庭の負担を減らしつつ中学受験算数の弱点を着実に埋めていくことが可能になります。